ジャンル | SFサバイバル・アクションアドベンチャー |
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ハード | PlayStation 4 |
発売日 | 2017年10月19日 |
発売元 | バンダイナムコエンターテインメント |
開発元 | Granzella |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで8時間 |
巨大な影の脅威から生き延びる、SFサバイバル・アクションアドベンチャー「巨影都市」のレビュー記事です。
「ウルトラマン」や「ゴジラ」といった、有名な巨影が数多く登場する本作。しかし、主人公は巨影たちによって巻き起こる脅威に対抗するヒーローでも、英雄でもない、ありふれた一般人という異色のゲームです。
あらがいようのない脅威にさらされながら、膨大な量の選択肢を決断していくことによって、プレイヤーだけのドラマが紡がれていきます。
残念ながら、処理落ちやローディングが酷かったり、元作品によってゲーム内に登場する頻度の差が大きかったりと不満点も多いのですが、ちょっと馬鹿なネタゲーとしては面白い作品でした。
目次で流し読み
無力な一般人の視点であらがうストーリー
物語の主人公は、舞台となる街に住んでいる一般人です。少し特殊な能力っぽい物に目覚めるものの、それで巨影をどうにかできるといった類の物ではありません。
もちろん、巨影同士の戦いに介入できるわけもなく、基本的には足下を逃げ惑うしかできない存在です。たとえ巨影が正義の味方だったとしても、下敷きにされたり戦いに巻き込まれたりすると人間は死んでしまいます。
巨影に蹂躙される都市では、人間同士による争いや出会い・別れなど、等身大のドラマも用意されていました。主人公が一般人ということから、全てを解決して完結といった気持ちの良い展開ではありませんが、いまだかつてない極限状態の中でしか体験できないようなストーリーでした。
ステージごとに登場する巨影が変わるゲーム構成
「ウルトラマン」「ゴジラ」「エヴァンゲリオン」「ガメラ」「パトレイバー」、大きく分けて5つの作品から登場する巨影は、ステージごとに切り替わっていきます。
一見すると壮大なコラボレーションのように見えますが、別作品の巨影が同じステージに登場することはありません。ステージ1は「ウルトラマン」、ステージ2は「ガメラ」といった風に、ステージで切り分けられていました。
作品によってスケールが大きく違うことや、明確な善悪が決まっていない作品もあるため、勝った負けたを付けにくいなど、様々な事情があるのかと思います。
明確に切り分けている分、全ての作品を知らなくても楽しめるメリットもありました。ステージによっては原作シーンを再現した演出も用意されているので、その作品が好きな人にとってはうれしいこと間違いなしの展開が盛りだくさんです。
作品によって登場回数の差が大きい点に注意
5つの作品から巨影が登場する本作ですが、登場回数には大きな差がありました。最も多いのが「ウルトラマン」で、次いで「ゴジラ」「ガメラ」「エヴァンゲリオン」「パトレイバー」の順番です。
「エヴァンゲリオン」は回数が少ないものの、全て原作シーンを再現しているため、逃げる足を止めて魅入ってしまうようなステージばかりでした。
最も登場回数が少なかった「パトレイバー」に関しては、ガッカリとしか言いようがありません。登場するステージは2つしかなく、序盤と中盤に1回ずつで終了です。
盛り上がる演出どころか、オープニングに映っている[イングラム vs グリフォン]もゲーム内には存在しません。購入の決め手が「パトレイバー」の参戦だった私としては、かなり納得のいかない出番の少なさになっていました。
作品の印象を大きく変える膨大な選択肢
巨影と並んで大きな魅力と感じたのは、膨大な数の選択肢でした。事あるごとに選択肢が用意されているだけでなく、真面目な回答からネタ系の回答まで種類も豊富です。
選択すると主人公がボイス付きで行動するため、ネタ系回答の絵面には思わず笑ってしまう物も多かったです。真面目系で進むか、ネタ系で進むかによって印象が大きく変わるため、私は男女で2周回して選択肢を堪能しました。
その場限りの展開だけでなく、選択肢によっては序盤の選択が後半のイベント発生につながるといった物もあります。
また、特定の回答を選ぶことによってステージの分岐も発生。マルチエンディングとまでは言えないものの、回答によってエンディングも変化するなど選択の影響力は大きかったです。
スクリーンショットを撮るのが楽しいゲーム
約8時間というボリュームの作品でありながら、巨影や選択肢といったネタが多いため、プレイ終了までに撮影したスクリーンショットは数百枚になっていました。
巨影が近くにいる状態では、巨影カメラに切り替えることによって、視点を巨影にクローズアップすることも可能です。ついつい巨影ばかり見ていると、周囲への注意不足で死んでしまうこともあって、リアルな一般人視点を体感しました。
私はキャプチャーボードを使って撮影しましたが、ステージクリア時のリザルト画面でニュース記事形式のハイライトを閲覧することもできます。
記事に使われている画像はそのままPS4のシェア機能で流せるので、巨影やネタ画像を共有しやすい作りになっているのは親切な設計でした。
激しい処理落ちと長いローディングは残念
広いマップに多くのオブジェクトを配置している影響からか、処理落ちを感じる場面が多かったです。ステージによってはゲームが止まるのではないかと心配になるほどでした。
また、ステージ開始時のローディングに1分前後掛かることに加えて、死亡時のリトライでもローディングが発生します。
巨影の脅威によって何度も死んでしまうゲームなので、これら2つは大きなストレス要因となっていました。
さいごに
一般人視点で巨影の脅威にさらされるといったコンセプトや、豊富に用意された選択肢などは評価が高いものの、同時に処理落ちやローディングといった回避できない不満点も多かったです。
ちょっと馬鹿なネタゲーと割り切って遊ぶ分には大いに楽しめるので、「ゴジラ」や「ウルトラマン」が好きで、公式サイトなどを見て直感的に面白そうと思った人におすすめの作品でした。