ジャンル | アドベンチャー |
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ハード | Windows |
発売日 | 2015年2月27日 |
発売元 | light |
開発元 | light |
公式サイト | リンク |
“勝利”からは逃げられない. さあ、逆襲《ヴェンデッタ》を始めましょう。Lightがおくる、敗者の物語「シルヴァリオ ヴェンデッタ」のレビュー記事です。
マルチエンディングによる個別ルートの作りに違和感があったものの、全体の構成やコンセプトは秀逸。敵は英雄・絶対的な正義に対して、どこまでも敗者の逆襲を描き続けるストーリーは、自分にとって目新しく映りました。
選択肢は控えめのマルチエンディング構成
序盤に分かりやすいルート分岐が用意されている以外、選択肢はありません。個別ルートに入った後は、クリアするまでクリックで読み進めるだけになるため、ADVとしてのゲーム要素はかなり薄かったです。またプレイヤーに与える情報の順番を操作するため、特定キャラのルートは制限されている部分が存在しました。
単独では情報不足だらけになってしまう個別ルート
ヒロインごとに独自のストーリーが展開。それぞれ特定のキャラクターを掘り下げる構成となっているのですが、”あったかもしれない”ifストーリーというよりは、全く別世界のようなアナザーストーリーでした。ルートによっては、重要な部分がうやむやのままハッピーエンドを迎えるなど、少し違和感を抱いてしまいます。
また、最初は制限されている最終ルートでは、別ルートで基礎知識を仕入れている前提で物語が進行。プレイヤーの視点として裏事情を知っているものの、省略されてしまうと重みの足りない部分が多かったです。そのせいで面白いと感じたところが分散してしまい、ルートごとの評価が今一つに感じてしまったのは残念です。
非の打ち所がない絶対的な正義との相対
公式でも「これは英雄の物語ではない」と書かれている通り、どこまでも輝かない主人公。よって正義の味方らしい展開は相手にこそ用意されており、からめ手で対抗する戦いの連続です。敵の正義が最後までブレず、中途半端に主人公を”正義”に置き換えない徹底した展開は、余りにも潔くて好印象でした。
お気に入りはヒロインでチトセさん。サブキャラでルシード
主人公に片目をえぐられた上、ツンデレで独善元上司とか堪りません。挙げ句、その片目が決戦兵器とか、どれだけ魅力を詰め込む気でしょうか。と言う訳でチトセさん良かったです。別ルートでも目立っていたし、サヤとの主従関係も含めてお気に入り。次点でヴェンデッタの毒舌にゾクゾクと来てしまいました。
男性陣はどいつもこいつも癖の強いのばかりでしたが、なかでもドMで親友ルシードが変態なのに格好良かった。永遠に良いやつポジション。画像のマルス発言は、ヴェンデッタと同じく、的を射すぎていて画像をチョイスせざるを得ませんでした。想像してみると、確かに満更でもないですね。
さいごに
レビューを書いてみて、主人公自身のことに全く触れることがありませんでした。もちろん魅力がなかった訳ではありません。しかし、敵や周りの輝きが強すぎた印象です。おかげでクリア後にスクリーンショットを見直してみても、ネタバレ抜きで使える画像がほとんどないという、本作らしいオチがありました。