ジャンル | お姫様脱出ADV |
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ハード | Nintendo Switch |
発売日 | 2020年1月30日 |
発売元 | qureate |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで4時間 |
qureateがおくるお姫様脱出ADV「プリズンプリンセス」のレビュー記事です。
魂だけの勇者となって、お姫様たちと魔王城からの脱出を目指す本作。謎解き・脱出系のゲームとしてはスタンダードな内容で、特筆するべき部分が少ない反面、お姫様たちの存在が際立つ作品となっています。フルボイスということに加えて、随所にサービスカットが盛り込まれており、目が離せません。
ストーリークリアまでのボリュームは4時間程度と値段相応ですが、好感度とフラグ管理によるマルチエンディングが用意されています。残念ながら、分岐による謎解きの変化などはほとんどないため、単純な周回を要求されてしまうものの、コンプリートをしたいと思わせるだけの魅力を持った作品でした。
2人のお姫様と挑戦する魔王城からの脱出劇
ストーリーは、死んで魂だけになってしまった勇者が、魔王城に囚われたお姫様たちと出会うところから始まります。物に触れられない勇者は、仕掛けを操作するどころか、小物一つ動かすことができません。勇者が知恵を出し、お姫様たちが行動して仕掛けを解き、魔王城からの脱出に挑戦する脱出劇です。
2人のお姫様は、天然とツンデレ、それぞれ異なる魅力を備えています。フルボイスで会話も多いため、どちらか選ぶなんてできないくらい2人ともかわいいです。妙に露出の多いドレスを着ており、探索中の様々な場面でサービスカットを見せてくれるため、プレイ中は目が離せません。
難易度は易しいがヒントも乏しい脱出ゲーム
脱出ゲームとしては、一部屋ずつ明確な障害をクリアしていくのではなく、複数の部屋を何度も行き来して試行錯誤するタイプです。チュートリアルのような、お姫様が囚われている部屋をクリアすると、急に移動できる範囲が大きく広がって困惑しました。
謎解きの難易度は易しく、余り脱出ゲームを遊んだことがない人でも安心です。ただし、室内の調べられるポイントが少し分かりにくい印象でした。予想もできない関連性からイベントが発生する場合もあって、詰まったら各部屋を巡回して総当たりに近い探索を行う場面も多かったです。
一応、調べられるポイントを表示するヒント機能が用意されているものの、回数限定で現在表示している画面のみという仕様から、ほとんど役に立ちません。この機能をヒントとして成り立たせたいのなら、せめて1部屋は1画面に納めてほしかったです。
おさわり可能でちょっとHな謎解きイベント
一部の謎解きでは、お姫様が体を張ってギミックに挑戦します。専用のイベントスチルが用意されており、普段以上のサービスシーンが満載です。ギミックではなくお姫様をタッチすると様々な反応が返ってくるため、制限時間付きの挑戦であるにもかかわらず、ついついおさわりをしてしまいました。物に触れなくても、お姫様の体にはタッチできるご都合主義は大歓迎です。
イベントスチル付きの謎解きは決して多くはなく、大半は公式サイトやプロモーションビデオで確認できる物ばかりです。しかし、ゲーム内ではおさわり可能で、ボイス付きの反応を返してくれるため、お姫様たちに魅力を感じたら、プレイするだけの価値は十分に秘めていました。
本編では制限時間が気になってじっくり見られなくても、謎解きイベントスチルはクリア後のギャラリーでも閲覧できるため万全でした。もちろん、ギャラリーでもタッチ可能となっており、さわり放題でお姫様の反応を堪能できるのはうれしかったです。
好感度とフラグによって変化するお姫様たちの結末
本作は、お姫様たちの好感度とフラグによって結末が変化する、マルチエンディング形式を採用しています。ストーリークリアまで4時間とはいえ、細かい分岐のコンプリートを目指すと相応の時間が掛かりました。幾つかのエンディングはフラグ管理がシビアで、周回プレイやセーブ&ロードを活用することになります。
残念ながら、分岐によって謎解きが大きく変わることはなく、周回プレイの9割は同じ謎解きのため、若干の作業感は否めません。この辺りは、2週目以降で何らかの要素を追加して、うまく補ってほしかったと感じます。とはいえ、過剰なストレスを感じることもなく、最終的にはコンプリートまでプレイして満足できたため、マルチエンディングまで含めて程よいボリュームでした。
さいごに
謎解きゲームとしては可もなく不可もなしといった印象ではあるものの、本作を購入するユーザーの大多数はお姫様が目当てと想像できるため、そういった点を加味すれば高評価と言える作品でした。むしろ、謎解きに凝りすぎていなかったからこそ、望んでいたゲームに仕上がっていたと考えます。
必要以上にゲーム情報をチェックしすぎると、プレイした際のお楽しみが目減りしてしまうため、お姫様たちに興味を持ったなら、悩みすぎずに購入を勧めたい作品でした。