ジャンル | RPG |
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ハード | Nintendo Switch |
発売日 | 2017年12月1日 |
発売元 | 任天堂 |
開発元 | モノリスソフト |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで90時間 |
モノリスソフトがおくるオープンワールドRPG「Xenoblade2 (ゼノブレイド2)」のレビュー記事です。
王道のストーリーと膨大なイベント量が魅力の本作。ほどほどに寄り道をしながら遊んでも、ストーリークリアまでに90時間という、かなり大ボリュームな内容となっています。クリア後も30時間ほどプレイしましたが、ゲーム内のイベントが尽きる気配はありませんでした。
豊富なコンテンツ同士が連動しているゲームデザインも好印象です。クエストを進めている間にも、次々と新しいクエストが解放されるため、止め時を見失ってプレイ時間がどんどん伸びていきました。やり込めば100時間遊べる作品ではなく、自然に100時間以上楽しめてしまう作品です。
目次で流し読み
ヒロインと共に楽園を目指す王道ストーリー
雲海に覆われ、巨大生物の上で人々が暮らす世界。サルベージャーの主人公が、ヒロインであり「天の聖杯」と呼ばれる伝説のブレイドと出会うところから物語は始まります。ストレートに「ボーイミーツガール」を貫いた王道ストーリーで、とても気持ちよく楽しむことができました。詳細はネタバレになるので割愛しますが、トレーラーを見てワクワクしたら、買って間違いはありません。
ヒロインは2つの姿を持っており、擬似的にダブルヒロインになっているのも特徴的です。表面的な性格や容姿が大きく異なるため、ストーリーがより華やかに感じられました。道中、プレイヤーの好みが反映されるちょっとした選択が用意されているのも良かったです。
登場するキャラクターが多く、かなり大風呂敷を広げるストーリーですが、大ボリュームなだけあって丁寧に畳まれていきます。イベントの掛け合いやアクションも熱いため、見どころを挙げるときりがありません。印象的なシーンも多く、思い出に残るストーリーでした。
なお、モノリスソフトの「ゼノ○○」シリーズであり、ナンバリングタイトルですが、他のシリーズ作品をプレイしていなくても問題なく楽しめます。
どこまでも歩ける幻想的なオープンワールド
巨神獣(アルス)と呼ばれる巨大生物の上に広がるフィールドは、灼熱の荒野から極寒の大地まで、様々なロケーションが用意されています。時間帯や天候の変化によって、同じフィールドでも景色が異なるため、ただ歩き回るだけでも楽しい気分でした。
風景を楽しみながら進んでいたら、高所で足を踏み外してしまったことも、1度や2度では済みません。たとえ死んでも、チェックポイントに戻される以外にデメリットはないため、未発見の秘境を探すために不安定な足場を登ったり高所から飛び降りたりと、遠慮なく冒険できるのも良かったです。
ドライバーのパートナーとなるブレイドたち
主人公たちは、冒険で見つけたコアクリスタルを使用することによって、ブレイドと呼ばれるパートナーと同調することができます。1人につき最大3体まで戦闘へ連れていくことが可能です。ブレイドによって「攻撃」「防御」「回復」といったロールタイプや、武器・スキルが異なるため、組合せによって戦い方が大きく変化しました。
ブレイドの中には、ユニークな容姿や能力を備えたレアブレイドも存在します。特定のレアブレイドを除いて、同調時に低確率でランダムに登場。ランダムで登場するレアブレイドは20体ほどいるので、序盤から出会って活躍するブレイドがプレイヤーごとに異なる点も面白かったです。ちなみに私は、120時間プレイしても、まだコンプリートできていません。
それぞれのブレイドには、「キズナリング」と呼ばれる成長要素が用意されています。同調しただけでなく、行動を共にしていなければ達成できない物も多いため、一緒に冒険しているブレイドほどキズナが深まって強化されていく仕様になっていました。
戦闘に連れていかないブレイドも、傭兵団として任務に派遣することが可能です。任務完了でアイテムや経験値が手に入るので、どんどんブレイドを増やして戦闘メンバー・傭兵団の両方を強化していくのが攻略のカギでした。
様々なアクションを駆使して戦うバトルシステム
戦闘は「オートアタック」で攻撃しつつ、「ブレイドスイッチ」「ドライバーアーツ」「必殺技」「チェインアタック」といった複数のバトルシステムを駆使して戦います。どれも奥深いアクションばかりで、使いこなせるようになるまで大変です。しかし、1つ1つ順番に解放・解説されるため、特に意識しなくても、自然と慣れることができました。
序盤こそ、オートアタック中心のため、ゆっくりとしたテンポの戦闘になりがちですが、各種システムが解放されて、戦い方が確立されると操作はかなり忙しいです。特に、強敵との戦いは位置取りやヘイト管理に失敗すると一気に全滅することもあるため、手に汗握る戦闘が繰り広げられます。
「必殺技」で頻繁にボタン押しが発生する点に関しては、プレイ前に懸念はあったものの、実際に遊んでみるとほとんど気になりませんでした。むしろ、ボタン押し攻撃がどれも強力なので、何度発動させても楽しかったです。ブレイドが必殺技を放っている間、ドライバーはフリーになるため、ボタン押しを行いつつも位置取りを調整するなど、ただボタンを押すだけの時間にならない点も好感触でした。
豊富に用意されたストーリー仕立てのクエスト
本作には、メインストーリー以外にも様々なクエストが存在します。内容は、エネミー討伐やアイテム収集など、いわゆる「おつかい」ですが、それぞれにしっかりとしたストーリーが用意されていました。レアブレイド専用のクエストや、ボイス付きのイベントシーンもあるため、ついついコンプリートを目指したくなります。
場合によっては複数の巨神獣を行き来するクエストもありますが、1度見つけたランドマークへワープできる、「スキップトラベル」を使えば簡単に移動できるのもうれしかったです。ローディングも数秒程度と、オープンワールドの長距離移動にしては短く、頻繁なスキップトラベルの使用も苦になりません。
メインストーリーは章形式ですが、クエストの進行は独立しており、時間限定のクエストがほとんどなかったことも遊びやすさに一役買っていました。発生しているクエストを全てクリアしながら遊んでも良いですし、メインストーリーを中心に進めて、レベリングが必要なときだけクエストを遊ぶといったプレイスタイルも自由に選べます。
次から次へとクエストが解放されるコンテンツ同士の連動
連続したクエストはもちろん。街中での会話や特定ポイントへの到達など、クエストは様々な場面で解放されていきます。クエスト中に新たなクエストを見つけることや、クリア報酬によってキズナが深まり、ブレイドクエストが解放されることも多いです。中盤~終盤は、消化を優先しても受注中のクエストが増えていくほどでした。
クエストの中には、傭兵団の限定任務が発生する物もあります。任務完了まで進行は止まってしまいますが、待っている間も他のクエストを受けられるため、複数のクエストを平行して進めることが可能です。また、傭兵団の派遣でもキズナが深まるため、こちらでも新しいクエストが解放される場合がありました。
とにかくコンテンツ同士の連動が豊富で、『このクエストをクリアしたら寝よう』と決めてプレイしていたはずが、気になる新クエストが解放されて、我慢できずに寝る間を惜しんで遊び続ける日も多かったです。
遊んでいるうちに感じた細かい不満やストレス要因
ここまで褒めちぎってきたものの、全てにおいて完璧ではありません。いろいろと盛り込んでいるコンテンツに対して、機能面では足りない部分も多かったです。作品全体としては満足しており、100時間もプレイしていれば慣れたところもありましたが、とても惜しいと感じます。
不満の中でも終始ストレスだったのは、ミニマップの使い勝手が悪いことです。小表示・大表示、どちらも表示される範囲が狭く情報量も乏しいため、ほとんど役に立ちません。「スキップトラベル」の画面で代用できますが、マップ一覧から現在地を選ばなければならないので、自分の周囲を確認するだけでも手間が掛かります。
数百種類のアイテムやエネミーに対して、図鑑系のシステムが用意されていない点も不自由でした。所持アイテムなら入手場所が記載されているものの、使い切ってしまうと確認ができないので、常に1個は残さなければなりません。同様に、エネミーも印象的な相手でなければ、討伐対象に名前だけ挙げられても姿が思い出せないため、フィールドを歩きながら1体1体の名前を確認していく必要があります。
他にも、アイテムを一括売却・納品できないなど、細かい不満点は多々ありました。UIも慣れるまでは煩雑に感じることも多く、全体としては良い作品だっただけに、作り込みの甘さはもったいなかったです。
※12月22日に配信されたパッチVer.1.1.1にて、「新しいサイズのミニマップを追加」「スキップトラベル画面を開いたときに、今いるマップが開かれるようになる」更新が行われました。
100時間を超えても遊び尽くせない大ボリューム
冒頭でストーリークリアまで90時間と書きましたが、プレイスタイルによって大きく変動するため、参考程度でしかありません。メインストーリーを中心に進めれば、10時間単位で短縮できるかもしれないですし、クエストのコンプリートをしてからクリアするなら、200時間遊んでも終わらない可能性があります。引継ぎや周回要素はないですが、1周だけでも遊び尽くせない大ボリュームでした。
ソフトと同時に発売された「ゼノブレイド2 エキスパンション・パス」が、1年掛けて配信される追加コンテンツとなっており、プレイ前は気長すぎる印象でしたが、攻略に頼らずじっくり遊べば数か月は遊べそうなコンテンツ量なので、今なら納得の配信スケジュールです。
さいごに
基本的にストーリークリアを中心にプレイして、やり込みはレビュー記事を書いた後に回すのですが、今回はサイドコンテンツまでしっかりと堪能してからのレビューとなりました。クリア後に一区切りつくまで遊んでいたら、いつの間にか30時間経過していた辺りからも、本作がとても魅力的だったと実感します。
どこまでやり込むかは今のところ未定ですが、満足のいくまで遊び尽くした後に、エキスパンションパスの購入も視野に入れたい作品でした。
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