ジャンル | ホラーアドベンチャー |
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ハード | Wii U |
発売日 | 2014年9月27日 |
発売元 | コーエーテクモ |
開発元 | コーエーテクモ |
公式サイト | リンク |
シリーズ5作目になっても進化を続けるホラーアドベンチャー「零 ~濡鴉ノ巫女~」 クオリティの高い和風ホラーストーリーに加えて、ハードの特徴を最大限に活かした新しいゲームシステムを採用。ところどころ荒削りな部分は有るものの、今までには無い斬新な操作性を堪能させてくれた本作。
約2年ぶりの最新作ながら、発売前の露出が少なくて不安もありましたが、実際にプレイしてみると心配は杞憂に終わった高評価レビューとなります。
目次で流し読み
それぞれコンセプトを持った3人の主人公が登場するストーリー
完全新規ストーリーの夕莉。初代の延長線となっている深羽。シリーズ全体の流れを汲む蓮。3人のストーリーが絡み合い、1本の大きな物語が描かれています。過去の作品に関係する話が多いとは言え、基本的には作中で完結している内容なので本作が初めてという方でも安心です。
シリーズ最大級の広大なマップが用意されていることに加えて、定番のマルチエンディング形式。怨霊を倒した際に触ることで記憶を読み取る「看取り」が追加されているなど、メインストーリーの完全補完を目指すだけでも相当なボリュームとなっています。
「水」をテーマに様々な場面で演出される「濡れる恐怖」
水に濡れることがストーリー・システムに関連しているため、服や肌の濡れる表現が凄い。零と言えば「怖いホラー」と同時に「ちょっとエロい」面を併せ持つ作品。濡れることによる魅力も生半可な物ではありませんでした。
艶めかしいだけで無く、濡れることによって主人公に様々な変化が発生します。濡れるほどに攻撃力が増す代わりに、受けるダメージが増えたり、怨霊と出会いやすくなるなどデメリットも存在。濡れメーターが許容を超えるとダメージを受け始めるなど、透けた服に目を奪われていると大変なことになってしまいます。
ネタバレ回避でストーリー詳細を語れない代わりに写真を掲載
多くの登場人物がパンツルックやロングスカートで登場するなか、ミニスカートの深羽ちゃんは天使。と思ってたら、可愛いだけでは無かった驚きの事実。母親になった深紅ちゃんのパンチラも撮ろうとしたけど難しかったので、近くを彷徨っていた怨霊に押し倒してもらいました。なんというか背徳的。
こうして書いていると「怖い」より「エロい」ゲームなのでは?と思われるかもしれないですが、怖いから『怖い怖い』と言ってたら、更に怖くなってしまいます。だから、怖さを紛らわせる逃避先として、微エロが有っても良いと自分は思います!いくらゲームとは言え、夢にまで見たくはありません。
「Wii U GamePad」を活用した新しいゲームシステムを採用
ファインダー代わりのディスプレイが用意されており、構えた状態からジャイロセンサーによって直感的に操作できるGamePadは、まるで零のために用意された専用コントローラーです。今までとは大きく異なる操作法に序盤は戸惑ったものの、慣れてくるほどに今まで以上のプレイと面白さを得ることが出来ました。
射影機としての撮影だけではなく、通常時はマップを表示する機能としてもGamePadを活用。手元のマップを見ながら移動していたら”TV側で音が鳴って驚く”と言う、妙にリアルなシチュエーションも体感しました。旧作品もGamePadで遊び直したいと感じるほど画期的な、新しい零シリーズの楽しみ方です。
状況や怨霊に合わせて選べる撮影プレイスタイル
今までのシリーズでは、大ダメージを与えられる「フェイタルフレーム」を狙った待ち戦法が基本でした。しかし、今作から複数のターゲットを撮影して大ダメージを与える「シャッターチャンス」が導入。通常の撮影で怨霊から霊片を弾けさせ、複数の怨霊や霊片をまとめて撮影する攻めの戦法が選べます。
それだけでは一捻りですが、そこへ先述したジャイロセンサーが加わると面白さは倍増。斜めに傾けた撮影が可能になったことで、ディスプレイの枠に捕らわれず、高さの違う怨霊や空中を舞う霊片をファインダーに収められるからです。これらの変化によって、戦闘面においてもシリーズ屈指の面白さとなっていました。
さいごに
色々と絶賛しましたが、『10年以上続いているシリーズが、今になってここまで進化するのか』と本当に驚きの連続でした。面白いけど怖くて堪らないストーリーと併せて、やっぱり零シリーズは素晴らしいですね。
早くも次回作に期待したいところですが、初代の物語と向き合い直したことも有って、次は初代リメイクと言う方向も想像してしまいます。もちろん今回と同じか、更に洗練されたゲームシステムで作り込んでくれれば最高です。今後も末永く続いて欲しいシリーズだと、改めて実感した作品でした。