【ライトニングリターンズ:FF13】評価・レビュー ※ネタバレ注意

総評
ストーリーの盛り上がりに欠けたものの、バトルシステムの評価は高いシリーズ完結作
良かったところ
150を超えるメインクエスト・サイドクエスト
アクションとコマンドバトルが融合したバトルシステム
悪かったところ
独特の設定・キーワードが多く困惑するストーリー
3
B
ジャンル RPG
ハード PlayStation3
発売日 2013年11月21日
発売元 SQUARE ENIX
開発元 SQUARE ENIX
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで40時間

 初回、ノーマルモードでクリアまで40時間。サイドクエストを140個ほどクリアしていたので、割とじっくりプレイだったと思います。

ノーマルとイージー、1周目の難易度に関して

 序盤はゲームシステムに慣れておらず、時間から常に追われていると言う息苦しさを感じていた。そのせいで”イージーを選んだ方が楽しめたか?”と心配になっていたのですが、中盤以降は時間を操作できるようになって余裕が発生。10日目くらいには時間を止め放題で、1日が実質2-3日になって時間が余ってしまうほどでした。

 要は、特殊なシステムが揃っているFF13-3の世界を、如何に効率良く巡れるかが攻略の鍵です。クリアした今ならば、普段からよくゲームを遊ぶ人だったら初回ノーマルでも問題は無いと感じます。慣れれば割と簡単な仕様。そうは言っても、もし今から遊ぶという人を見かけたらイージーを勧めてしまう作品ですけどね。

150を超えるメインクエスト・サイドクエスト

 最終日を除いて全てクエスト形式になっており、お使いゲーム状態。最初は抵抗も有ったけど、「最後の13日間」と言う世界観にマッチしているシステムで、途中からは熱中して遊んでいました。クリアする頃には全マップのNPCや敵の分布、細かい地形を自然に覚えるほどで、本当に世界の隅々まで探索を進める13日間でした。

 システム上、攻略等を見ながら遊ぶと探索が不要になって難易度が激減。単なる作業ゲームになるので、攻略を見ずに自力で隅々まで探索してこその魅力・面白さが有ります。時間帯によって進められるクエストが違うので、1日の開始前にイベント一覧を確認して、行動スケジュールに頭を悩ませるのも楽しかったです。

アクションとコマンドバトルの融合で面白いバトルシステム

 3つのスタイル・ATBゲージを駆使して戦う、ソロバトルだけど決してシンプルでは無い、斬新なバトルシステム。ボス戦では細かい操作が命運を分けるので、RPGながらもアクション要素が強めでした。ノックアウトさせないと上手く倒せない敵が多く、力押しが通じにくいので情報収集が重要。反面、慣れてくるとサクサク倒せるから爽快感は高かったです。

 敵の種類は決して多く無いですが、あまり多すぎると倒し方を覚えるのが辛いので若干少ないくらいが丁度良い。雑魚敵を一定数倒すと特殊な敵「ラストワン」が出現して、倒せば種族が絶滅する要素も有るので狩り尽くす魅力も有りました。戦略性・爽快感・モチベーション維持が全部揃っているバトルシステムとなっており、本作中でも最大の高評価ポイント。

相変わらず独特の設定・キーワードが多くて困惑するストーリー

 シリーズでストーリーは続いていますが、上手くやれば独立した1作品でも作れたのでは?と感じる内容。思い出補正を無視するなら、シリーズ初プレイでも問題は有りません。むしろ、前2作品をプレイ済でも少し付いていけない部分が多い。過去を振り返る以外は、ほぼ全編をライトニング視点で進行させる事に拘りを感じる、ライトニングさんを通じて世界を見る物語。

 基本的には1人旅だけど、常にホープ君と無線の会話が発生するので淡々としたプレイにはなりません。雑談や笑いを取ってくる内容も多いので、終末が近い割には堅苦しくなりすぎないのも良かった。ただ無線は優先度が低いので、戦闘やイベントが発生すると途切れるのが残念。ゆっくり聞いてると時間が経過するし、バックログ機能が欲しかったです。

3部作まで続けた上に終盤が冗長で、盛り上がりに欠けた結末

 いざ最終日!と言う所で唐突に発生するロスタイム1日。敵を倒しても経験値を得られないのに、長々と道を行くラストダンジョン。散々引っ張ってきたので、もうラスボス以外は全てムービーの方が盛り上がったと思います。加えて、ラスボス直前に超強力武具が手に入るお膳立て付きでラスボスが弱く、最後の最後で肩透かし。

 3部作で語る長かった作品にしては、どちらかと言えば王道的な結末。こう言う展開で締めるなら、捻りに捻った演出や難解な設定では無く、もう少しシンプルで解りやすい構成の方が好みでした。「FF13-2」を挟んで作った「FF13-3」のエンディングより、「FF13」クリア時点の方がスッキリした気分も有ったので、蛇足と言う感じもぬぐいきれません。

エンディングが1つだけと言う点は本当に嬉しかった

 「FF13-2」の真エンディングがある意味トラウマなので、クリア=唯一無二のエンディングで安心。クリア後は強くてニューゲーム、限界突破や武器改造要素も2周目からとなっており、1周目では難しいトロフィー取得のやりこみ要素です。自分は1周目を満足行くまで遊んだし、トロフィーには興味が無いので周回プレイには触れません。

 いまいち盛り上がりきれなかったストーリーとは言え、4年間を掛けたライトニングさんの物語も終幕。振り返ってみると、3作ともバトルシステムが面白かったのが印象的でした。ストーリーに関しては、もう少し掘り下げて知れば見え方が変わるかもしれないので、アルティマニアの発売が楽しみです。