ジャンル | 都市型神話アクションRPG |
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ハード | PlayStation Vita |
発売日 | 2015年9月30日 |
発売元 | 日本ファルコム |
開発元 | 日本ファルコム |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで30時間 |
日本ファルコムがおくる完全新作アクションRPG「東亰ザナドゥ」のレビュー記事です。
現代日本の街や高校を舞台にした怪異物。ストーリー・アクション、どちらも無難に仕上げられており、誰でも遊びやすそうな反面、特徴的な要素が少なく、インパクトに欠ける内容でした。『つまらない』とは言わないけれど、面白かったかと聞かれても回答に困ってしまう、評価しにくい作品です。
目次で流し読み
御都合主義を多用した薄っぺらいストーリー
恥ずかしいセリフを連発するヒロインを筆頭に、ギャグとシリアスの線引きが難しかったです。主人公の周りは裏の住人だらけだったり、不良が木刀でボス級の敵を倒したりと突っ込みどころが満載。世界が危機的状況なのにコメディのような空気で、物語に集中しづらい場面も多々ありました。
ゲーム内でキャラクター自身が突っ込むほど御都合主義も多く、終始わかりやすい流れが続きます。王道と言えば聞こえはいいですが、アッと驚くような展開が存在しないため、何となく先が読めてしまうのも難点でした。余り深く考えず、頭を空っぽにして遊ばないと楽しめません。
細かい作り込みを感じ取れたキャラクター同士の会話
パーティー構成や事前にクリアしたサブクエストの内容が、イベントの会話に反映されているのはすごいと感じました。さすがにボイスは付いていないものの、自由にメンバーを選べる場面で、名指しの発言が出たときには『いったいどれほどの組合せを網羅しているのだろうか』と驚いたほどです。
メイン・サブ以外にも名前を持ったキャラクターが多く登場して、それぞれが設定を持っているため、ストーリーが進むたびに街を散策する楽しみも用意されています。その代わり、メインキャラクターの個別エピソードは物足りない部分が多くて、浅く広くスポットを当てていく構成になっていました。
アクションの少なさをキャラクターの人数で補うバトルシステム
通常攻撃とスキルを併せても4種類しか攻撃手段が用意されていない本作。スキルレベルを上げることで変化はあるものの、使い勝手はほとんど同じです。ただし、同じ系統のスキルでもキャラクターごとに性能が大きく違うため、4種類xキャラクター数でアクションの幅を出しています。
優劣関係がある5系統の属性も存在するので、敵の属性に合わせてパーティー構成を切り替えなければなりません。パーティーを分けての探索や固定メンバーのダンジョンも多いため、特定のキャラクターだけを強化すると効率が悪く、同じアクションばかりで単調になりがちなゲームデザインです。
多発するローディングやカメラワークなど細かい不満点も多い
エリア移動時のローディングは単発なら10秒前後と我慢できるものの、頻繁に発生するためストレスの要因になっていました。エリア毎にラインアップの異なる店舗が配置されており、各店舗を回るだけでも4~5回のローディングを挟みます。素材販売店と強化する店が別のエリアに配置されているのは、軽い嫌がらせかと疑いました。
アクションゲームで重要なカメラワークも及第点ギリギリで、お世辞にも遊びやすいとは言えません。視界が狭くて、近距離戦ではロックオンが外れることもあるため、遠距離攻撃が安定でした。
さいごに
良くも悪くも尖った部分が少なく、完全新作として打ち出してきた割には印象に残る部分が少ないです。1~2か月もすれば、内容をすっかり忘れているかもしれません。ありきたりな内容をなぞっていくだけでは面白みがないので、”この作品らしさ”と言える特徴が欲しいと感じる作品でした。