【ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム】評価・レビュー 継承された作風と物足りないプレイ体験

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総評
作風をしっかりと引き継いだ「ライフ イズ ストレンジ」の前日譚。ストーリーは高評価ながらも、「時間を巻き戻す能力」がなくなったことで、読むだけという感触が強くなった点に注意が必要な作品です。
良かったところ
複雑で先の読めないストーリー
悪かったところ
物足りないバックトーク
近すぎるカメラワーク
ジャンル アドベンチャー
ハード PlayStation 4
Xbox One
Steam
発売日 2018年6月7日
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 Deck Nine Games
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで7時間

 選択によって物語が複雑に変化するアドベンチャーLife is Strange: Before the Storm(ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム)」のレビュー記事です。

 「ライフ イズ ストレンジ」の前日譚となる本作。16歳のクロエを主人公に、レイチェルとの出会いから始まる甘く切ない青春が楽しめます。前作にも登場するキャラクターたちの姿や、様々な箇所でシリーズの関連性を見ることができて、作品の世界をより深く楽しめる作品です。

 プレイヤーの選択によって、複雑に変化するストーリー構成も継承されています。ただし、「時間を巻き戻す能力」が存在しないため、今ひとつ特徴のないアドベンチャーになっていたのは残念でした。同じシリーズの作品でも、ゲーム体験が大きく異なる点には注意が必要です。

3年前を舞台にしたクロエとレイチェルの前日譚

 開発会社が変更されたことに不安はあったものの、作風がしっかりと引き継がれていた点は高評価でした。大嵐や超常現象といった特異な要素はありませんが、16歳のクロエとレイチェルを中心に、大人に対する反発を剥き出しにした青春や女の子同士の甘酸っぱい関係をじっくりと楽しむことができます。

 前作と共通するキャラクターが大勢登場する点にも注目です。「ライフ イズ ストレンジ」では、名前でしか登場しなかったレイチェルの人柄を知れることはもちろん。前作と大きく異なる印象を受ける人物もいて、謎や興味から続きの気になる物語に仕上がっていました。

 人物だけでなく、プレイ中には前作との様々な関連性を発見できるため、「ライフ イズ ストレンジ」の世界を深く知りたい人は要チェックです。前日譚なので、どちらからプレイしても楽しめますが、個人的には前作・本作とプレイした後、再び前作をプレイする流れを推奨します。

選択によって複雑に変化するストーリー

 大嵐は発生しませんが、バタフライ効果のように、ちょっとした選択が周囲に様々な影響を及ぼすストーリー構成は健在です。1度きりの人生と考えて選択に一喜一憂したり、何度も周回して全ての可能性を確認したりと、楽しみ方はプレイヤー次第となっています。

 各エピソードの終了時、他プレイヤーの選択結果が表示される機能も継承されています。悩ましい選択肢が多い中、自分が少数派なのか多数派なのか見えるのは、意外と興味深いです。フレンドだけの結果も表示できるので、身近な人がどのような選択を取ったのか確認することも可能でした。

シリーズ作品でも大きく異なるプレイ体験

 クロエが主人公ということで、前作の大きな特徴だった「時間を巻き戻す能力」は存在しません。選択肢を選べるのは1度だけで、やり直すにはエピソードを再プレイする必要があります。作品の中核をなす要素だっただけに、なくなったことでゲームとしてのプレイ体験は大きく異なりました。

 代わりのシステムとして、クロエが相手と駆け引きするイベント「バックトーク」が用意されています。相手を言い負かせたり、説得したりと、発生する状況は様々です。バックトークの成功が必ずしも正解ではないため、場面によっては強気に出るのを躊躇してしまうことも面白さにつながっていました。

 バックトーク自体は魅力的だったものの、あくまで一般的なアドベンチャーゲームの延長線なので、時間を巻き戻す能力に比べると物足りなさを感じます。同じシリーズの作品ですが、ゲームとしてのプレイ体験は、全くの別物と考えて臨んだ方が良いです。

さいごに

 ストーリーは文句なしに楽しめたものの、大きな特徴だった「時間を巻き戻す能力」がなくなったことで、今ひとつ評価が定まりませんでした。「バックトーク」は完全な別物と考えて、時間を巻き戻せないライフイズストレンジを楽しめるかどうか考慮してから購入するのが良いと思います。

 もちろん、ストーリーやキャラクター目当てで購入を考えているなら、問題なく楽しめる作品です。