ジャンル | 3DダンジョンRPG |
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ハード | Nintendo 3DS |
発売日 | 2016年8月4日 |
発売元 | アトラス |
開発元 | アトラス |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで35時間 |
挑みがいのある高難易度ダンジョンRPG「世界樹の迷宮V 長き神話の果て」のレビュー記事です。
「新・世界樹シリーズ」や「世界樹と不思議のダンジョン」を挟んで、4年ぶりのナンバリングとなる本作。「III」や「IV」で存在していた迷宮外の要素をなくした代わりに、迷宮内の各種システムがこれまで以上に作り込まれており、迷宮探索が更に奥深くなった印象です。
シンプルになったことでシリーズが初めてという方にもおすすめしやすく、「新・世界樹シリーズ」とはまた違った門戸として、多くの人に遊んでほしいと感じる作品でした。
目次で流し読み
迷宮だけを集中して探索する形式に原点回帰したストーリー
シリーズを重ねるにつれて、「III」の航海や「IV」の気球など、飽きさせない新要素を取り入れてきましたが、今回は初心に返って迷宮探索だけの構成になっています。その分、迷宮内には様々なギミックやイベントが豊富に用意されており、戦闘面でも新職業・要素が盛りだくさん。少しずつ明らかになっていく世界樹の謎や、行き来しやすくなった探索形式で、手の止め時がなかなか見つかりません。
迷宮内のミニイベントも「Adventure Episode」として一新。イベントとしての楽しめることはもちろん。経験値も得られるようになったので、探索のモチベーションにつながりました。すれちがい通信で交換した「ギルドカード」のパーティーが迷宮内に登場する要素も追加されており、迷宮探索のストーリーはプレイヤーの数だけ存在します。
カラーパターンまで設定できる詳細なキャラクターカスタマイズ
10種類の職業が用意されたキャラクターは、これまでにないカスタマイズが可能になっています。ボイスや複数のイラストに加えて、細かいカラーパターンまで設定できるため、1キャラ1キャラ自分だけのオリジナルキャラクターを作り始めると、時間が幾らあっても足りないくらいです。
更に、職業ごとのスキルツリーが分岐する「2つ名」システムも追加。同じ職業でも、選択で全く違う方向へ成長するため、実質20種類の職業が存在すると言っても過言ではありません。解放されるまでツリーを見られないのは少し不便でしたが、いざ解放されたときに改めて悩むのも面白さの1つでした。
従来の前衛・後衛に加えて、最前列に召喚専用の列が登場した点も大きな変化です。複数の職業が専用のスキルを持っており、猟犬や鷹といった動物、死霊、中には建造物を召喚する職業も登場します。5人という枠だけでなく、召喚列まで含めた自分だけのパーティーを作り込むことが可能です。
偏った構成でも工夫次第でクリアできる自由なパーティーメイク
一例として私のパーティーを紹介です。今作では[マスラオ]x2 [ハウンド]x2 [ウォーロック]という、かなり偏った構成でプレイしていました。猟犬と鷹を両方使ってみたくて、ハウンドを2人で進めてみたら、想像していたよりも安定感があったことから、前衛を思いきって火力特化に振り切った感じです。
転職を利用すれば、デフォルトで用意されている職業と種族の組合せを変更することもできるため、同じ職業でもステータスやスキルを微調整できるようになっています。若干のレベルダウンで好きなときに転職やスキルの取り直しができるので、気軽にパーティーを調整できるのは今回も助かります。
難しくても心は折れない魅力的な迷宮探索
「世界樹シリーズ」と言えば、少し高めの難易度が特徴のダンジョンRPGです。今回も例に漏れず、初見殺しで気付いたら死んでいたことが何度かありました。がく然としてしまうような強さのボスモンスターはもちろん。弱そうな見た目に騙されてゲームオーバーへ一直線なんてことが日常茶飯事です。
また、複雑なダンジョン構成もプレイヤーの前に立ちはだかります。高機能なマッピングを活用する前提で作られているため、こちらもモンスターに劣らず難敵です。しかし、それらを面倒に感じたり、心が折れたりせず、クリアを目指そうと思わせる魅力が今作にもしっかりと用意されていました。
さいごに
実は5月に開催された体験会にも参加しており、発売に先駆けて数時間プレイしていたのですが、それから発売までの3か月間は生殺しの気分でした。待っている間に期待がどんどん膨らんでしまい、実際に遊んで肩透かしなんてことも心配していたものの、期待以上の面白さに大満足です。
シリーズファンの多くの方が今作も遊んでいるかとは思いますが、原点回帰しながらも純粋に奥深くなった本作は、是非シリーズ未プレイの方にも触ってみてほしいと感じる作品でした。