【スーパーリアル麻雀PVI | Switch】評価・レビュー 人気脱衣麻雀シリーズの移植第2弾

総評
シリーズ移植第2弾となる脱衣麻雀。脱衣シーンの修正内容に少し落胆はあったものの、ゲームシステムの改善で周回プレイを行う動機が補強されており、価格分は十分に楽しめる作品です。
良かったところ
程よいバランスのイカサマ麻雀
改善されたワクワクエモーションシステム
悪かったところ
味気ない雰囲気の脱衣シーン
3
B
ジャンル 麻雀
ハード Nintendo Switch
発売日 2019年5月23日
発売元 マイティークラフト
開発元 マイティークラフト(移植)
セタ(開発)
公式サイト リンク

 Nintendo Switchへのシリーズ移植第2弾となる脱衣麻雀「スーパーリアル麻雀PVI」のレビュー記事です。

 前作「スーパーリアル麻雀PV」同様、セガサターン版をベースとしている本作。単なる移植ではなく、脱衣に次いで大きな特徴である「ワクワクエモーションシステム」の仕様変更で、ゲームとしての面白さが強化された点は好感触でした。麻雀のバランスも適切で、普通に2人打ち麻雀が楽しめます。

 その反面、脱衣シーンの修正に関しては、想像以上に影響が大きかったです。修正自体はギリギリまで攻めているものの、構図との組合せで、味気ない雰囲気になっているシーンが目立ちます。避けようのない問題とはいえ、脱衣麻雀としては少し残念な作品でした。

お嫁さん候補となる4人のヒロインたち

ある日、キミは1人の老人を助けた。見てみるとなんだかヘンな爺さんである。

「世話になりましたな。ワシは香山藤兵衛。感謝の気持ちとして、何かお礼をさせてもらえんかね?さあ、何でも望みを言ってみなさい。」

すぐに辞退したが、老人も一歩も引かない様子だ。困った・・・。

え~い。どうせなら突拍子も無いことを言ってやれ!と、思ったキミの口から出た言葉は、

「お嫁さんが欲しい!」「ヨシっ、ワシも明治の男。1度引き受けたからにはあんたにとびっきりのカミさんを紹介する。約束ぢゃ。」

翌日の香山邸。藤兵衛の前に座る3人の姿。

小さいのはタマミ、藤兵衛の孫。横に並ぶのはゆかりと真理。いずれも藤兵衛の弟子だ。

「……と言うわけなんぢゃ。だから、お前たちのうち誰かがその気になってくれればなっ。」

昨日の出来事を話し終わったとたんに騒ぎだす3人。藤兵衛も負けじと泣き落とす。

「とりあえず会います。気に入るかどうかは私達が決めます。そう、師匠に教えてもらった麻雀でお相手してあげますわ。ふふふっ。」三人娘の目が輝いた。

そう、この三人は藤兵衛の麻雀の弟子だったのだ。麻雀勝負でキミを試してみようという企みだ。

どうも最初の話とは違ってしまったようだ……。

しかし、藤兵衛としては一応顔が立った。なぜなら、とびっきりの女の子を紹介するという意味ではウソではないから。

家の中でこんな会話が行われていたとも知らず、キミは香山邸の門をくぐる……。

 無駄に長いあらすじから始まる麻雀勝負ですが、ゲーム内ではストーリーらしい流れはほとんどありません。ヒロインたちの家を順番に訪れて、対局を繰り返します。脱衣する理由がなくても、当たり前のように負けたら脱ぐのはお約束です。

 お嫁さん探しが建前になっていることもあって、ヒロインの年齢層は過去の作品に比べて高く、立場も保母さんや留学生などバラエティに富んでいます。

修正の影響が大きい脱衣シーン

 セガサターン版「X指定(18禁)」からSwitch版「CERO:D(17歳以上対象)」への移植にあたり、脱衣シーンには修正が加えられています。先駆けて発売された「スーパーリアル麻雀PV」の移植版で、修正不足による配信停止を受けた経緯もあって、今回はしっかりと修正されている印象です。

 修正が加えられることは購入前から分かっていたものの、想像以上に魅力が損なわれていた点は残念でした。本作の脱衣シーンは、キャラクターを遠目や正面から映す構図が多いため、修正が入ることで味気ない雰囲気になっています。見えないことでそそられるような、修正が良い方向に作用するシーンは少ないです。

程よいバランスのイカサマ麻雀

 脱衣麻雀といえば、イカサマのような強さが当たり前ですが、本作は程よいバランスに整えられています。8段階の難易度設定も用意されており、最高難易度「雀鬼」にしてもイカサマ感は控えめです。最低難易度の「接待」に設定すると、相手が大物手を和了ることはほとんどありません。

 「鳴き」や「リーチ」が可能なときにはガイドが表示されることに加えて、リーチ後は自動的に高速オートツモに移行するので、かなり遊びやすく作られている点も好感触です。難易度以外に、「喰い断」の有無も変更できるため、普通に2人打ち麻雀が楽しめるクオリティでした。

持ち点で評価が変わるワクワクエモーションシステム

 対局後にヒロインからの評価が表示される「ワクワクエモーションシステム」は、移植にあたり評価基準が大きく調整されていました。今ひとつ不明確だった基準が『対局終了時の持ち点』というシンプルなルールに変更されており、持ち点が多いほど高評価と分かりやすいです。

 評価がストーリーに影響を与えることはないため、やり込み要素に近いシステムですが、繰り返しプレイする際には動機の1つになります。特に、最高評価と最低評価は狙っても出すのが難しく、各ヒロインの全評価を閲覧するためには、相当な対局数が必要です。

ごほうびの部屋では脱衣シーンを見放題

スーパーリアル麻雀PVI ごほうびの部屋

 一度でも見たことのある脱衣シーンは、「ごほうびの部屋」に登録されて、自由に閲覧することが可能です。アイコンが脱いだ衣服を表しているので、どのシーンなのか一目で分かります。

 Nintendo Switch本体の録画機能に対応しており、脱衣シーンに限らず、ゲーム画面を動画として保存することもできました。

スタッフ表記のないスタッフロール

 「スーパーリアル麻雀PV」のSwitch移植版ではカットされてしまったスタッフロールですが、本作ではスタッフロールがエピローグを兼ねているため、各表記を消した状態で収録されています。ここでしか見られないイラストが豊富なので、上手く残してくれたのは、うれしい移植でした。

さいごに

スーパーリアル麻雀PVI ゲームオーバー

 脱衣シーンが見放題で繰り返しプレイする動機が弱い中、「ワクワクエモーションシステム」の仕様変更で周回プレイが楽しめるようになった点は、本当にすばらしい改善でした。最低難易度で遊べばストレスなく打てることもあって、気付けば数周回ほど遊んでいたほどです。

 脱衣シーンに少し落胆があったため、脱衣麻雀としては高評価を付け難いところがあるものの、価格分は十分に楽しめる作品となっていました。