【SEKIRO | PS4】評価・レビュー プレイヤースキルを問われる超高難易度アクションアドベンチャー

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総評
非常に高難易度なアクションアドベンチャー。クリアするために要求されるプレイヤースキルが高く、万人にはおすすめできないものの、有り余るほどの緊張感と達成感は比類のない作品です。
良かったところ
自由度の高い探索要素
種類豊富なアクション
しのぎを削る剣戟と体幹ゲージ
手に汗握る強敵たちとの戦い
悪かったところ
一部のエリアでフレームレートが不安定(PS4 Pro)
ジャンル アクション・アドベンチャー
ハード PlayStation 4
Xbox One
Steam
発売日 2019年3月22日(金)
発売元 フロム・ソフトウェア
開発元 フロム・ソフトウェア
Acivision
公式サイト リンク
プレイ時間 1周目クリアまで31時間

 フロム・ソフトウェアとAcivisionがおくるアクション・アドベンチャー「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」のレビュー記事です。

 圧倒的な難易度でプレイヤーを殺しにかかってくる本作。隻腕の忍びを描いたストーリーや、体幹を削り合う秀逸な剣戟システムなど、特筆するべき要素は多いものの、とにかく難しかったことが記憶に残る作品です。死んだ回数は3桁にのぼり、一生忘れられないような強敵が数多く登場します。

 ゲームとしての完成度は高いですが、超高難易度の上に成り立っているため、クリアするためには相応のプレイヤースキルが必須です。自分ならばクリアできるという強い自信を持った上で、覚悟を決めて購入されるならおすすめできる、至高のアクションアドベンチャーでした。

隻腕の忍びを描いた戦国ストーリー

 戦国時代の末期を舞台にしたストーリーは、隻腕の忍びを主人公とした、連れ攫われた主を取り戻す戦いの物語です。掟に生きる忍びと幼い御子の主従関係や、彼らを取り巻く人物たちとの争いを中心とした、様々な出来事を体験することができます。寡黙な主人公ゆえに、多くは語らない趣深い内容です。

 日本の戦国時代とされていますが、史実の人物は登場しない、オリジナルの世界観になります。四季が入り乱れる幻想的な光景や、全貌が視界に収まりきらない巨大なヘビが登場するなど、意外とファンタジー色が濃いです。思いがけないアクシデントやイベントも多く、多彩な展開はプレイヤーを飽きさせません。

自由度が高く快適な探索要素

 ゲームの基本となる探索は、かなり自由度の高い作りとなっています。忍びらしく物陰に隠れたり、過酷な地形を進んだりするだけでなく、忍義手に仕込まれた鉤縄を打ち込むことで、立体的に移動することも可能です。鉤縄を打ち込める場所は限られているものの、想像していた以上に行動できる範囲は広大でした。

 探索場所も一本道ではなく、目的地とは異なるエリアに行くこともできます。様々な場所にアイテムや情報が隠されているため、強化も兼ねて隅々まで探索したくなる魅力を秘めていました。点在する「鬼仏」を見つけることで、鬼仏間のファストトラベルも解放されるので、寄り道も二度手間にはなりません。

 ファストトラベルと死亡時の復帰以外ではローディングが発生しないので、テンポ良く快適な探索が楽しめた点も好感触です。壮大で美麗な風景の影響か、PS4 Proでフレームレートが不安定になる場合があったものの、一部のエリアに限られており、特に大きなマイナスではありませんでした。

すべてを駆使して挑むアクション

 主人公の潜入を阻む敵は、必ずしも倒しながら進む必要はなく、戦いを回避する手段が豊富に用意されています。時には排除しなければならない場合もありますが、一撃で相手のHPを全て刈り取る「忍殺」を不意打ちで決めれば、戦闘を行うことなく排除することも可能です。この辺りはステルスゲームに近い印象でした。

 発見されてしまった場合は、スキルやアイテム、忍義手に仕込まれた忍具などを最大限に活用して切り抜けるしかありません。相対すれば、一般兵でも油断できない強さを持っており、複数人に囲まれると、闇雲に戦っても勝ち目は薄いです。不利な状況の場合、逃走を選ばなければ、一瞬にして殺されてしまいます。

 もし死んでしまっても、御子から与えられた「回生」の力によって、主人公は1度だけ生き返ることができます。こちらを殺して油断した相手を忍殺したり、隙を見て逃走したりと、死んだ後に選べる戦術も様々です。地形や手段、自分の死すらも駆使して困難に挑むアクションとなっていました。

戦いのカギを握る体幹ゲージ

 見た目の派手さから「忍殺」が際立っているものの、本作最大の特徴を挙げるとすれば、戦いのカギを握る「体幹ゲージ」です。相手の攻撃を弾いたり、相手に攻撃を当てることで溜まるゲージが最大まで達すると、問答無用で忍殺できる重要なシステムになります。特にボス戦では、体幹ゲージで勝負が決まるといっても過言ではないです。

 体幹ゲージの存在によって、戦いが単純なダメージレースではなくなっている点も好印象です。相手を完全に封殺すれば、HPが満タンの状態からでも忍殺するチャンスがあります。ただし、HPも形骸化しているわけではなく、減らすことで体幹ゲージの回復が遅くなるため、削れば削るほどに状況が有利になる要素でした。

 敵だけでなく、主人公にも体幹ゲージは存在します。攻撃をガードすることによって蓄積して、最大まで溜まると行動不能に陥ります。守りばかりに徹していると、待ち受けているのは絶体絶命の危機です。若干の違いはありますが、敵味方ともに近いルールで戦うことによって、より緊張感のある剣戟を体験することができました。

プレイヤースキルが問われる強敵との戦い

 本作に登場するボスは、いずれも一筋縄ではいかない強敵ばかりです。複数回の忍殺が要求されることに加えて、1ミスで即死クラスの攻撃を仕掛けてきます。ガードと回避で相手のパターンを覚えて、隙あれば弾きや見切りを織り交ぜて体幹ゲージを溜める、慎重かつ大胆な戦いが要求されました。

 戦闘中は一瞬たりとも気を抜けません。たとえ一撃で死ななくても、攻撃を受けて相手に余裕を与えると、体幹ゲージを回復されてしまいます。あと1歩のところで焦ってしまい、ミスをするパターンも多かったです、もちろん、難易度が高い分だけクリアしたときの達成感も格別です。最後の忍殺が入った瞬間は、思わず喜びの声が出てしまうほどでした。

 特定のアクションを使用することで有利に戦える場合もあるので、ただ剣戟を交わすだけが攻略ではありません。ボスによっては不意打ちからの忍殺も可能です。戦いの基本を押さえた上で、柔軟な思考やパターンを覚える記憶力、攻撃に対応する反射神経など、幅広いプレイヤースキルが求められました。

死亡することに慣れない絶妙なバランス

 いわゆる「死にゲー」なので、死亡した回数は数えきれません。1度だけなら復活できる「回生」が存在する分、完全に死亡した時のデスペナルティは重く、経験値とお金を半分も失ってしまいます。1度死んでも生き返られる安心感と、1度死んだ後の緊張感はメリハリがあって、プレイヤーをマンネリさせない絶妙なシステムでした。

 何度も死亡していると、デスペナルティだけでなく、NPCの間に病が広がっていきます。主人公が生き返るたびに、周りから生を奪っている影響です。自身の失敗によって苦悶のうめきをあげるNPCとの会話は心苦しいことに加えて、デスペナルティを確率で回避できる「冥助」の発生率も下がってしまいます。

 失われた経験値とお金は二度と戻らず、NPCの病を治すためには数の限られたアイテムが必要なため、ゲームとはいえ気軽に死ぬことは許されません。「死にゲー」にありがちな、死にすぎて死に慣れるという問題は、これらのバランスによって最後まで緊張感が保たれていました。

多彩なキャラクター育成要素

 アクションの種類が多いことから、キャラクターの育成要素も豊富です。経験値やお金、アイテムを獲得することで、様々な強化を行えます。圧倒的なプレイヤースキルを持っていれば無強化でもクリアできますが、基本的にはしっかりと探索・強化を行って、万全の状態に整えてから挑戦するゲームバランスです。

 特に、ツリー形式で獲得するスキルはプレイスタイルを大きく変える要素です。1周目から全てを取りきるのは難しいので、しっかりと考えて取得する必要があります。セーブデータが1つでオートセーブ形式のため、試しに取得することもできない過酷な仕様となっており、スキル1つ獲得するだけでも悩みどころでした。

アクションが得意でなければおすすめできない

 面白いかどうかと聞かれれば確実に面白く、ボスの撃破やクリアしたときの爽快感は格別だったものの、万人におすすめできるかといえば強く否定します。純粋に難易度が高いことに加えて、救済措置も存在しないため、それなりにアクションが得意でなければ詰んでしまう可能性が高いです。

 私自身、アクションゲームはそれなりに慣れているつもりだったものの、心が折れそうなくらい苦戦しました。寄り道をしながらクリアまでに30時間ほど掛かりましたが、プレイ時間の半分くらいはボス攻略に費やされたと思います。

 死に続けることで病が広がるだけでなく、一部のアイテムはゲーム内で獲得できる個数が限られており、アイテムを消費した上で死亡を繰り返すとジリ貧です。セーブデータが1つしかないため、途中からやり直すこともできません。もし購入を考えているなら、高難易度を認識した上で、覚悟を持って挑むべき作品です。

さいごに

 一心不乱に連続プレイをしていたこともあって、クリアする頃には精神的な疲労の激しいゲームでした。少しでも時間をおいてしまうと腕が鈍ってしまいそうで、常に高いモチベーションと集中力を求められたような感触です。さらに、マルチエンディングで周回プレイも用意されており、1度クリアしただけでは終わりません。

 遊んでいる間はとても充実感があった反面、本作を遊び終えた後は、しばらく高難易度アクションを控えたいと感じてしまうほどの、インパクトが強い作品でした。