【EVE rebirth terror | PS4/Vita】評価・レビュー 原点回帰からの続編を描いたコマンド選択式アドベンチャー

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総評
コマンド選択式&マルチサイトシステムを活かした、EVEシリーズ13年ぶりの新作。初代の続編として、しっかりとしたこだわりを持って作り込まれており、満足度の高い作品です。PS4版なら前作も併せて収録されているため、シリーズが初めての方にもおすすめできます。
良かったところ
一新されたキャラクターデザイン
探索感が湧くコマンド選択式ADV
ストーリーの深みが増すマルチサイトシステム
PS4版には前作が収録
悪かったところ
控えめになった扇情的シーン
ジャンル コマンド選択式アドベンチャー
ハード PlayStation 4
PlayStation Vita
発売日 2019年4月25日
発売元 El Dia
開発元 RED FLAGSHIP
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで12時間

 El Diaがおくるコマンド選択式アドベンチャー「EVE rebirth terror(イブ リバース テラー)」のレビュー記事です。

 EVEシリーズとしては13年ぶりの新作となる本作。1作目「EVE burst error」の1年後を描いた続編となっており、2016年に発売されたリメイク版「EVE burst error R」からシリーズに触れた人でも楽しめる内容になっています。PS4版には前作も収録されているため、初めて遊ぶ方にもおすすめできる作品です。

 特徴である「コマンド選択式ADV」「マルチサイト」システムは健在。下手に変化を加えなかったことで、地続きとなっている続編ストーリーを純粋に楽しめた点も高評価です。一新されたグラフィックも、初代と今風の間を取った絶妙なデザインとなっており、とても満足度の高い作品に仕上がっていました。

「EVE burst error」の1年後を描いたストーリー

 バーストエラー事件の1年後を舞台にしたストーリーは、「EVE burst error」の直接的な続編にあたる内容です。もちろん前作のプレイは必須で、プレイ済みでも記憶が曖昧なら復習しておく必要があります。幸い、PS4版には前作も収録されているため、1本で2作品を通してプレイすることも可能です。

 馬鹿馬鹿しいトークや軽いメタ要素を交えつつも、シリアスなシーンでは思わず魅せられてしまう、独特の雰囲気も受け継がれています。意外なキャラクターの再登場や、オリジナルの新キャラクターが数多く登場して、多彩な展開が繰り広げられました。ほとんど地続きのストーリーということもあって、前作を楽しめた人なら今作も問題なく楽しめる感触です。

 序盤から物語の進行ペースが早く、中盤以降はネタバレ満載だった点も、続編らしいと感じた部分です。良くも悪くも予想の斜め上を行く展開の連続で、プレイヤーを煙に巻くような仕掛けも多く、クリア後に再プレイすることで改めて発見できる要素が多いことも、面白さの1つでした。

一新されたキャラクターデザイン

 初代の発売から24年が経っていることもあって、続編となる本作では、キャラクターデザインが一新されています。前作のイメージを踏襲しつつも、今風の印象を感じさせる、絶妙なアレンジです。シーンによってはアニメーション演出が加えられており、更に魅力が際立ちました。

 さすがに、新旧イラストを見比べてしまうと、違和感を拭えない部分もあります。しかし、作中では回想シーンでも前作のイラストをそのまま見せない工夫が行われており、違和感を最小限に抑えていた点も好感が持てました。一部の背景も使い回しですが、デザインの一新に合わせて塗り直されているなど、端々からこだわりが感じられます。

控えめになった扇情的シーン

 元々が18禁作品だったこともあって、扇情的なシーンが満載だった「EVE burst error」とは異なり、本作では際どい描写が控えめになっています。主人公たちの性格や作風からくる下ネタ混じりのトークは用意されているものの、少し下品なくらいが良かったという場合には、物足りないと感じてしまうかもしれません。

引き継がれた各種ゲームシステム

 探索感が湧く「コマンド選択式ADV」と、主人公を切り替えながら物語を進める「マルチサイトシステム」を組み合わせたゲームシステムも健在です。若干のブラッシュアップが行われたものの、特に大きな変更はなく、こちらも「EVE burst error R」から続けて遊んでも違和感のない作りになっていました。

 ヒント機能が強化されており、移動するタイミングまで教えてくれるようになったのは、正に至れり尽くせりです。無駄なコマンドを行う必要がなくなるため、「コマンド選択式」で総当たりプレイを楽しむより、ストーリーの続きが気になってしまう方も遊びやすくなりました。

PS Vita版限定「reverse drive」

 PS4版に「EVE burst error R」が収録されているのに対して、PS Vita版にはビジュアルノベル「reverse drive」が収録されています。ミニエピソードということで、ボリュームはかなり控えめですが、描き下ろしイラストが複数枚用意されており、意外と豪華な内容でした。ストーリーは本編以上に超展開です。

 ミニエピソードのためだけに両方購入するほどではないですが、既に「EVE burst error R」をプレイ済みで特典に興味のある方は、PS Vita版をおすすめしたいです。

さいごに

 正直なところ、「EVE burst error」以降のEVEシリーズには余り良い思い出がありません。何作目までプレイして、全てクリアしたのかすら記憶が不明確です。そんな中、13年ぶりの新作ということで不安はあったのですが、必要以上に風変わりなことを行わず、原点回帰からの純粋な続編として作り込まれた良い作品でした。