
ジャンル | お世話ダンジョンRPG |
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ハード | PlayStation 4 Nintendo Switch |
発売日 | 2022年6月30日 |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
開発元 | 日本一ソフトウェア |
公式サイト | リンク |
日本一ソフトウェアがおくるお世話ダンジョンRPG 第2弾「void tRrLM2(); //ボイド・テラリウム2」のレビュー記事です。
「void tRrLM(); //ボイド・テラリウム」の続編となる本作。ゲームシステム・ストーリーともに、前作をプレイしている前提の内容です。トリコちゃんの過去を含む、前作で語られなかった部分の補完となる物語が描かれていました。
ダンジョンRPG部分はほとんどが据置きながら、良くも悪くも前作同様に楽しめます。お世話コンテンツが大幅に強化されているため、トリコちゃんとの生活や、テラリウム関連をじっくり遊びたい人にとってはうれしい変化です。
良いところが増えた反面、ゲームバランスの悪さや、不具合の多さが目立ったのは残念でした。初日パッチで別ゲームに変わるほどのギリギリな開発で、不信感を覚えたほどです。進行不能になる不具合も残っており、調整・修正が済んでからのプレイを推奨したい作品でした。
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前作プレイ前提のゲームシステム・ストーリー
ゲームシステムやストーリーは、完全に続き物となっており、前作をプレイしている前提の内容です。チュートリアルなしでプロローグの探索が始まるため、手探りで操作を確認しなければなりません。簡単なTIPSが用意されているものの、基本的には前作とセットで遊ぶ作品でした。
ストーリーも前作終了後の物語が描かれます。過去のあらすじは会話の中で少し触れられる程度のため、こちらも前作を遊んでいる前提です。主に、トリコちゃんの過去や、末期の人類について触れられる内容で、前作で語られなかった部分の補完となっていました。
大幅にパワーアップしたお世話コンテンツ
メインコンテンツであるトリコちゃんのお世話は、既存のオブジェクト設置に加えて、要素が大幅に追加されました。温度・湿度管理をしながら花を育てたり、特定のオブジェクトを設置することでテラリウムの雰囲気を変えたりできます。
前作では、普通にプレイしていれば起こりづらかった病気も、発症率が高くなった感触でした。初めての病気なら治療道具の作成で強化を得られますが、再発も多くて時間を取られがちです。探索中の呼出しも頻度が高く、お世話寄りのゲームデザインになっていました。
複数のテラリウムを作成・管理できるようになったのは大きな変化です。テラリウムごとにオブジェクトを設置可能で、気分やトリコちゃんの状況によって使い分けることができます。テラリウム制作にこだわりたい方にとっては、より楽しめるようになった2作目です。
ほとんど据置きのダンジョンRPG
ダンジョンを探索して、トリコちゃんのお世話やイベント進行に必要な素材を集めるローグライク要素は、ほとんど前作据置きの感触でした。アイテムを制作することで、ロボットの基礎ステータスが強化されていくゲームサイクルも健在で、良くも悪くも前作同様に楽しめます。
新要素として、同じ武器を使い込むと蓄積される「武器熟練度」が追加。性能強化だけでなく、アクティブスキルの種類も増えるため、後半になると積み重ねが際立つ要素です。狙った武器を獲得しにくい問題はあるものの、同じく新要素の「不思議な小部屋」に合成部屋があるなど、配慮が見受けられました。
ダンジョン探索の進行はルート選択式に一新され、一定階層ごとに異なるエリアを探索する形になっています。天候や敵の種類を意識しながらルートを選べるほか、ランダムや特定条件を満たすと登場するボーナスダンジョンも存在しており、アクセントとしてうまく機能していました。
不信感すら感じた作り込みの甘さ
基本的なゲーム内容・コンセプトは面白いものの、バランスの悪さや、散見される不具合が評価を大きく落としました。探索する必要はないが、探索に行かなければ進行しない状況も頻発し、開始即リタイアを繰り返す作業も多くなりがちです。操作性も良いとはいえず、煩雑に感じてしまったのは残念でした。
探索中も、こちらを強制移動させる敵が行動中にスタックして、エネルギー切れで死ぬまで捕らわれるなど、理不尽な体験が多かったです。特にひどいのは、進行不能に陥るボーナスダンジョンの存在でした。確定でエラーが発生するため、手動でリタイアするしかありません。オートセーブがあるとはいえ、粘ってもエラー履歴が積み重なるばかりです。
発売日に配信されたパッチで、ゲームが大きく変化した点も不信感をあおりました。各種スキルの内容が大幅に調整されたり、特殊ステージの見た目がガラッと変わったりと、プレイ感が別物です。中途半端なクオリティで見切り発車して、発売ギリギリまで調整した印象で、発売日時点でも完成度は今ひとつでした。
さいごに
後からパッチ修正を行う前提で発売する、典型的なパターンの作品でした。しっかりと作り込まれていれば、ゲームデザインやコンセプトは良かったので、非常に惜しい印象です。
前作も発売日時点で様々な問題を抱えており、時間を掛けて完成度を上げていたため、購入を考えている方はアップデートが落ち着いてからのプレイをおすすめします。
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