ジャンル | 夜道探索アクション |
---|---|
ハード | PlayStation Vita |
発売日 | 2015年10月29日 |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
開発元 | 日本一ソフトウェア |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで5時間 |
夜の怖さをおぼえていますか? 日本一ソフトウェアがおくる夜道探索アクション「夜廻」のレビュー記事です。
ジャンル名の通り、夜の街を探索することがメインの本作。ストーリーは4~5時間程度とかなり短い構成ですが、多彩な探索要素や膨大な数の収集アイテムが用意されており、やりこみ要素まで含めれば長く遊べます。マップの隅から隅まで探索しなければ気が済まないという人におすすめです。
ただし、ストーリー外の探索・収集要素を除くとコンテンツ不足を感じる内容のため、6,000円を超えるパッケージタイトルにしては物足りない感触でした。
不気味な夜の街を探索する”一晩のストーリー”
消えたポロとおねえちゃんをさがして、懐中電灯を手に街を探索する少女。ストーリー自体は短く、一晩でクリアできるボリュームとなっています。簡単な目標が表示される以外は基本的にノーヒントです。見落としがないよう、地図と周囲を確認しながら、恐る恐る進んでいかなければなりません。
昭和の雰囲気を漂わせる街には、様々なイベント・アイテム・恐怖が配置されており、マップごとに違った体験をすることができました。詰まってしまうと迷い続ける危険もありますが、それも面白さの1つとして楽しみながら、根気よく探索を続けていく作品です。
少女に襲いかかる容赦のない”死の恐怖”
夜の街には恐怖が満ちており、クリアするまでに少女を死なせてしまった回数は数えきれません。プロローグから油断のできない雰囲気で、至る所から魔の手が伸びてきます。「30回ゲームオーバー」のトロフィーが存在するのですが、初見殺しも多く、未取得でクリアするのは不可能に近いです。
幸いにも、中間セーブポイントは豊富に用意されています。拾ったアイテムや地図の開拓は死んでも引き継がれるため、トライアルアンドエラーが過度のストレスになることはありません。とはいえ、何度も死んでいると恐怖に慣れてしまい、”取りあえず死んでみるプレイ”になりがちでした。もう少し厳しい仕様の方が、緊張感が保たれて良かったかと思います。
やりこみとして用意されている”膨大な収集・探索要素”
ストーリーを進めるキーアイテムとは別に、集めることを目的とした収集アイテムが用意されています。100種類近くと数が多く、どこに落ちているのかも不明のため、コンプリートをするには街中を隅から隅まで探索しなければなりません。ストーリーでは行く必要のないマップも存在するので、足を運ぶだけでも、それなりの時間を要します。
収集・探索関連のトロフィーも豊富で、普通にクリアしただけでは50%にも届きません。順調に進めば4時間で終わるストーリーに対して、「合計50時間プレイ」というトロフィーまで用意されています。夜の街の雰囲気を楽しみながら、探索・収集要素がメインと言っても過言ではないです。
さいごに
シチュエーションや雰囲気はとても良かったですが、コンテンツの大半が探索・収集要素となっており、ストーリー重視で楽しみたい人には物足りない作品です。やりこみ要素の部分に面白さを見いだせなければ、6,000円を超える価格設定に対して、水増しという印象を強く感じてしまうかもしれません。
私は途中からは恐怖にも慣れてしまい、襲いかかってくるオバケを回避するだけのアクションゲームになってしまいました。この辺りには、もう少し工夫が欲しかったです。やり込み要素でボリュームを増やすのではなく、短くてもしっかりと作り込まれていた方が、楽しめたのではと感じる作品でした。