「JapaneseRestream」でボランティアスタッフに参加してみた話

 2021年1月に開催されたRTAイベント「AGDQ2021」において、同イベントを公認でミラー配信するTwitchチャンネル「JapaneseRestream」に、ボランティアスタッフとして参加してみました。これまでは解説者として参加していましたが、スタッフ参加はAGDQ2021が初めてになります。

 実際にスタッフの1人として働いてみて、いろいろと面白い経験を楽しめたので、記事の形でまとめてみました。イベントの裏側に興味がある方や、スタッフとしての参加を検討している方の参考になれば幸いです。

JapaneseRestreamとは

 「JapaneseRestream」は、2017年より運営されている、海外のRTAイベントを日本の視聴者向けに公認でミラー配信するTwitchチャンネルです。外国語の公式配信に対して、日本語での司会進行・解説が行われており、チャットなどで盛り上がりながら海外イベントを楽しめます。

スタッフ応募に至った経緯について

 「JapaneseRestream」への解説参加は、AGDQ2019から行っており、約1年半で6イベント7タイトルの解説を経験。当初は不安しかなかった解説も、回を重ねるごとに慣れていき、1イベントで複数タイトルを解説することもありました。このまま解説タイトルの数を増やし続けても良かったのですが、スタッフで参加するのも面白そうだと考えたのが最初のきっかけです。SGDQ2020では、解説の待機時間にスタッフの方と雑談をする機会もあって、更に興味をそそられました。

 残念ながら、秋に開催されたイベントではスケジュールが合わなかったものの、年始開催のAGDQは時間的にも余裕があって、AGDQ2021で初参加となりました。もちろん、スタッフと同時に解説者としても参加できるため、両方で応募した形です。私と同じように、解説参加からステップアップした人も多いので、両方で参加されている方は少なくありません。

 解説として参加した話については、別記事「「JapaneseRestream」でRTAの解説をしてみた話」にまとめているので、興味のある方は併せてチェックしてみてください。

ボランティアスタッフのタスク

 イベントに際して、ボランティアスタッフがどのようなタスクをこなしているのか、差し障りのない範囲でまとめてみました。大きく分けて「司会進行」「配信管理」に分かれており、タスク内容も大きく異なります。必ず両方のポジションに携わる必要はなく、片方だけを希望も可能です。

※記載しているのは、AGDQ2021実施時の内容になります。

司会進行

  • 配信の司会進行を行う
  • 解説者の補助を行う
  • 画面切替えや、マーカーを打つ

 視聴者からもイメージしやすい表のポジション。タイトル間のつなぎやイベント概要を案内する「司会進行」に加えて、解説者の補助が中心です。もし担当している時間のタイトルに解説者がいないときは、できる範囲で場をつなぐ必要があります。「現在のゲーム」「今後のゲーム」といった、配信画面に表示している情報の切替えや、アーカイブ作成用のマーカーを打つのも、司会進行の範疇です。

配信管理

  • 配信の音量調整
  • 公式アカウントでのツイート
  • 裏側での解説者対応

 マイクの音量や音質は、各個人の環境によって異なります。そのため、司会進行・解説者・イベント本配信の音量がちょうど良いバランスになるよう、タイトルごとに調整するのが「配信管理」のメインタスクです。他にも、現在配信中のタイトルやイベントに関するツイートを行ったり、次のタイトルの解説者を待機室に誘導したりといったタスクを行うポジションになります。視聴者からは見えないですが、配信を裏で支える、縁の下の力持ちです。

スタッフ応募からイベント当日まで

 「司会進行」「配信管理」の両方で応募しましたが、実際に担当したのは「司会進行」のみでした。3時間枠が3回、2時間枠が1回の、合計11時間です。深夜帯を中心に「参加可能時間」を記載していたので、いずれの担当時間も0時前後のスタートでした。司会進行とは別で、解説者として応募したタイトルがあった日を除いて、参加可能日は毎晩のように入っていた感じです。

 初参加で11時間というのは、想像していたよりも多い担当時間でした。しかし、冷静に考えてみると、イベントの総時間が162時間で、表と裏の担当者に分けるとタスク量は324時間。今回のボランティアスタッフは26人だったので、単純に割ると1人平均13時間になります。実際は、運営スタッフが「配信管理」を長時間受け持っているため、ボランティアスタッフの平均担当時間はもっと少ないのですが、24時間配信を1週間続けるイベントのスタッフは大変だと痛感しました。

 もちろん、1度決まった担当スケジュールを絶対厳守というわけではありません。スケジュール自体、仮組みから無理のないよう調整して固めていくため、担当時間の増減や、応募時点からの予定変更にも対応していただけます。イベント開催中は、担当者以外でもスタッフ用ボイスチャットに参加している方が多く、急なトラブル等が発生しても、良い感じにサポートを行い合える環境でした。

 ポジションごとのタスクや基本的な事項は、事前にマニュアルが用意されます。イベントごとに情報の管理形態や配信環境の変化などもあって、ところどころ荒削りな部分も目立ちましたが、初参加の身としては心強い存在でした。内容に不明点があれば、Discordのスタッフチャンネルや、スタッフ用ボイスチャットで他のスタッフに確認もできるため安心です。

実際に司会進行をしてみて感じたこと

 初めての司会進行枠は、ありがたいことに全てのタイトルで解説者がいらっしゃったので、緊張しながらも問題なく対応ができました。節度のある発言・対応を心掛ける以外に、司会進行のスタイルは明確に決められてはいません。私の場合、コメントを拾ったり、疑問に感じた点を聞いてみたりしながらも、基本は解説者にお任せです。ただし、解説者から『対話の形で解説をしたい』と希望された際は、積極的に喋るようにしました。

 司会進行も担当するタイトルを知っていた方がスムーズな話ができるとはいえ、知らないなりに、未プレイの視聴者と同じ視点で質問ができるので、その辺りを過剰に気にする必要はありません。逆に、『解説者として応募できるほどの知識はないが、好きなゲームなので司会進行として入りたい』といった希望も、担当時間に反映していただけます。

 期間中、解説者のいないタイトルが2つあったので、事前にRTA動画を見ておき、カンペ頼りではあったものの、簡単な説明を行いました。途中、付け焼き刃の知識から間違った話をした箇所もありましたが、最低限の説明はできたかと思います。これは私の性格的な物というか、不安を解消するために行ったことです。解説不在時の司会進行も、明確なルールはありません。運営スタッフからも、知らないゲームは『知らないです』といって、チャット欄を見ながら軽く実況する感じでも構わないと言われていました。

 最初の動機は興味本位だったものの、開催後に振り返ってみると、充実した時間を楽しめたというのが素直な感想です。4回の担当時間を経て、「司会進行」のタスクに慣れた点も良い方向に働きました。少ない担当時間では、ドキドキしたままで終わっていたかもしれません。スタッフ同士でコミュニケーションを取る機会も多く、視聴者だった頃とは異なる視点からもイベントを堪能できてうれしかったです。

イベントごとにボランティアスタッフを募集

 「JapaneseRestream」では、イベントごとにボランティアスタッフを募集しています。AGDQ2021の場合、26人が参加されていました。過去のイベントに比べて、人数はかなり増えたとのことでしたが、RTAイベントは開催時間が長いこともあって、決して余裕のある人数とはいえません。もし『スタッフに興味がある』『運営を手伝いたい』という方は、1日だけの参加でも歓迎されるので、応募してみてはいかがでしょうか。

 スタッフへの参加は、RTA経験者ではなくても大丈夫です。私を含め、走者ではない人がたくさんいらっしゃいます。それどころか、私は「JapaneseRestream」以外で実況・配信はほぼ未経験です。特別なスキルは必要なく、意欲があれば問題はありません。人前で喋るのが苦手という人や、マイクがない人でも、「配信管理」として協力ができます。スタッフといっても堅苦しさは全くないので、気負わず楽しめます。

さいごに

 応募してみるまでは不明瞭な点も多く、参加してからも驚きと緊張ばかりでしたが、運営に貢献できるだけでなく、自分にとっても良い刺激になりました。毎回は難しいかも知れませんが、次回以降もスケジュールが合えば、できるだけ参加していきたいと考えています。