ジャンル | アクションRPG |
---|---|
ハード | PlayStation 4 Steam |
発売日 | 2017年2月23日 |
発売元 | スクウェア・エニックス |
開発元 | プラチナゲームズ |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで24時間 |
異常性極まりない狂気に満ちたストーリー「NieR:Automata(ニーア オートマタ) 」のレビュー記事です。
一風変わった作風で有名な、ヨコオタロウ氏が手がける本作。オープンワールドの広大な世界を舞台に、アンドロイドと機械生命体の戦いを描いたアクションRPGになっています。魅力的なキャラクターたちや、容赦のない残酷な展開に彩られたストーリーは、プレイヤーの興味を惹きつけて放しません。アクションゲームとしては今ひとつに感じる部分もあったのですが、それを補うだけの面白さを備えた作品でした。
目次で流し読み
機械生命体とアンドロイドの戦いを描いた過酷な物語
機械生命体によって侵略された地球を奪還するため、新たに投入されたアンドロイド「ヨルハ部隊」の視点を中心に描かれるストーリーは、残酷な展開や狂気に満ちあふれています。周回要素付きのマルチエンディングによって、プレイするたびに見えてくる新たな真実は見所が満載でした。
「NieR:Automata」はシリーズ2作目の作品ですが、表面上のストーリーを楽しむなら、本作だけのプレイでも問題はありません。バックグラウンドやアーカイブで、前作のストーリーに触れる部分も多いため、細かいところまで気になるという方は、前作のプレイを推奨になります。もし、全てを知りたいと言う場合は、「ドラッグ オン ドラグーン」シリーズまで絡んでくる奥深い内容です。
豊富な収集要素が散りばめられた広大なオープンワールド
廃墟都市、砂漠、森といった地域が登場するフィールドは、オープンワールドとなっており、全て地続きでシームレスに移動することが可能です。ゲームの設定上、マップ機能の精度がかなり悪いため、慣れるまでは迷いながらの探索になりがちでした。特に、地下に入ると自分の現在位置すら分からなくなってしまうため、少しストレスを感じながらも手探りで進んでいくことになります。
フィールドには、メインストーリー以外にも50種類以上のサブクエストが用意されています。素材の回収から討伐まで内容は様々です。他にも、アーカイブや武器といった収集要素が豊富に存在。メインストーリーのマルチエンディングを含めた、合計20種類以上のエンディング回収要素まであります。攻略サイト等に頼らず、1人でコンプリートを目指すと何時間かかるのか想像も付きません。
多彩なカスタマイズが用意されたアクションバトル
オープンワールドをベースにしている本作は、戦闘もシームレスに展開されます。近接攻撃・回避といった基本操作に加えて、4系統30種類以上の武器やポッドによる支援、ハッキングによる攻撃など、様々なアクションが可能です。経験値によるレベルアップだけでなく「武器・ポッドの強化」「プラグインチップのセット」など、自分の戦い方に合わせたカスタマイズも用意されています。
カスタマイズの中でも、「プラグインチップのセット」はかなり奥深いです。チップの種類が多くて、合成機能も存在。単純に戦闘を有利にするチップ以外に、各種ゲージやミニマップの表示といったシステム機能も含まれているため、限られた容量の中で何をセットするか悩ましいシステムです。
少し残念だったのは、遠距離からハッキングやポッドの攻撃を続けるだけで、大抵の敵を倒せることでした。もちろん、射撃と同時に近接攻撃を行うことも可能ですが、敵の近接攻撃を受けるリスクに見合うほどのダメージは与えられません。結果、縛りプレイでもなければ距離を取りながら攻撃を続けるのが安定となってしまい、せっかくの近接アクションや豊富な武器が形だけの物になっていました。
今作からゲーム内で閲覧できるようになった武器物語
「ドラッグ オン ドラグーン」シリーズで有名な武器物語(ウェポンストーリー)。残念ながら前作では実装されず「GRIMOIRE NieR」で別掲載となったのですが、今作はゲーム内で閲覧できるようになりました。新しい武器からシリーズではおなじみの物まで、全39本の武器物語は、どれも一風変わった内容になっています。
物語からシステムまで数多く盛り込まれた規格外
異常性極まりない狂気に満ちた物語だけでなく、膨大なマルチエンディングやハッキング時のシューティングゲーム化。他にも、ネタバレに当たるために書きたくても書けない終盤の仕込みなど、特異なシステムや展開が満載です。本当に……本当にありがとうございました。
さいごに
流石に「ドラッグ オン ドラグーン」シリーズと併せて4本目のプロデュースになると、ただ狂気的なだけでは目新しさも減ってくるのですが、様々な工夫を凝らして、同じことの繰り返しには感じさせないクオリティは『すごい』の一言でした。
前作が好きだった人はもちろん。本作のみでストーリーは完結しているとはいえ、シリーズに初めて興味を持った人は、是非前作と併せて遊んでみてほしい作品です。