ジャンル | 3DダンジョンRPG |
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ハード | ニンテンドー3DS |
発売日 | 2018年8月2日 |
発売元 | アトラス |
開発元 | アトラス |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで53時間 |
すべてがクロスオーバーしたシリーズ集大成「世界樹の迷宮X」のレビュー記事です。
「世界樹の迷宮」シリーズから、良いところばかり集めた本作。全てのコンテンツが人気の要素で構成されており、オールスター作品と言っても過言ではありません。ひとつひとつの要素に目新しさは少ないものの、作品全体を総合的に見ると、これまでに体験したことのない新しい世界樹が楽しめます。
各タイトルの迷宮を集結させた結果、ボリュームも最大級となっており、遊び応えは抜群です。過去の迷宮が次々に登場するため、長時間のプレイも飽きることなく堪能できました。クロスオーバーをさせつつも、絶妙な調整で意外と癖もなく、シリーズファンから初心者まで幅広くおすすめしやすい作品です。
全てがクロスした壮大なオールスター
『すべてがクロスオーバー』と謳っているとおり、登場する迷宮・モンスター・職業は、人気の物ばかりを集めたオールスターです。一部のNPCも舞台を超えてストーリーに関わってくるほか、各タイトルからゲームシステムまでピックアップしているなど、あらゆる点でクロスオーバーをしています。
1つ1つの要素だけを見ても目新しさは控えめですが、作品全体を総合的に見ると、まったく新しい「世界樹の迷宮」が楽しめる作品です。設定やストーリーでうまく盛り上げてくれるため、使い回しと言ったネガティブな印象も浮かびませんでした。
シリーズ最大級を誇るボリューム
探索できる迷宮は、メインストーリーだけでも10個を超える、これまでにない最大級のボリュームです。加えて、多数の小迷宮も登場するため、壮大な冒険に挑戦することになります。ワールドマップ形式を採用しており、迷宮の構成を把握しやすい点も好印象でした。
もちろん、過去作品からクロスしている迷宮では、各種BGMも再収録。懐かしいモンスターたちが行く手を阻みます。流れるだけで盛り上がるBGMや、登場するだけでドキッとするモンスターなど、集大成となる「世界樹の迷宮X」ならではの体験が豊富に用意されていました。
過去の人気迷宮が楽しませてくれる反面、本作の新規迷宮が今ひとつだった点は、数少ないネガティブ要素です。連動した複数の迷宮が存在するため、似たようなギミックが何度も登場して、少し退屈に感じました。統一感を持たせる狙いは理解できるものの、もう一工夫が欲しかったポイントです。
遊びやすく洗練されたゲームシステム
各シリーズの職業やシステムを集約させた戦闘は、混沌とした内容になっているのではないかと心配だったものの、意外とクセのないバランスに仕上がっていました。調整が絶妙すぎて、安定したパーティー構成になりがちな印象もありましたが、この辺りはパーティー構成の好み次第で感触が変わりそうです。
職業の数も全19種類とシリーズ最多です。シリーズ全体の総数に比べると半分未満とはいえ、各系統の職業が一通りそろっています。DLCで過去作品の外見イラストが配信されているので、見た目と同系統の職種を選んで差し替えれば、特殊な職業を除いて擬似的に再現することが可能でした。
唯一の新職業であるヒーローは、かなり汎用性の高い便利な職業です。特に「残像」を生み出すスキルが独特で、パーティーに組み込むかどうかで戦闘が大きく変化します。メインジョブ・サブジョブのどちらでも使いやすく、本作の看板職業として文句なしの存在でした。
既存ファンから初心者までおすすめできる作品
シリーズの集大成ということから、既存ファン向けのタイトルと思われがちですが、初めての「世界樹の迷宮」としても遊びやすい作品です。前述したとおり、クセのないバランスに仕上がっていることに加えて、各シリーズの良いところを集めているため、1本に魅力が詰め込まれています。
クロスしたNPCとの会話では、過去作品についての語りが存在するものの、未プレイでも盛り上がる言い回しなので安心です。もちろん、プレイしている方が楽しめる点も多いのですが、過去作品が気になったら、本作クリア後に続けて挑戦する流れで遊んでも問題はありません。
ストーリー重視で遊べる「ピクニック」から、最初から最後まで最高難易度に挑戦する「ヒロイック」まで、難易度も4段階が用意されています。プレイスタイルに合わせた冒険が楽しめるため、既存ファンから新規ユーザーまで、幅広くおすすめできる作品でした。
さいごに
リソースの使い回しやシステムの混在に不安を感じていたものの、実際にプレイしてみると期待以上の完成度に仕上がっていた印象です。シリーズ作品は長年続くと手を出しにくい空気がありますが、集大成でも初心者にすすめやすい作りで、新旧両ユーザーに楽しんでいただけるすばらしい作品でした。