ジャンル | アクションアドベンチャー |
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ハード | Nintendo Switch Steam |
発売日 | 2020年9月17日 |
発売元 | CFK |
開発元 | Alpheratz* |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで2.5時間 |
CFK/Alpheratz*がおくるアクションアドベンチャー「Nevaeh」のレビュー記事です。
光と闇をテーマに、一風変わったストーリーとアクションが展開される本作。文字を使わないビジュアルだけで語られるストーリーは、独特の雰囲気が魅力ではあるものの、過剰な考察を求められる内容です。アクションを含めても2.5時間のボリュームしかないにもかかわらず、推測で補完しなければならない範囲が広すぎて、想像の余地が残るというよりも説明不足なストーリーとなっていました。
「光る蝶」を操作することによって、光と闇のギミックを攻略していくアクションも、構想自体は面白いのですが、ギミックの種類が乏しく退屈です。考える前に偶然クリアできてしまうようなギミック・ボス戦も目立ち、手応えにも欠けていました。短いこともあって、過度なマイナス要因はないものの、よく出来ていると感じる部分もなく、奇抜な作風に対して中身は面白味のない作品です。
ビジュアルと雰囲気で語られる考察型ストーリー
闇に飲み込まれた町を救うため、少女が「光を司る塔」を冒険するストーリーは、ビジュアルのみで語られます。作中には文字がなく、キャラクターの挙動や吹き出しで表示されるイラスト、雰囲気だけで推測・考察していく形式です。海外タイトルですが、タイトル画面や設定を除いて文字が存在しないため、ローカライズの点では心配する必要は全くありません。
イラストと雰囲気だけで伝える作風は面白いと感じましたが、ストーリー自体が分かりにくいのは残念でした。販売ページなどに掲載されている、作品の概要をしっかり読んでおかなければ、プロローグの時点で状況の把握が難しいです。アクションを含めても2.5時間というボリュームですが、推測で補完する範囲が広すぎて、想像の余地が残るというよりも説明不足なストーリーでした。
考察好きや、雰囲気を楽しむだけで満足なら構わないですが、気軽にエンターテインメントとして遊べるタイトルではありません。黒と白で描かれたモノトーンの作風や、主人公がかわいい少女という点だけに惹かれて直感的に購入するのは、止めておいた方が無難です。
光と闇をテーマにしたギミックアクション
少女が冒険する「光を司る塔」には、光と闇をテーマにした、様々なギミックが仕掛けられています。ジャンプやスライディングといった基本操作に加えて、「光る蝶」を操作することによって生まれる、光と闇を駆使して攻略に挑むアクションです。ストーリー同様、ギミックの攻略法についても、基本的に説明が存在しないため、いろいろと試しながら察する力が求められました。
構想自体は面白いものの、ギミック自体のバリエーションが乏しく、最初から最後まで似たようなステージが続くのは難点です。本当に必要なのかと疑うほどシンプルなギミックが繰り返し登場するため、短いながらも途中で退屈を感じます。もちろん、ユニークなギミックやボス戦も存在するのですが、とりあえず触ってみたら理解する前にたまたま解ける。攻撃を避けながら様子見をしているだけでボスのHPが減っていく。など、手応えのなさも目立ちました。
時間経過で回復するライフ制を採用している影響で、ギミックを無視して進めてしまう場面も多かったです。道を塞いでいるダメージギミックは、突っ込んでダメージを受けた後の無敵時間中に抜けられるため、大半が形骸化しています。死んでも即座にリトライできるので、アクションを退屈に感じていたこともあって、私は途中からゴリ押しばかりしていました。
少女の強化につながる収集・育成要素
「光を司る塔」には、メインストーリーに関係するステージ以外に、収集品が手に入るエリアが存在します。収集品を集めることによって、闇に飲み込まれてしまった町の人を復活させることが可能です。さらに、町の人が困っていることを解決すると、少女を強化するアイテムがもらえるため、間接的に育成要素とひも付いていました。
少女の育成要素は、宝箱や町の人から手に入れたアイテムを消費することによって、選んだ能力を伸ばせる仕組みとなっています。能力は、最大HP増加や攻撃力強化など、全部で5種類です。例によって細かい説明はなく、最大HP以外は数値的な上昇を確認できないため、1段階上げた程度では明確な違いを感じられません。最大HPが増加することによって、前述したギミックのゴリ押しが楽になるとはいえ、元々高い難易度でもないので、オマケ程度の育成要素という感触でした。
さいごに
プロモーションムービーなどから、自分好みの作品だと感じて購入しましたが、余り楽しめませんでした。約1,000円のロープライスとはいえ、2.5時間のボリュームと中身の薄さから、少し割高に感じたほどです。コンセプトや雰囲気は悪くないものの、面白さにつながっていないのが惜しいと感じる作品でした。