ジャンル | トレーニング |
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ハード | Nintendo Switch |
発売日 | 2018年12月20日 |
発売元 | イマジニア |
開発元 | イマジニア |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | 毎日20~30分 |
イマジニアがおくるトレーニングソフト「Fit Boxing(フィットボクシング)」のレビュー記事です。
自宅で手軽にボクシングエクササイズが行える本作。想像していた以上に多彩なアクションや、豪華声優によるインストラクターのおかげで、気持ちよく体を動かせる作品です。時間や目的に合わせて、おまかせでエクササイズのメニューを組んでくれる「デイリー」機能も用意されており、継続的な運動を手助けしてくれます。スリープ状態から即再開はもちろん、ゲーム起動からエクササイズ開始までが早い点も、プレイしやすい要因でした。
ボクシングということで上半身を中心としたエクササイズかと思いきや、意外と下半身を使う点には注意が必要です。前後左右へのステップといった大きな動きも存在するため、それなりのプレイスペースを要求されます。リズムゲーム感覚で楽しめるとはいえ、ゲームらしい要素は最低限となっており、長く続けるためにはプレイヤーの強い意志も必須でした。ゲーム感覚で運動できるというほど楽な内容ではないですが、しっかりと体を動かせるので、頑張った分だけ効果は期待できる作品です。実際に私自身、約1か月のプレイで1.5kgのダイエットにつながりました。
目次で流し読み
想像していたよりも多彩なアクションの数々
購入前にイメージしていたのは、音楽のリズムに合わせてパンチを繰り出すゲームでした。パンチの種類も「ジャブ」「ストレート」「フック」くらいだと思い込んでいたのですが、想像していたよりも多彩なアクションが用意されています。「ダッキング」「スウェー」「ステップ」といった回避系の動作に加えて、「アッパー」や腰を落として打つボディ狙いのパンチなど多種多様です。個々のアクションはシンプルでも、コンビネーションによって流れるように体を動かすため、様々な動きを伴う爽快な運動を楽しめます。
意外と下半身を動かすアクションが多いため、要求されるプレイスペースも広めです。ステップ系の動作でも、判定は手に持った「Joy-Con」で行うので、少しオーバーアクション気味に動かなければなりません。最低でも前後左右に1mくらいのスペースがなければ、思い切りプレイするのが難しいです。また、カーペット・絨毯の上で行うと傷めてしまうので、継続的にプレイするなら室内シュートでフローリングか、エクササイズマットの利用をおすすめします。テレビの前が狭いという場合でも、本作はスタンドモードでプレイできるため、Nintendo Switchを持って広い場所へ移動することが可能です。
おまかせでメニューを組んでくれるデイリーエクササイズ
手軽に毎日エクササイズを行う手助けとして、本作には「デイリーエクササイズ」機能が用意されています。エクササイズの目的・効果・時間を設定すると、おまかせでエクササイズのメニューを組んでくれる機能です。日替わりで内容が変わるため、いちいち毎日メニューを考える必要はありません。時間は10~40分。ストレッチの有無も選択できるため、自分に合ったトレーニングを調整可能です。私は基本的に毎日デイリー20分+フリーエクササイズを気分でプレイしています。
「デイリーエクササイズ」は達成することでカレンダーにスタンプが押されていくため、モチベーション維持にもつながりました。ちょっと気分が乗らない日でも、『とりあえずデイリーだけはやろう』と考えてしまいます。「Fit Boxing」をプレイしている状態でスリープしていれば、即座にプレイ再開が可能。ゲームの起動からでも、エクササイズ開始まで1分も掛からない手軽さが継続的なプレイを後押ししていました。毎日の日付変更時間はオプションから調整できるため、仕事の帰りが遅い人でも安心です。
豪華声優によるインストラクターが継続プレイをサポート
トレーニングをサポートしてくれるインストラクターの存在は、本作の大きな特徴です。女性4人、男性2人の中から選ぶことができます。声優陣も豪華で、とにかく励まし褒めてくれるため、やる気につながりました。リザルト画面で表示されるカラダ年齢も、かなり緩い判定で若く表示されるので、ちょっと露骨すぎるくらい気持ちよくプレイさせようという姿勢が見えます。
ボイスの組合せは限られているため、同じインストラクターでプレイし続けていると、少し聞き飽きた部分もありました。特に、デイリーのストレッチを選択している場合、毎日開始時と終了時に同じボイスを聞くことになります。ストレッチも1種類ではなく、多少のバリエーションがあるとうれしかったです。幸いなことに、インストラクターは最初から全員を選べて自由に変更できるため、ローテーションしながらプレイするのも良いかもしれません。
コレクション要素として、インストラクターの衣装が用意されています。種類は、キャラクター固有の上下ウェアと、男女別のアクセサリです。毎日20~30分プレイしても、2~3日で1つ衣装を獲得する程度のペースなので、コンプリートにはかなり長期的なプレイが求められます。
エクササイズ重視でゲーム要素は最低限
アクションのタイミングを音楽に合わせて、リズムゲーム感覚で楽しめるとはいえ、ゲームらしい要素は最低限しか用意されていません。『ふだんは全く運動しないけど、ゲームを遊ぶだけで運動不足を解消。もしかしたら痩せられるかも?』と考えて購入を検討している方は、注意してください。継続的にプレイするには、強い意志が必要です。決して『ゲームを遊び続けたいから頑張ってしまう』とはなりません。続けるも辞めるもプレイヤーの気持ち次第です。
全ての判定を、手に持った「Joy-Con」だけで行うため、シビアなゲーム性もありません。フックの要求に対してストレートを打っても、タイミングさえ合っていれば「JUST」になります。ただ判定を取るだけなら、棒立ちでタイミングに合わせて手首を動かすだけでも大丈夫です。どこまで真剣に、細部まで意識して体を動かすかはプレイヤーに掛かっています。飽くまでエクササイズのサポートが中心の、ストイックな作品です。
本作に限った話ではないですが、運動を長く続けるためにはモチベーションの維持が重要です。私自身、しばらく続けて結果を出した上で、このレビュー記事を書こうというのが1つのモチベーションでした。SNSを活用して、始めたことやプレイ記録を定期的に共有するなど、人の目をうまく利用するのも良いと思います。
逆に、ゲーム感覚で体を動かしたい人は、「リングフィットアドベンチャー」や「Kinectタイトル」がおすすめです。
約1ヶ月のプレイで1.5kgのダイエットに成功
ふだんの運動といえば、「Kinect」や「踏み台昇降運動」で運動不足を回避する程度だったのですが、仕事が在宅勤務になったことで太りそうだと懸念を抱いたことが「Fit Boxing」購入の理由でした。オフィスに行かなくなったことで、外食やコンビニ弁当を避けられるようになったため、せっかくなら痩せようと思い立って約1か月。スマホ連動の体重計を購入した日からレビュー記事を書いた日までで、67kg前後だった体重が、65.5kgまで減りました。身長が173cmなので目立って太っていた訳ではないですが、去年の冬に体重が増えて震えていたので、減量の兆しが見えたことに安堵しています。
もちろん、がむしゃらに「Fit Boxing」をプレイすれば痩せるというわけではなく、食生活も見直した上での減量です。暴飲暴食を控え、ふだんの軽い運動に加えて「Fit Boxing」を毎日20~30分という形でした。最初の頃は、いつも行わない運動をしたことで筋肉痛になってしまい休み休みでしたが、慣れると日常の一部になります。公式で『90日プレイで平均5.5kg減』を謳っている本作ですが、少なくとも運動不足の改善。うまく行けばダイエット効果も期待できることは、自分の身体で確認できました。
さいごに
実際に運動を続けられるか不安。という方は、まず体験版から触れてみることをおすすめします。体験版では「デイリーエクササイズ」を3回までプレイすることが可能です。実際に体を動かしてみて、3回目が終わった時点で『これからもプレイしたい』と感じたら、製品版を購入すると良いでしょう。