【アンチェインブレイズエクシヴ】レビュー 何故か憎めない”名”迷作RPG

良かったところ
魅力的なキャラクターたち
悪かったところ
様々なバグ・不具合
全体的に極端なゲームバランス
3
B

 プレイ60時間の堂々たる大作RPGでした。そのうち40時間程度を経験値稼ぎに費やしたレベリング超大作ですけどね。60時間も遊んでいたのに、クリアした時点でレベル50と言うだけでも、経験値テーブルの不自然さが伝わるかと思います。

レベルを上げて物理で殴ればいい系RPG

 今回も通常攻撃が安定。スキルは強力ですが使用条件が厳しい事に加えて燃費が悪く、迷宮内の回復ポイントでHPしか回復出来ない仕様では経験値稼ぎに不向き。必然的に通常攻撃・パッシブスキルが強いキャラがパーティーのメインに。

 特にヒルダさんは高ATK・高SPD・使えるパッシブ揃いと、まるで本作を攻略する為に生まれてきたようなヒロイン。容姿も好みだったので、強化アイテムやポイントを全て注ぎ込む溺愛プレイで遊んでいました。

敵が使えば超強力なスキルの数々

 燃費とか敵には関係無かった。クリアするまでに何度か全滅しましたが、死んだ原因の大半は敵スキル乱発による事故死。雑魚でさえ全体攻撃でHPを半分削るとか普通です。ボスを倒したすぐ後のエンカウントで、回復していたにも係わらず不意打ち即死させられてしまいPSPを投げそうになったのは苦い思い出ですよ。

他にも嫌がらせのような素敵仕様が満載

 確かに前作に比べればマシになった。マシになったけど、やっぱり駄目。1歩どころか2.3歩足りない育成要素。材料が多すぎて、どこで手に入るか把握仕切れない合成要素。戦闘にアクセントを付けるはずが行き詰まるジャッジメントバトル。目が痛くなるような迷宮背景等、語り始めると尽きません。

体感8割の高確率逃走率は本作の優しさ

 例え不意打ちを受けて全滅寸前でも、1ターンさえ耐えれば好機到来。逃走成功率が異常に高い事に加えて逃走判定が各キャラ別に行われる本作では、ほぼ100%逃げることが出来ると言う仕様には本当に助けられました。

 あとLR同時押しで左右移動を繰り返す簡単エンカウントや迷宮内に回復ポイントが用意されている点など、何もかもが酷いと言う訳では無かったです。ただ、この程度の当たり前な仕様で喜び1段落使用する時点で、全体的には酷い事ばかりと言ってる気がする。

地道なプレイを楽しめる人にしかお薦め出来ない

 ここまでRPG部分に関しては散々な評価を書きましたが、我ながらよく頑張ってクリアしたなと思います。加えてバグや納得できない仕様がプレイヤーの心を折りに来るのですが、何故か止められないレベリングはある意味病的でした。 

キャラクター要素に関しては今作も良評価

アンチェインブレイズエクシヴ ソフィア

 豪華イラストレーター・声優陣をウリにしているので、マゾいRPGだと知らずに買った人が酷い目に遭う原因なのですが…… とにかくストーリーも前作ほど突っ込みどころ満載では無く、きちんと物語をやっていたので楽しむことが出来ました。

大作にマルチルートを採用すると言う超展開

 男主人公一人に女主人公二人だから三角関係かと思いきや、他女性キャラにもフラグが立ってストーリー分岐の全3ルート。初めての選択肢がプレイ30時間辺りでしたが、強くてニューゲームの無いアンチェインでコンプリートするには何時間必要なんです?

自分はヒルダルートを進めて行きました

 パーティーに居ない時を除いて全ての選択肢でヒルダを選んだので、ヒルダルートの会話は全部見れたはずです。前作未プレイならソフィアも可愛いかと思うのですけど、女神クリューネアの化身と言われた時点で前作プレイヤーとしては選択肢に無かったよ!

ヒルダルートのサービスサービス

アンチェインブレイズエクシヴ エロ

 CERO:Bなりに頑張ってる! サービスカット・ラッキースケベ・温泉と、微エロはアンチェインシリーズの大事な要素ですね! そこに釣られて購入すると酷い目に……以下略

そしてやっぱりサブキャラは使い捨て扱いでしたー!

アンチェインブレイズエクシヴ シャックス

 せんむ氏の描かれるシャックスさん。実際にゲーム内で登場すると可愛くて可愛くて、アスタロトの前で見せる『お姉様~』なキャラと毒舌キャラのギャップが堪りません。だけど出番は片手で数えられる程度。知ってた。前作のサブキャラも空気だったから知ってたよ!

なんだかんだと文句も沢山書きましたが好きな作品です

 過度の期待を持たずに始めれば、決して楽しめない作品では有りません。毎日8時間弱のプレイをクリアまで一週間続けた自分が言うんだから間違い有りません。この狙って微妙なゲームを作り上げている感じが、アンチェインシリーズの魅力だと思うんですよ。

 当たり前のように定番要素を揃えただけの面白そうな雰囲気ばかりのRPGよりは、特徴的で突っ込み所が満載の方が楽しめるってヤツです! 世間の評価に比べれば甘いかもしれませんが、個人的には「限り無く駄作に近い、”名”迷作RPG」として評価したいです。