ジャンル | ドラマティックシューティングゲーム |
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ハード | Nintendo Switch |
発売日 | 2020年4月2日 |
発売元 | Forever Entertainment |
開発元 | MegaPixel Studio |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | 1周クリア50分 |
MegaPixel Studioがリメイクを手掛けたドラマティックシューティングゲーム「パンツァードラグーン:リメイク」のレビュー記事です。
1995年にSEGAより発売された「パンツァードラグーン」のリメイクとなる本作。360度全ての方向から襲いかかってくる敵に対して、ドラゴンとそれに乗る青年を操作して戦う、独特のシステムを備えた全方位型レールシューティングです。グラフィックの進化だけでなく、Nintendo Switchに最適化された操作モードも用意されており、現代の環境でも違和感なく楽しめるように作り込まれていました。
ただし、大幅な機能追加などは用意されていないため、過度の期待は禁物です。一応、「写真モード」や「能力値(プレイ記録)」が存在しているものの、余り洗練されていない感触でした。原作を懐かしみながらプレイして、ある程度は満足できましたが、新規で興味を持って買うには少しおすすめしにくい作品です。
360度全てから敵が迫る全方位型レールシューティング
決まったルートを進んでいくレールシューティングを基本に、全方位から迫りくる敵に対処する、独特のゲームデザインは本作最大の特徴です。ショットとロックオンレーザーによる攻撃だけでなく、レーダーによる索敵とカメラ移動、ドラゴンの操作を同時に行う目まぐるしい戦闘が続きます。前半のエピソードでは、レーダーの反応を見てから対処すれば問題ないですが、後半は同時に複数方向から攻撃される場合もあって、覚えゲーの色が濃いです。手慣れてくると、出現直後の敵を一掃できる場面も多く、気持ちの良いプレイが楽しめます。
残機なしのライフ制となっており、エピソードをクリアしても回復は一定値だけなので、ノーコンテニューでのクリア難易度は少し高めです。回数制限付きのコンテニューを行えばライフは全快するものの、エピソードの最初からやり直しになるため、コンテニューの繰り返しによるゴリ押しのクリアもできません。難易度選択が用意されており、「容易(イージー)」なら簡単にクリアできますが、「正常(ノーマル)」以上は、敵のパターンを覚えることまで含めて攻略になります。全7エピソードとなっており、ノーコンテニューでスムーズにクリアできれば、1周回は40分程度のボリュームです。
グラフィックの進化と写真モードの追加
約25年越しのリメイクということもあって、グラフィックの進化は、比べ物にならないほどに絶大です。想像で補完するしかなかった、ドラゴンや敵のディティールがハッキリしたのはもちろん。背景の描写が大幅に追加されており、パンツァードラグーンの本当の姿を見た気分でした。特に、原作では緑の大地の上を飛んでいるだけだった森林ステージが、岩と緑に囲まれた世界に変わっていたのは圧巻です。描写が増えたことで敵の視認が難しくなったり、最新のグラフィックに比べると1歩劣ったりと気になる点もありましたが、十分に満足できるグラフィックでした。
進化したグラフィックをより楽しむ機能として、プレイ中のワンシーンを加工して撮影できる「写真モード」が追加されていることも必見です。ポーズ画面から起動することで、ドラゴンを中心にカメラの移動や回転、フィルター加工を行えます。撮影自体はNintendo Switch本体の機能を使用する形式です。常に移動や激しい戦闘が続くため、ベストショット撮影のハードルは高いですが、シリーズファンにはうれしい機能でした。
各種新機能と少し怪しい日本語UI
本作には、セガサターンの操作方法に近い「クラシック」だけでなく、左右のスティックを活かした操作方法「モダン」が追加されています。照準とドラゴンの操作を個別に行えるため、慣れれば遊びやすさが格段に向上しました。照準の感度調整が用意されていたことも好感触です。
元々は国内作品なので、ゲームプレイ中の日本語は問題ないのですが、新規追加されたUI周りの日本語が少し怪しかったのは玉にきずでした。三段階の難易度は「容易」「普通」「ハード」と翻訳の方針が混在していたり、これまでのプレイ記録を閲覧できる機能が「能力値」(英語ではStatus)だったりと、残念な印象が拭えません。そこまで難しい英語は存在しないので、英語のままか、カタカナ表記で良かったのではと考えてしまいました。
怪しい日本語が集まったプレイ記録「能力値(Status)」は、機能としても微妙です。難易度別の挑戦・クリアした回数から、累計の命中率といった細かい数字まで残されるのですが、何でもかんでも記録するのは困りものでした。新しい操作モードや感度の確認、「写真モード」のためにプレイするだけでも、未クリアのカウントが増えてしまいます。記録のリセットも用意されていないため、どういった使い方を想定しているのか見えない、雑な機能という感触でした。
さいごに
グラフィックの進化に感動を覚えたとはいえ、新しいゲームモード等の追加はないため、ノーマルをノーコンテニューで満足でした。PlayStation2版で追加された要素も見当たらず、懐かしさを感じながら遊ぶ良い機会だったとはいえ、価格的には少々割高に感じます。原作当時と比較しながら遊ぶなら良い買物ですが、新規で興味を持って買うには、少しおすすめしづらい作品でした。