【世界樹と不思議のダンジョン2 | 3DS】評価・レビュー 少し物足りないシリーズ第2弾

総評
今ひとつ物足りないテキストや、ゲームバランスの調整不足など、気になる点が多いシリーズ2作目。しかしながら、何度でも何時間でも遊べる面白さは健在の作品です。
良かったところ
充実したパーティーメイク要素
探索からボス戦まで多彩な戦闘
悪かったところ
物足りない難易度
味気ないストーリー
重い挙動 (ニンテンドー3DS)
3
B
ジャンル ダンジョンRPG
ハード Nintendo 3DS
発売日 2017年8月31日
発売元 アトラス
開発元 アトラス
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで25時間

 「世界樹の迷宮」と「不思議のダンジョン」のコラボレーション第2弾世界樹と不思議のダンジョン2」のレビュー記事です。

 2つの作品の特徴をうまく掛け合わせたダンジョンRPGである本作。コンテンツを一通り遊び終えるだけでも50時間以上を要する大ボリュームに加えて、多彩なパーティーメイクや潜るたびに変化するダンジョンが掛け合わさって、何度でも何時間でも遊べる面白さは健在です。

 しかしながら、ストーリーを中心としたテキスト要素が味気なかったり、サブクラスの導入によって難易度が大幅に低下していたりと、パッとしない部分も多く見受けられました。何十時間も集中してプレイできる面白さは備えているものの、歯応えのあった前作に比べると今ひとつな評価の作品です。

何度でも繰り返し楽しめる世界樹と不思議のダンジョン

 「世界樹の迷宮」シリーズのパーティーメイクや育成の面白さはそのままに、「不思議のダンジョン」シリーズを楽しめる本作。全滅すると装備がロストする厳しい仕様はもちろん。通常モンスターとは別格の強さを誇る「D.O.E」が登場するなど、両作品の特徴がそろっています。

 通常のダンジョン探索だけでなく、最大8人パーティーによる「D.O.E」との防衛戦や、最下層で待ち受ける「迷宮ヌシ」とのボス戦といった、多彩な戦闘も魅力です。ランダム生成ダンジョンとパーティーメイクの組合せによって、前作同様「1000回遊べるキャラクターメイクRPG」でした。

サブクラス追加で更に幅広くなったパーティーメイク

 今作では、5種類の新職業と「サブクラス」の追加によって、更に幅広いパーティーメイクが可能になりました。特定の役割に特化させた組合せや、複数の役割を兼任する組合せなど自由自在です。パーティー構成も数百通りと膨大で、構想を練るだけでも楽しめました。

 Lv99で全スキルを取得できた前作と違い、スキルツリーが2本になった影響で、約半分しか取得できない点も悩ましかったです。その代わり、デメリット無しでスキルやサブクラスをリセットできる仕様は好印象でした。クリアするまでに、何度リセットして試行錯誤を重ねたか数えきれません。

 ちなみに私のパーティーは、[パラディン+ダンサー]の踊って守れる壁。[ダンサー+パイレーツ]のよく殺し、よく死ぬ火力。[プリンセス+メディック]のバフ・回復兼任役。[ルーンマスター+メディック]の属性火力+回復役。といった4人でした。火力特化のダンサーが壁の後ろから攻撃して、範囲攻撃に巻き込まれて死んでも、サブメディック2人が即座に起こして復帰させるゾンビ火力パーティーです。

長大なボリュームと味気ないストーリー

 ストーリーをクリアするだけなら約25時間と一般的なボリュームですが、クリア後要素まで含めると倍以上になる大ボリュームです。[レベルリセット&アイテム持ち込み不可]といった本来の「不思議のダンジョン」仕様の迷宮や、強力な隠しボスが登場する迷宮が多数出現します。

 ただし、ゲームのボリュームに対して、ストーリーはかなり控えめです。テキスト量が少なく、腑に落ちない部分が多い印象を持ちました。クリア後要素に至っては最低限のテキストのみで、一部の迷宮名は適当に名付けられています。手抜きにも見えるため、最後まで注力してほしかったです。

プレイヤー側の強化に対して物足りない難易度

 新職業やサブクラスの追加で、プレイヤーが大幅に強化されたことに対して、難易度の調整が追いついていない点も気になりました。迷宮の難易度は前作据え置きで、プレイヤーだけが強くなった感触です。ある程度まで育成が進むと、実質8人分の働きが可能になるため、ほとんど隙がありませんでした。

 私のパーティーを例に挙げると、[ダンサー+○○]の多段攻撃に即死効果を付与することで雑魚は瞬殺。モンスターハウスも、[ルーンマスター]の部屋全体麻痺付与スキル1発で安全地帯。たとえ攻撃されても[メディック]2人分のオートヒール&オートリザレクトを抜けない限り誰も倒れません。

 強敵であるはずのボス戦も、全員をマニュアル操作できる分、サブクラスの豊富なスキルが活かせるため、通常探索よりも安定して戦えます。前述したようにボリュームは長大ですが、中盤以降はメリハリがなく、淡々と階層を進んでいくだけになってしまいました。

「ニンテンドー3DS」でのプレイは挙動が重いことに注意

 旧型の「ニンテンドー3DS」でプレイしていると、ダンジョン内の挙動が重いと感じることが多かったです。特に、敵や罠の数が多い「ドクロフロア」や、NPCと大人数パーティーを組んだ際は、移動が処理落ちしている状態で不快に感じました。スペックの高い「Newニンテンドー3DS」では快適なのかもしれないですが、「ニンテンドー3DS」で遊ばれる方は注意が必要です。

さいごに

 パーティーメイクから育成を進める点に関しては、前作よりも面白くなっていたものの、その強さを活かせるコンテンツが用意されていなかったのは残念でした。もちろんクリア後の「不思議のダンジョン」仕様の迷宮や、ソロ攻略を目指す場合は十分な歯応えを感じられるのですが、「世界樹と不思議のダンジョン」としての総合的な面白さで比べるならば、前作の方が評価は高いです。