【センチメンタルデスループ】評価・レビュー 豹変した親友に殺され続ける絶望タイムリープADV

総評
死とリセットを繰り返しながら惨劇の真相に迫る絶望タイムリープADV。クリアまで約3時間とボリュームは控えめですが、尖った作風と豊富な死亡イベントが際立つ作品でした。
良かったところ
猟奇的な展開が続くストーリー
女の子たちの多彩な死亡シーン
悪かったところ
ボリュームは3時間程度で控えめ
取って付けたようなお色気要素
3
B
ジャンル 絶望タイムリープADV
ハード Nintendo Switch
Steam
発売日 2023年7月6日
発売元 qureate
開発元 qureate
イクシール
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで3時間

 qureateがおくる絶望タイムリープADV「センチメンタルデスループ」のレビュー記事です。

 死とリセットを繰り返しながら、絶望のループから脱出を目指す本作。豹変した親友に殺され続ける猟奇的なストーリーで、ゲーム開始から10分で主人公が2~3回は刺殺される尖った作風でした。毒死や落下死といったパターンも用意されており、大半が凄惨なイベントで構成されたイベントスチルも20枚と豊富です。

 2,480円の安価なタイトルとはいえ、謎解きを含めてもクリアまで3時間程度と短く、ボリュームは控えめでした。お色気要素も取って付けたような演出で過度の期待は禁物です。良くも悪くも、短時間で女の子たちの多彩な死亡シーンを堪能できる作品でした。

死とリセットを繰り返す絶望のストーリー

 主人公が親友に刺殺されるところから始まるストーリーは、死とリセットを繰り返しながら絶望のループから脱出を目指す物語です。どうして親友は自分を殺そうとするのか、なぜリセットされるのか、逃走しながら家の中を探索することで、惨劇の真相に迫ります。

 死ぬことが前提のストーリーなので、物語が進展してもしなくても主人公は頻繁に死亡します。ゲーム開始から10分で、主人公が2~3回は刺されるくらい死は身近でした。リセットは主人公の死亡時ですが、襲ってくる親友自身や、同行者の友人が死ぬ展開もあります。

 クリアまでのボリュームは3時間程度と短く、ループで重複している箇所もあり、安価なタイトルとはいえ充分とは言えません。舞台も親友宅に限られているため、非常に小スケールな内容でした。

逃走しながら室内を調べる探索パート

 ドット絵のクォータービューで進行する探索パートは、部屋の中を調べて謎解きのヒントやアイテムを回収していく形式です。一定回数調べると包丁を持った親友が近づいてくるため、アイテムで罠を仕掛けたり、クローゼットなどに隠れたりして刺殺を回避しなければなりません。

 親友に追いつかれるか、イベントで死亡するとリセットされて、ゲーム開始時点に戻ります。とはいえ、毎回1から遊び直すのではなく、特定のポイントから再開する機能も用意されており、ループ物でありがちな同じイベントを何度も見せられることがないのは助かりました。

 追いかけてくる親友や、謎解き要素が存在するものの、ゲームの難度は低めです。序盤は総当たりで調べるため頻繁に殺されますが、アイテムや隠れ場所の位置を覚えてくると、イベント以外での死亡が激減しました。舞台が家の中だけで探索範囲が狭いことに加えて、室内に変化があれば同行者が教えてくれるため、ほとんど詰まることはなかったです。

死亡シーンを中心に豊富なイベントスチル

 クリアまで3時間程度のボリュームに対して、イベントスチルは20枚と豊富です。大半は誰かの死亡シーンとなっており、基本は殺傷ですが、落下死や毒死といった死因も存在します。単純な静止画ではなく、キャラクターに動きが付けられている点も好感触でした。

 qureateらしいお色気要素も盛り込まれていますが、シチュエーションが限定されているため、似たり寄ったりの印象が否めません。具体的には、登場人物が全員ミニスカートで、死亡やローアングルのオマケでパンツを見せる形です。ワンパターンでわざとらしい物が目立ち、魅力に欠けていたのは残念でした。

さいごに

 猟奇的なストーリーや多彩な死亡シーンが際立つ反面、その他の部分は不十分や取って付けたような内容が目立ち、総評としては高評価を付けがたいゲームでした。女の子たちが何度も殺されたり殺したりする、尖ったコンセプトに強く惹かれる方におすすめの作品です。