【Neon Boost | Steam】評価・レビュー 自身を吹き飛ばしてステージを駆け抜ける3Dアクション

総評
ロケット弾で自分を吹き飛ばしながら進む、ユニークな3Dアクション。様々なテクニックを駆使して、制限時間内に、ゴールを目指す作品です。高難易度ながら、辞められない面白さを秘めています。
良かったところ
爽快なロケットアクション
刺激的なテクノサウンド
5
A+
ジャンル アクション(プラットフォーム・ゲーム)
ハード Steam
発売日 2019年5月20日
発売元 Sample Text Studio
開発元 Sample Text Studio
公式サイト リンク
プレイ時間 クリアまで2時間

 Sample Text Studioがおくる3Dアクション「Neon Boost」のレビュー記事です。

 ロケット弾で自分を吹き飛ばしながら進む、ユニークなゲームデザインの本作。軽快なテクノサウンドが流れる中、ジャンプやウォールランなどのアクションを駆使して、ステージ最奥のゴールを目指します。

 ネオンがきらめく全36ステージで構成されており、様々なギミックや即死トラップが設置されていることから、全体的な難易度はかなり高めです。残機無制限とはいえ、心が折れそうなくらいリトライを繰り返すことになります。慣れてくると爽快な面白さを秘めているとはいえ、クリアするには高いプレイヤースキルを求められる作品でした。

 なお、本作はSteamにて無料配信されており、誰でもダウンロードしてプレイすることが可能です。

ロケットジャンプで駆け抜ける3Dアクション

 ゲームの基本は、キャラクターをジャンプさせて足場を飛び移っていく3Dアクション(プラットフォーム・ゲーム)です。ジャンプやウォールランなど、様々なアクションを駆使して、ゴールを目指します。プレイヤーは、ロケット弾を発射することが可能ですが、敵を倒しながら進むのではなく、自身を爆風で吹き飛ばす「ロケットジャンプ」をうまく使うのが攻略のポイントとなっています。

 爆風で飛ぶといっても、キチンとした物理演算ではありません。爆風の範囲内に自機が含まれれば、問答無用で上に飛ぶ仕様です。通常のジャンプと組み合わせた大ジャンプや、ジャンプがギリギリ届かない場面で足場の側面に打ち込んで空中ジャンプなど、「ロケットジャンプ」活用の幅は、かなり広く作られていました。

全36ステージで構成されたネオンきらめく世界

 本作には、各12ステージで構成された、3つの世界が存在します。ステージの構造やギミックは様々ですが、全てにおいて共通しているのは、非常に難易度が高いことです。足場から落下すると死んでしまうのはもちろん。触れるだけで即死のトラップも各所に設置されています。幸いなことに、残機無制限でゲームオーバーはないものの、クリアまでには心が折れそうなくらいリトライを繰り返すことになりました。

 ゴールにたどり着くだけでも難しいのですが、次のステージへ進むには、規程の時間以内に到着する必要があります。時間を超えても死亡にはならないため、ゆっくりとステージを確認することはできても、クリアを目指す際は常にタイムアタックです。各世界の最終ステージは難関となっており、時間を掛けたプレイが許されないギミックも設置されているため、死にながら慣れるしかありませんでした。

 3つの世界はギラギラとネオンがきらめいており、一見すると目に優しくはないものの、実はプレイヤーに対しては優しい世界となっています。なぜかといえば、ネオンが消えると世界は暗闇に包まれてしまうからです。「ライトオフ」のステージは、少し先の地形すら分からなくなるため、ステージの構造を覚えていなければクリアは困難でした。ただでさえ難しい難易度の、更に上を求める人に向けたハードモードも完備です。

苦戦しながらも辞められない面白さ

 タイムアタックを要求するゲームなので、テクニックを覚えるほどクリアしやすくなっていきます。直進よりも、前進と横移動のキーを同時押しした斜め移動の方が早い。スライドを行うと一時的に加速したあと減速する。斜め移動と加速にジャンプと爆風を良いタイミングで組み合わせると、とんでもない大ジャンプが発生するなどです。操作は忙しいですが、全てを使いこなせば、ステージを華麗に駆け抜けられます。

 実のところ、遊び始めた当初は、余り評価がよくありませんでした。難易度は高いし、操作は難しいしで、少しストレスを感じながらプレイしていたほどです。しかし、苦戦しながらも辞められない面白さを秘めており、アクションに慣れるにつれて、爽快なプレイが楽しめました。クリアが困難なだけあって、達成感も格別です。特に、苦戦した各世界の最終ステージでは、ゴールにたどり着いた瞬間にガッツポーズで喜ぶほどでした。

 うまい工夫だと感じたのは、ステージに流れるテクノサウンドが、操作しているときだけ流れる仕様です。手を止めて待機すると音楽も止まってしまうので、ついついノンストップで操作してしまいます。リトライ時も同様で、動いている方が気持ちいいため、続けての挑戦を引き起こしていました。プレイヤーを疾走感に乗せるすばらしい仕組みです。曲数は少ないものの刺激的な曲がそろっており、SoundcloudでOSTも公開されています。

さいごに

 RTAイベントの解説を行うため、予習目的でのプレイでしたが、最終的にはお気に入り作品の1つになりました。冒頭でも書いたとおり、Steamで無料配信されているので、高い難易度と爽快なロケットアクションに興味の湧いた方は、是非プレイいただけるとうれしいです。