【サムライメイデン】評価・レビュー イチャイチャするほど強くなるガールズ侍アクション

総評
女の子同士のイチャイチャと、手応えのある戦闘の両方が楽しめるガールズ侍アクション。売りにしている部分が高評価な反面、明らかに注力されていない部分も目立つ作品でした。
良かったところ
剣術と忍術を組み合わせたアクション
親密になるほど強化されるシステム
悪かったところ
ボリュームに対して敵の種類が少ない
宝箱の大半が設定資料の解放
3
B
ジャンル ガールズ侍アクション
ハード PlayStation 4
PlayStation 5
Nintendo Switch
Steam
発売日 2022年12月1日
発売元 ディースリー・パブリッシャー
開発元 シェード
公式サイト リンク

 シェード/ディースリー・パブリッシャーがおくるガールズ侍アクション「SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-」のレビュー記事です。

 JKの主人公が戦国時代で魔王討伐を目指す異色の本作。登場キャラクターは大半が女の子となっており、親密になるほど強化される成長システムが魅力です。少女たちのイチャイチャをフルボイスで堪能しながら、アクションも楽しめる一石二鳥の作品でした。

 アクションゲームとしても、オーソドックスな性能の主人公と、癖の強い仲間の忍術を組み合わせた独特の面白さを秘めています。操作に気を遣わなければならない仕様が多く、爽快感は控えめですが、意外と手応えのある戦闘を体験できました。

 残念だった点は、敵の種類が少なく、似たり寄ったりの戦闘が続くことです。また、フィールドに存在する宝箱の大半が図鑑を解放するだけの物となっており、設定資料に対する興味の有無で評価が分かれそうな部分だと感じました。

戦国時代を舞台に描かれる少女たちの物語

 JKの主人公が戦国時代に召喚されるところから始まるストーリーは、少女たちの葛藤やイチャイチャを中心に展開されながらも、意外と王道展開な物語です。登場人物が7人と少なく、基本的にはメインキャラクター4人の会話で構成されています。

 なぜか、武田信玄と上杉謙信が女の子になっていたり、スマホは胸に挟んで充電したりと、突っ込みどころまで含めて楽しめる人向けの内容です。

 アクションゲームながらもイベントシーンが多く、ステージによっては戦闘より会話の方が長い物もありました。メインストーリーだけでなく、サブイベントまでフルボイスだったのは好感触です。その反面、キャラクターの動きはバリエーションが乏しく、会話とポーズがマッチしていない箇所が目立ったのは残念でした。

剣術と忍術を組み合わせて戦うアクション

 戦闘は、主人公を操作して戦いながら、攻撃で溜まったゲージを消費して仲間の忍術を発動させるマルチタスクのアクションです。主人公の剣術がオーソドックスなアクションゲームという内容に対して、仲間の忍術は範囲攻撃や状態異常付与など癖の強い性能を備えており、組み合わせることで独特の面白さを秘めていました。

 仲間は常に近くで待機しているものの、自動で攻撃等のアクションは行いません。忍術発動時以外は棒立ちで、行動は全てプレイヤーの指示になります。一緒に戦ってくれる。というよりも、1人で複数のキャラクターを操作している感触でした。

 仲間にHPはありませんが、当たり判定だけ存在する仕様は曲者です。発動前の忍術を攻撃で阻止されたり、画面外でダウンしていて忍術が不発したりします。ゲージの溜まりが早いのに対して、忍術は1人ずつしか発動できない制限などもあって、爽快感は控えめです。

 独特の操作感に加えて、戦闘中の回復手段が限られているため、難度は少し高く感じました。1度だけならチェックポイントから再開可能とはいえ、同じ箇所で敗北が続くとステージの最初からやり直しになるので、ストーリーやイチャイチャ目当てで遊びたいという場合は苦労するかもしれません。

敵の種類が少なく似たような戦闘が発生しがち

 アクションゲームとしては適度なボリュームを備えているものの、敵の種類が少ないのは気になるポイントでした。ストーリーを進める中で、同じ敵と何度も戦うことになります。もちろん、2度目、3度目になると、攻撃手段が増えたり、敵の組み合わせが変わったりするとはいえ、水増し感が否めません。

イチャイチャするほど強くなる成長システム

 キャラクターの成長要素は、因貨による「武器強化」と、「思い出アルバム」によるスキル・忍術解放の2種類が存在します。特に重要なのは思い出アルバムとなっており、受け身・ダウン復帰といった基本的な操作から、地上・空中の多彩なアクションが解放されていきました。

 アルバム解放に必要な親愛度は、敵を倒した際に選んでいる仲間が獲得する仕様で、一緒に戦うことの多いキャラクターほど成長も早くなります。解放に併せてイベントが展開される形で、中には特別な一枚絵が用意されている物もありました。

 女の子同士がイチャイチャしながら、徐々に親密になっていく模様は、本作のメインコンテンツといっても過言ではありません。

図鑑解放がメインの宝箱要素

 アクションステージでは、様々な場所に宝箱が存在しており、回収していくことも遊びの1つになっています。各ステージの難度ごとに複数個置かれているため、総数は200個以上と膨大です。ただし、9割以上は図鑑を解放するだけの物で、興味があるかどうかで評価が分かれそうな部分でした。

 図鑑には様々な設定画や絵コンテが用意されており、ここでしか見られない資料も少なくはありません。資料を眺めるのが好きな人にとっては嬉しいコンテンツです。とはいえ、回収が困難でダメージのリスクがある宝箱も多く、興味の薄い人にとっては苦労して獲得しても中身はハズレという形です。

 私自身、途中までは回収しながら進めていましたが、さすがに数が多すぎて、途中から通り道の宝箱以外は無視してしまいました。

さいごに

 コンセプトは面白く、売りにしている部分は高評価な反面、明らかに注力されていない部分も目立つ作品でした。細かい部分は気にせず、女の子たちのイチャイチャを堪能したい方におすすめです。