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【アンリアルライフ | Switch】評価・レビュー 少女と信号機の不思議な冒険を描いたなぞ解きアドベンチャー

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総評
「記憶喪失の少女」と「しゃべる信号機」の不思議な冒険を描いた異色のアドベンチャー。美麗なピクセルアートで描かれたミステリアスな世界観とあいまって、物語・映像・BGMの全てが強く印象に残る作品です。スムーズに遊べるよう配慮された、なぞ解き要素も好感触でした。
良かったところ
不思議に満ち溢れたストーリー
美麗で幻想的なピクセルアート
遊びやすく配慮されたなぞ解き要素
ジャンル アドベンチャー
ハード Nintendo Switch
発売日 2020年5月14日
発売元 room6
開発元 hako 生活
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで5時間

 hako 生活がおくるなぞ解きアドベンチャー「アンリアルライフ」のレビュー記事です。

  「記憶喪失の少女」と「しゃべる信号機」の不思議な冒険を描いた本作。異色のバディーアドベンチャーは、作中の登場キャラクターから建築物まで全てが不思議に満ち溢れており、普通を見つけるのが難しいくらい非現実的です。美麗なピクセルアートで描かれたミステリアスな世界観とあいまって、みんなが寝静まった夜更けに、1人で静かにプレイしたい雰囲気の作品でした。

 サイコメトリー(モノのキオクを読み取る能力)で得た情報をヒントに挑戦するなぞ解きは、程よい難易度に調整されており、機能的なサポートもあってスムーズに遊べたことも好感触です。ストーリーは5時間くらいでクリアできるボリュームですが、濃密で印象深い内容のため、物足りなさはありません。さらに、遊び終えて世界の秘密を知ったうえで、もう一度最初からプレイしたくなるような魅力も備えています。

「記憶喪失の少女」と「しゃべる信号機」の非現実的な夜の旅

 ストーリーは、道路で倒れていた記憶喪失の少女「ハル」が、しゃべる信号機「195」に助けられるところから始まります。右も左も分からないままに探索を進める2人は、失われた記憶の手掛かりとなる「先生」を探して、不思議な夜の街を冒険することになります。「記憶喪失の少女」と「しゃべる信号機」による、非現実的なバディーアドベンチャーの開幕です。

 相棒が「しゃべる信号機」という時点で異色ですが、夜の街には、他にも不思議が満ち溢れています。アパートのドアからつながる怪しいホテル、美味しいトーストエッグを振る舞ってくれるマリモのシェフ、海上を走る電車、どこかで見覚えのあるペンギン車掌など、普通を探す方が難しいです。ハル自身も失われた記憶という謎を秘めていることに加えて、サイコメトリー能力を持っており、しゃべる信号機の存在は、すぐに疑問ではなくなりました。

 少しだけマルチエンディングになっているとはいえ、ストーリーは5時間くらいでクリアできるボリュームです。一気にプレイしても良いですが、適度に区切りが用意されているので、続きが気になりつつも『また明日』と少しずつ進めるのも良いかもしれません。単純なプレイ時間は短いものの、ハルと195の冒険は、濃密で強く記憶に残る内容です。遊び終えて世界の秘密を知ったうえで、もう一度最初からプレイしたくなるような魅力も備えていました。

スムーズに遊びやすく配慮されたなぞ解き要素

 探索を続ける2人の前には、様々な謎や困難が立ち塞がります。ハルのサイコメトリーを使い、過去と現在の比較や、過去の情報をヒントに乗り越えなければなりません。もちろん、全てをサイコメトリーで解決するのではなく、様々なアイテム・ギミックを駆使する必要があります。サイコメトリーできる対象も限られており、総当たりでクリアを目指すゲームデザインではありません。

 相棒となる195のサポートも重要です。記憶に障害のあるハルに代わり、全ての会話やサイコメトリーの結果を記録してくれます。記録はいつでも確認できるため、無駄にヒントとギミックの間を往復する必要がないのも好感触です。機能を活用した意外な仕掛けも用意されており、無線式の信号機AIという特異な設定が上手く活かされていました。

 なぞ解きは頻繁に登場するものの、全体的に難易度は低めです。落ち着いて考えたり失敗を繰り返したりするうちに、自然と解決にたどり着ける構造となっています。多少のアクションを求められる部分もありますが、ゲームオーバーは存在しないため、何度でも試行錯誤や挑戦が可能です。195との会話にも、さり気なくヒントが用意されており、最初から最後までスムーズに楽しめる作りでした。

ピクセルアートで描かれたミステリアスな世界観

 本作のグラフィックは、通常のゲーム画面からイベントやムービーシーンまで、全てピクセルアート(ドット絵)で制作されています。一部、光や水の表現において、視覚効果を用いているとのことでしたが、上手く融合しており、プレイしているうえでの違和感は全くありません。純粋に美しいと感じる光景だけでなく、ピクセルアートだからこそ映える演出も多く、見入ってしまうような世界観が構築されていました。

 オプションでは、作中のフォントを「スムーズフォント」から「ドット絵フォント」に変更することも可能です。「ドット絵フォント」は、少し読みにくさを感じるものの、没入感を高めるのに一役買っていました。

 ほぼ全てのシーンが夜を描いていることに加えて、穏やかなピアノBGMが印象深く、みんなが寝静まった夜更けに、1人で静かにプレイしたい雰囲気となっています。

さいごに

 2019年5月に公開されたトレーラームービーを見て、一発で引き込まれてしまった本作。直後の「BitSummit 7」で実際にプレイして購入を決め、発売を心待ちにしていましたが、期待していた以上のクオリティで満足度の高い作品です。

 トレーラームービーだけでなく、興味を持って購入を検討している方に向けて、公式サイトでは制作に辺り影響を受けた作品一覧が公開されています。私自身、プレイ後に確認してみたところ『なるほど』と感じるタイトルが多かったので、悩んでいる方は参考にしてみるのも良いと思います。