常に与えられる緊張感が感情移入に繋がります
フィールドに用意されている様々なギミック。先の読めないストーリー。命を脅かす感染者の存在など、遊び続けているとプレイヤーの精神的疲労が激しい作品というのがメインの印象。そういう意味でタイトルに「ストレス」と書きましたが、決して不快な物では無く、そこから得られる緊張感が物語へ深く没頭させる事に、一役買っている作品です。
おかげで序盤は面倒に感じていた物資の回収も、自身が生き残る為に必要な行為と思えば全く苦になりません。むしろ回収を怠って物資が不足する事に不安を覚えるくらいです。ゲームとして面白い事はもちろん。ベースとなる世界観や設定を、プレイヤーへフィードバックするのが上手いと感じさせられます。
荒廃した世界で、最大の脅威は感染者ではなく人間
The Last of Usの代表的存在である感染者。いたるところに出現してプレイヤーを脅かし、発見されると死も恐れず突っ込んでくる恐怖の存在です。でもそれだけ。確かに乱戦になったりクリッカーの一撃死は確かに脅威ですが、何度も戦って慣れると、行動パターンが決まっているので落ち着いて対処する事で意外と対応出来ます。
しかし人間は予測できなくて対応が難しい。こちらと同じように銃器や凶器を使ってくるし、闇雲に突っ込まずに遮蔽物を利用して回り込んでくるなど、厄介きわまりないです。荒廃した世界を生み出したのは感染者ですが、結局のところ世界は変わっても、悪意を持った人間の存在は恐ろしいと言う事を嫌でも思い知らされます。
心強く、時には心配の種にもなるエリーの存在
本作ではストーリーの道中、様々な同行者と旅をすることになります。なかでもメインキャラであるエリーは、序盤を除いて常に行動を共にする存在です。序盤は後ろをついてくるだけですが、ストーリーの進行につれて成長。絆が深まるたびに同行者としての存在がありがたく感じられます。いつの間にか、危ない時に心の中で「助けてくれエリー!」と叫んでしまうくらいですね。
イベントでエリーとはぐれてしまい単独行動になると、二重の不安が生まれます。一つは何かあってもサポートしてくれる同行者がいないという心細さ。もう一つは、エリー側に何かトラブルが起きていないかと言う心配です。そこで初めて、エリーの存在が自分の中で大きくなっていると気づかされました。
気になる二人の旅の行く末は……
ここまで主人公に感情移入して楽しめるゲームと言う事を長々と語りましたが、こうして感想を書きながらも続きの物語を早く楽しみたいと言う、第三者視点としての面白さも十分。今のところ、絶望を味わう事は有っても不満は特に無いので、このまま高評価を維持して最後まで楽しませて欲しいですね。