【メタリックチャイルド】評価・レビュー 派手なビジュアルとシビアな難度が際立つローグライト・コアアクション

総評
小さな女の子が、巨大な武器を振り回すビジュアルが際立つローグライト・コアアクション。ワンパターンなステージ構成には退屈を覚えたものの、歯ごたえのある難度やスピーディーに進む探索など、魅力を感じる部分も多い作品でした。
良かったところ
ロナのかわいさが光るバディストーリー
2種類のコアを組み合わせた強化要素
豊富な難易度選択と救済措置
悪かったところ
ワンパターンなステージ構成
散見されるバグ・不具合
3
B
ジャンル ローグライト・コアアクション
ハード Nintendo Switch
Steam
発売日 2021年9月16日
発売元 CREST
開発元 STUDIO HG
公式サイト リンク

 STUDIO HGがおくるローグライト・コアアクション「メタリックチャイルド(METALLIC CHILD)」のレビュー記事です。

 宇宙船で戦うロナと、地球から遠隔操作を行うプレイヤーによるバディストーリーが展開される本作。小さな女の子が巨大な武器を振り回す、ロマンあふれるビジュアルに対して、中身は慎重な立ち回りが要求されるシビアなアクションです。覚えなければならないシステムが多く、基本は高難度ですが、ストーリー目当ての人に向けた救済措置も用意されており、幅広いプレイヤーが楽しめる内容でした。

 ワンパターンと感じてしまうステージ構成や、散見されるバグ・不具合が惜しいと感じたものの、魅力を感じる部分も多い作品です。

遠隔操作でロナを助けるバディストーリー

 反乱を止めようとして破壊されたメタリックチャイルド「ロナ」と、地球にいるプレイヤー。2人が通信でつながるところから始まる物語は、プレイヤーが遠隔操作してロナが戦う、変則的なバディストーリーです。協力体制を築いた2人は、地球へ落下する宇宙船を止めるため、他のメタリックチャイルドたちに戦いを挑みます。戦いを通して地球を救うと同時に、反乱の真相が明らかになっていく物語です。

 プレイヤーが操作するとはいえ、1人のキャラクターとして意思疎通が行えるロナのかわいさは必見です。特に、小さな女の子が巨大な武器を振り回すビジュアルには、ロマンがあふれています。放置していると、カメラに対して手を振る挙動なども用意されており、過酷なストーリーの中で癒やされる場面もありました。

 敵対するメタリックチャイルドも10種類以上で、いずれもかなり特徴的な性格や設定が用意されています。それぞれの出番は、ボス戦だけと僅かながらも、セリフは全てフルボイスです。ストーリーや世界観を補足する資料なども、アンロック形式で多数存在しており、想像していた以上に奥深いストーリーが楽しめました。

慎重な立ち回りが要求されるローグライトアクション

 ゲームの基本は、ランダム生成されたフロアを探索して、強化アイテムや武器を獲得していくローグライクです。各部屋で待ち受けている敵を殲滅しながら進み、最終フロアにいるボスを倒せばステージクリアとなります。1度に受けるダメージは小さいですが、回復手段も乏しく、細かいダメージが累積して死に至るゲームデザインでした。大きな武器を振り回す派手な見た目に反して、中身は慎重な立ち回りが要求されるアクションです。

 ミニマップは雰囲気重視で視認性が悪いものの、探索済みのエリアなら、自由にワープできる仕様が好感触でした。同じ場所を何度も移動する場面はほとんどなく、常に新規エリアを進むため、スピーディーな探索が楽しめます。1度の戦闘で登場する敵は少なく、代わりにフロアの部屋数が多いため、戦闘開始と殲滅のテンポも軽快でした。

 各ステージの最終フロアで待ち受けているのは、敵対するメタリックチャイルドとの決戦です。相手によって攻撃方法や挙動が異なるだけでなく、ステージ自体に仕掛けがあったり、2D風のカメラワークになったりします。一定のダメージを与えると「セカンドギアモード」に変形するなど、緊張感とテンションが高まる演出も用意されていました。

 選べる難易度は、[STORY]/[EASY]/[NORMAL]/[HARD]の4段階。少しシビアなゲームデザインから、[NORMAL]以上の難度だと、爽快感は控えめでした。アクションが苦手な人や、戦いに爽快感を求める場合は、[EASY]以下でのプレイを推奨です。[STORY]には絶対に死なない「無敵モード」も用意されており、手に汗握る戦いから、誰でもクリアできる救済措置までそろっていました。

探索中の強化を担う2種類のコアシステム

 探索中に行える強化の中心は、2種類のコアシステムです。時間制限のある短期的な強化「ミニコア」と、ステージクリアまで永続的な強化「スーパーコア」をインストールして、ロナを強化します。「ミニコア」を同時に3つインストールすると発動する強化「コアコネクト」もあって、なるべく多くの「ミニコア」を維持しつつ、「スーパーコア」を積み重ねるのがステージ攻略の基本でした。

 「ミニコア」「スーパーコア」の効果は、数十種類からランダムで出現するため、狙った物をインストールするのは困難です。頻繁に入れ替わる「ミニコア」、4つの中から選択していく「スーパーコア」の強化内容に合わせて、臨機応変に戦い方を変えるのも醍醐味の1つでした。「ミニコア」の中には、様々な問題が発生する「バグコア」も存在しており、時には過酷な状況を耐え忍ぶ場面もあります。

 戦闘終了時に一定確率で出現する「ミニコアチャージャー」を使えば、「ミニコア」の強化と残り時間のリセットが行えます。強力なコアを獲得した場合、アップグレードを繰り返して、長時間の維持を狙うのも戦略の1つです。とはいえ、時間制限は短めに設定されており、強力なシナジーを持った武器・コアと、プレイヤーの運がそろわなければ、同じ「ミニコア」で戦い続けるのは困難なバランスでした。

ワンパターンなプレイになりがちなステージ構成

 ゲームは8ステージ+特殊ステージで構成されており、どのメタリックチャイルドから攻略するかはプレイヤーの自由です。ステージによって敵やギミックは異なるものの、最終ステージを除いて、難易度に大きな差異はありません。探索率100%を達成しながら進めていくと、1ステージクリアに掛かる時間は40~50分。最終的なボリュームはプレイヤースキルと難易度に左右されますが、10時間以上は遊べる内容です。

 ステージごとに特徴が用意されているとはいえ、基本的なプレイの感触は同じで、中盤を過ぎたあたりから退屈を覚えたのは残念でした。「ミニコア」「スーパーコア」の状況次第で戦闘自体にはメリハリが生まれるものの、ずっとコアの管理と戦い方の調整では飽きてしまいます。立ち回りに慣れてくると、ほぼ同じ操作の繰り返しです。NPCによるクエストや、搭乗兵器も存在しますが、アクセントとしては今ひとつでした。

 開始時点での強化要素が乏しく、何ステージ目でも開幕の状況が同じという点も、成長感がなくてワンパターンです。アップグレード要素は存在するものの、伸ばせる項目は地味で、上昇量も控えめでした。ボスを倒して獲得できる「MCスキル」も使用制限が厳しく、積極的な活用はできません。難易度担保のため、仕方ない部分かとは思いますが、もう少し工夫があるとうれしかったです。

バグ・不具合が多く今後の修正に期待

 インディーゲームとしては、かなりクオリティの高い本作ですが、バグ・不具合に関してはインディーらしい出来映えでした。戦闘中、敵に押し出されてフロア外に出てしまったり、敵のHPが0になっても死なずに戦闘が終了しなかったりといった感じです。特定の武器を獲得する際、処理に失敗してフリーズする場合もあって、不安定さが目立ちました。

 幸いなことに、フリーズなどで探索が中断されても、フロア開始時から再開できる機能が用意されています。ただし、HPは据え置きでミニコアを全て失ってしまうため、状況によってはクリアが困難になるパターンもありました。私がプレイしたバージョンでは、クリアすると確定でエラー落ちするステージもあって、デバッグは甘めの印象です。

 配信2日目でパッチが配信されるなど、フットワークの軽さは見受けられるので、早期の修正と安定化に期待したいところです。

さいごに

 目立った部分に絞って特筆したものの、記事で触れたゲームシステムやコンテンツは半分程度となっており、語り尽くせないほどの複雑さを秘めています。とはいえ、全てが面白さにつながっている訳ではなく、雑多に感じる部分もあって、高評価には今一歩届かない作品でした。