ジャンル | 美少女従魔RPG |
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ハード | PlayStation 4 PlayStation 3 PlayStation Vita |
発売日 | 2015年10月1日 |
発売元 | ガスト(コーエーテクモゲームス) |
開発元 | ガスト(コーエーテクモゲームス) |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで20時間 |
ガスト(コーエーテクモゲームス)がおくる美少女従魔RPG「よるのないくに」をクリアしました。
従魔と共に戦うアクションRPGとなっており、組合せ豊富な戦闘スタイルや多種多様の育成要素といった、戦闘面では高評価の本作。しかし、ストーリーは駆け足気味で説明不足や適当な作りが目立っており、一部のエピソードはDLC配信になっているなど、今ひとつ盛り上がらない作品でした。
自分だけのスタイルを作れる組合せ豊富な従魔アクション
戦闘には最大で4匹のグループを4個、16匹の従魔を連れて行くことが可能です。20種類以上の従魔は、それぞれ特徴的な能力を持っており、重複配置も可能なことから組合せはかなり豊富になっています。アーナス自身も剣や銃など複数の武器を持ち替えたり、従魔の構成で変身フォームが変化したりと幅広い戦略を選ぶことができました。
アーナスを前衛に従魔でサポートや、逆に突っ込ませて後ろから遠距離攻撃するなど、戦い方はプレイヤーの好み次第です。私の場合、ヒット数の稼げる範囲攻撃従魔をそろえて、ゴリゴリと敵の体力を削っていくスタイルでした。視認できないほどダメージ表記が重なってチェインが増えていくのは、とても爽快です。
悩ましいほど用意されている多種多様の育成要素
戦闘中の経験値を得てレベルアップする従魔に対して、アーナスは敵から入手した血を貯めて奉納することでレベルアップしていきます。この血はアーナスの強化以外に新しい従魔の入手や、ショップでの買物にも必要となるため、どの要素か順番で強化していくか考えるだけでも悩み所になりました。
他にも戦闘帰還時に得られるポイントを使ったスキル解放や、アイテムを装備や消費することで従魔を強化するなど、挙げていくと切りがありません。直接的な強化で目先の戦闘を楽にするか、入手するポイントを増やす間接的な強化を選ぶか、序~中盤は悩ましい選択に迫られることも多かったです。
育成要素の成長バランスは重めに設定されています。例えば、初期従魔をずっと使い続けても最大レベルになるのは終盤といった感じです。同じ種類の亜種でも性能が住み分けられており、どの従魔でも最後まで遊べる使い捨てにならないバランスは好感触でした。
全体的に駆け足気味でメリハリのないストーリー
ゲーム開始時点で好感度MAXのアーナスとリュリーティス。そこに至るまでの経緯がほとんどカットされており、後日DLCで配信される予定になっています。おかげで2人の考えや想いの深さが本編だけでは見えない部分になっており、2人だけの世界からプレイヤーは置いてけぼりの気分でした。
本編自体も駆け足気味で、説明不足が否めません。登場人物が少ない割には掘り下げも浅く、個別エピソードも似たようなおつかいを繰り返すだけの印象でした。一応、本編にかかわる伏線も張られましたが、面白さに活かせているかと言えば、”あってもなくてもいい”程度の物でしかありません。
メインシナリオとサブシナリオを自由に同時進行させられる影響で、メインでは喧嘩中なのに、サブを進めると突然仲良く会話を始めるといった支離滅裂な状況も発生。各種イベントはブツ切りで流れも悪く、全体的に作り込みが雑だと感じる部分が多かったです。
魅力満点のクリア後エクストラコンテンツ
クリアすることで解放されるエクストラコンテンツには、「モデル鑑賞」「設定資料」「音楽鑑賞」など魅力的な物がそろっていました。3Dモデルのかわいさや、美麗な四々九さんの設定画を堪能し放題です。音楽鑑賞もコメント付きとなっており、眺めるだけで時間が過ぎ去っていく満足度でした。
さいごに
主人公とヒロインにスポットを当てた物語なので、サブキャラクターの扱いが雑なのは我慢できました。しかし、2人の掘り下げが後日DLCで補完というのは腑に落ちません。2度の延期を経ての発売や、追加エピソードはストーリーの進行に合わせて解放されることから、本来は両方そろって完成だったのではないかと疑ってしまいます。
アクション・育成要素はよくできていたので、興味があってストーリーに目を瞑れるならおすすめしたいです。それでも、遊ぶのは追加エピソード配信後まで待った方が良いと思います。発売日に買って損をするのはよくあることですが、もう少しストーリーを丁寧に作り込んでほしいと感じる作品でした。