ジャンル | 古城探索アクション |
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ハード | PlayStation Vita |
発売日 | 2016年4月26日 |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
開発元 | 日本一ソフトウェア |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで7時間 |
日本一ソフトウェアがおくる古城探索アクション「ロゼと黄昏の古城」のレビュー記事です。
古城の中で目覚めた少女”ロゼ”と、石造りの巨人を操作して、古城からの脱出を目指す本作。1人と1体を使い分けて操作するアクションだけでなく、ギミックによるパズル要素も強い作品です。初見殺しを多用している点にストレスを感じたものの、独特の雰囲気と世界観は、とても魅力的でした。
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古城からの脱出を目指す高難易度パズルアクション
茨の力で血と時間を操れるロゼと、怪力によって色のついたものを動かせる巨人。それぞれが単独では活かしきれない能力を持っており、助け合って様々な困難を乗り越えていきます。1人と1体を同時に操作することはできないため、状況に合わせて、うまく切り替えながら攻略しなければなりません。
ロゼがストックできる血の力は1回分だけだったり、複数のギミックを活用したりするなど、クリアするための方法・手順を考えるパズル的要素も用意されています。切り替えながら進んでいくシビアな操作と組み合わさることで、高い難易度のパズルアクションゲームとなっていました。
死んで覚えるだけでなく、死ななければ進めない「死にゲー」
ロゼは、茨の力を除けば、とてもか弱い少女です。高所からの落下や、トラップ・茨に触れてしまうと、あっさり死んでしまいます。しかし、どんな死に方をしても茨の力で生き返ることが可能です。ボタン1つで手軽にリトライできるため、いわゆる死んで覚える「死にゲー」として成り立っています。
死にながら攻略するだけでなく、死ななければ進めない封印も存在。もちろん生き返るのですが、封印ごとに残酷な処刑機具とイベントが用意されており、ふだんの死亡とはまた違ったアクセントとして作用していました。ちなみに、ゲームクリアまでにロゼを死なせた回数は数えきれません。
多すぎた「初見殺し」と不自然なギミックの挙動
「初見殺し」と「死にゲー」が切っても切れない関係とはいえ、死亡の大半が初見殺しだった点は、ストレスに感じられました。見てからでは間に合わない死亡ばかり続くと、取りあえず突っ込んで死んでから考えようというスタンスになりがちで、アクションから緊張感が失われてしまいます。
また、ロゼの能力によってギミックの可動を操作できる影響からか、物理演算に怪しい挙動が多くみられました。この仕様を活用すると、本来用意されているルートを無視して強引に進むことが可能です。その反面、安定した動きを再現するのが難しい場面もあって、やはりストレスの要因でした。
ステージのバリエーションを犠牲にしてまで統一した世界観
舞台が「色を失った古城」に限定されているため、どのステージも似たり寄ったりの印象を持ちました。ギミックの種類にも限りがあり、中盤以降はギミック同士の組合せや応用がメインです。世界観を壊さないためには仕方がないとはいえ、バリエーションにもう一工夫が欲しかったと感じます。
しかし、ステージが統一されているおかげで、城外との対比が演出として活かされていたことは高評価です。クリアするだけでは全てが語られず、城内に散らばっている書物や「血の記憶」を覗くことで、少しずつ紐解かれていくストーリーとなっており、自分なりに考察する要素も備わっていました。
さいごに
極端な「初見殺し」から独特の世界観まで、かなり人を選ぶ内容ですが、良くも悪くも公式サイトや体験版から得られる期待感どおりでした。体験版では序盤を一通り遊べるため、迷っている方は実際に遊んでみることを推奨です。もし、プレイ後でも迷ってしまうようなら、余りおすすめできない作品です。