ジャンル | 運命覚醒ダンジョンRPG |
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ハード | PlayStation3 |
発売日 | 2014年9月25日 |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
開発元 | 日本一ソフトウェア |
公式サイト | リンク |
日本一ソフトウェアの作品とは思えない底の浅さ。神様シリーズ第2弾「神様と運命覚醒のクロステーゼ」は、前作にあたる「神様と運命革命のパラドクス」と同じ世界観で展開されるローグライクゲームです。ジャンルは同一ながら、ゲームシステムに大幅な変化が加えられた本作。これで面白さが進化していたなら良かったのですが、何故か前作よりつまらなくなっている残念な作品でした。
「究極の選択」を主軸にしたシリアス路線のストーリー
イベントは全てアドベンチャー形式で展開。天使と悪魔の戦争が行われているなか、神様となった主人公の選択によって、自身や周りの運命が左右される「究極の選択」が重要な要素となっています。かなり残酷な結末に繋がることも有るため、プレイヤーは作中で何度も悩ましい決断を迫られることになります。
過酷な状況以外にも、イベントの際にヒロインを選ぶ「究極の選択」が発生。天使と悪魔。容姿や性格が大きく違う2人からどちらを選ぶのか、こちらも違う意味で悩ましい。王道ストーリー×究極の選択で、ひと味違ったアドベンチャーを楽しめたことから、ストーリーだけは好評価でした。
ボリュームは有るけど中身はミニゲームレベルのダンジョンパート
攻撃力が高く、近距離スキルの多い天使形態。防御力が高く、遠距離スキルの多い悪魔形態。2つの形態を使い分けて攻略を目指すのが魅力のダンジョンパートは期待外れでした。折角の特徴を制作側自らが台無しにしているバランス調整。同じことを繰り返すだけの退屈な操作など、作り込みがかなり甘かった。
自身の性能が変化する2つの転神に対して、敵との相性属性が存在。悪魔系には天使形態・天使系には悪魔形態で補正を得ることが出来ます。この補正量が異常な数値となっており、前述した形態の特徴なんて忘れるレベルです。何も考えずに相手の反属性に転神して殴っておけば安定と言っても良いでしょう。
もちろん転神も無限に続くわけでは無く、行動する度にSPを消費します。転神状態での戦闘が基本となるため、SPは可能な限り節約しなければなりません。基本プレイスタイルは、敵と出会ったときだけ転神・倒したら解除の繰り返しです。それだけで最後まで行ける難易度なので、眠くなりそうな作業プレイでした。
「育成要素」と呼んでもいいのか迷うほどシンプルな育成要素
日本一ソフトウェアの作品と言えば、多彩な育成要素はお家芸。あまりの複雑さに『面白けど疲れる』と感想を漏らした前作は忘れられません。それに対して神クロのシンプルな育成要素は拍子抜けでした。補正数値を合算させるだけしか出来ない「武具強化」なんて、育成要素と呼べるほどのモノですらありません。
転神時の性能を強化する「結晶育成」では、2つの形態のどちらに重点を置くか選択する自由が有ります。しかし、強化しなければスキルを取得出来ない点や、前述した属性補正の関係で、片方だけに特化するメリットが見当たらない始末。普通にプレイするなら均等強化以外に考えられない、思考停止のカスタマイズです。
さいごに
ストーリーが楽しめただけに、ダンジョンパートはオマケ以下。カスタマイズ項目が多すぎて噛めば噛むほど味の出る前作に比べると、いくら噛んでも味のしない薄っぺらい作品と言う印象しか持てませんでした。いっそのこと、アドベンチャーゲームとして作った方が面白かったのでないでしょうか……
本当のオマケである「後日談」も、アドベンチャーパート以外は雑魚しかいないダンジョンを攻略するだけで終了。「ハルヒ」「シャナ」とのコラボは会話だけです。話題性だけのやっつけ仕事で、あっと言う間に終わります。最後まで、これは本当に日本一ソフトウェアのゲームなのか疑ってしまう作品でした。