ジャンル | アクションRPG |
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ハード | PlayStation Vita |
発売日 | 2016年2月4日 |
発売元 | スクウェア・エニックス |
開発元 | スクウェア・エニックス |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで10時間 |
25年ぶりにリメイクされたゲームボーイ時代のアクションRPG「聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-」のレビュー記事です。
ストーリーはそのままに、グラフィックが一新された本作。ゲームシステムも基本は流用のため、目新しい部分は少ないものの、安心して購入できる作品だと思っていたら、かなり残念な完成度でした。全体的に動作が重くて不安定。3Dになった画面も遊びにくく、爽快感のないアクションRPGです。
もっさりとした挙動でストレスばかり溜まっていく冒険
Vita版をプレイしましたが、固定スペックなのに動作がとても不安定でした。小さなマップをつなぎ合わせたフィールドでは、マップを移動するたびにカクカクします。最初は原作の雰囲気を再現しているのかと思いましたが、状況によって重さが変化するので、意図的な物ではないようです。
敵の多いマップや、エフェクトの派手なボス戦・イベントでは処理落ちも頻発します。負荷が掛かりすぎるとエラー落ちまで発生しました。ダンジョンのギミックを作動させると表示がおかしくなる場所もあって、リメイクでサクサクになるどころかストレスの溜まる挙動は、残念に思います。
3Dグラフィック進化して遊びにくくなったゲーム画面
グラフィックが3Dに一新されたことは、今回のリメイクにおいて、数少ない大きな変更点ですが、体感としてはマイナス印象でした。配置は同じでも縮尺が大きく変わったことで、マップの構成やギミックが分かりにくくなっており、お世辞にも遊びやすいとは言えない内容です。
ジャンプする敵やボス戦は、当たり判定が分かりにくくて難敵と化しています。大して強くもないのに時間が掛かってしまい、前述した処理落ちと併せて、プレイヤーのモチベーションを削ってきます。雑魚は途中から無視することに慣れてしまい、単なる嫌がらせの存在になっていました。
良くも悪くも中身はゲームボーイクオリティ
『原作を忠実に再現』と言えば聞こえは良いですが、観点を変えると25年前から時間が止まっています。見た目だけ今風になっても、アクションは単調な操作の繰り返しです。理不尽にダメージを受けることや、セーブするタイミングによっては詰んでしまうところまで当時のままでした。
名作と名高い作品ですが、「ゲームボーイ」という限られたリソースと時代だからこそ輝いていた部分もあります。思い出を再び楽しむキッカケとしては良いですが、この機会に初めて遊んでみるとガッカリするかもしれません。あくまで、25年前の名作を忠実に再現している作品です。
さいごに
プレイした覚えはあるけど、あまり記憶に残っていない私にとっては、思い出補正も働かずに今ひとつの評価でした。唯一、手放しで褒められるのは音楽くらいです。全て3Dで作り直したとはいえ、不安定な完成度でやり込み要素等もないため、1,400円の価格設定も高いと感じました。