【Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ ドーン) | PS4】評価・レビュー

総評
プレイヤーの何倍も大きな機械獣たちを相手に、多彩な武器や戦略を駆使して戦うハンティングが大きな魅力のアクションRPG。メインストーリーに物足りなさはあったものの、豊富なサブクエストや美しく広がる世界など、すばらしい部分も多い作品です。
良かったところ
美しく広大なオープンワールド
闊歩する多種多様な機械獣たち
戦略性に富んだハンティング
豊富に用意されたサイドクエスト
悪かったところ
説明調で物足りないストーリー
単調になりがちな人間との戦い
3
B
ジャンル オープンワールド・アクションRPG
ハード PlayStation 4
発売日 2017年3月2日
発売元 ソニー・インタラクティブエンタテインメント
開発元 Guerrilla Games
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで23時間

 文明崩壊後の世界を描いたオープンワールド・アクションRPGHorizon Zero Dawn」のレビュー記事です。

 美しく広がる世界と、そこを闊歩する機械の獣たちが目を惹く本作。プレイヤーの何倍も大きな機械獣たちを相手に、多彩な武器や戦略を駆使して戦うハンティングが大きな魅力の作品です。豊富なサブクエストや遺物集め、トレハン要素を含んだ武器の改造といったシステムが、さらに面白さを彩ります。しかしながら、メインとなるストーリーが今ひとつだったのは残念でした。説明調で冗長な物語や、人間を相手にした退屈な戦闘が多く、盛り上がりに欠ける内容となっています。

機械獣たちが支配する美しく広大なオープンワールド

 プレイヤーが旅をするのは、街や集落から1歩でも外に出ると、多種多様な機械獣が闊歩している過酷な世界です。地域によって雪山や荒野といった光景が広がっており、時間経過による昼夜の変化で、多彩な景色を見せてくれます。各地には、遺跡やイベントポイントが点在しており、素材アイテムなどを収集しながら歩みを進めていくだけでも、楽しく感じられました。

 移動可能な範囲はかなり広く、端から端まで歩いて移動すると、数時間は掛かってしまう広大なフィールドが用意されています。既に訪れたことのあるセーブポイントや街へのワープ機能はもちろん。新しい地域に赴く場合には、騎乗できる機械獣を使役して乗り物にするなど、便利な移動方法がそろっているので、特にストレスを感じることなく旅路を楽しむことができました。

武器やトラップを駆使して機械獣と戦うハンティング

 多くの機械獣は、素早い動きと強力な攻撃手段を持ち合わせています。さらに、群れを形成しているため、真正面から挑むと苦戦は必至です。時には静かに忍び寄って、気づかれないように数を減らしたり、時にはトラップを張り巡らせて誘い込んだりと、戦略的な戦いが要求されます。機械獣は種類ごとに弱点となる部位や属性が異なるため、サーチによる情報収集や分析も重要です。

 ハンティングに使用する武器やトラップは、槍を除いて、全て矢弾を消費して攻撃を行います。矢弾を補充するには素材が必要となっており、機械獣の残骸やフィールドから収集することが可能です。効率良く倒していけば、矢弾に困ることはない反面、無駄撃ちを繰り返してしまうと、すぐに素材が尽きてしまうため、1発1発の攻撃に緊張感が走ります。

 倒した機械獣から素材を回収しながら戦いを繰り返し、まれに入手できる希少な素材を元に武器のグレードアップや改造を行うサイクルで、プレイヤーは成長を遂げていきます。序盤は1体倒すだけでも苦労していた大型の機械獣が、強化やプレイヤースキルの向上によって、いつの間にか余裕を持って狩れるようになる、自身の成長を感じられる絶妙なバランスも面白さの1つでした。

豊富に用意されたサイドクエストや収集・探索要素

 広大なフィールドには、メインストーリー以外にも数多くのサイドクエストが用意されています。人捜しから調査、山賊の野営地を襲撃するといった血なまぐさい物まで種類は様々です。本来の目的地から完全に道がそれる寄り道になったり、1つクリアするのに結構な時間が掛かったりしますが、それに見合うだけの報酬が用意されています。

 クエスト以外にも、フィールドには過去の遺物や遺跡が点在しており、収集や探索を行うことで希少なアイテムを入手できます。メインストーリーに直接は関係ないため、無視して進むことも可能ですが、全ての要素を楽しみたい方には、遊びがいのあるやり込み要素になっていました。

説明調で分かりにくい盛り上がりに欠けたストーリー

 どうして文明は崩壊したのか。機械獣たちはどこからきたのか。世界の謎が解き明かされるメインストーリーは、全体的に今ひとつの内容でした。全体的に説明調で展開される会話は、元からなのかローカライズ不足なのか、冗長で分かりにくい言い回しが続きます。移動中に発生した会話が途中で他の会話に上書きされてしまい最後まで聞けないといった場面も多く、会話が発生するたびに足を止めなければならないというのも不満でした。

 また、メインクエストで行う戦闘の多くは人間との戦いとなっており、単調になりがちな点も気になりました。基本的にはヘッドショットを繰り返すだけなので、機械獣との戦いのように盛り上がることもありません。一応、ストーリー専用の機械兵器も登場するのですが、種類が少ないため、クリアする頃には見飽きてしまいました。

さいごに

 世界観や機械獣との戦いは良かったものの、中核を成しているストーリーが今ひとつだったため、クリアしてみると物足りなさを感じました。ストーリーを含めて楽しみにしていたので、少し残念な評価です。ただし、全ての要素をコンプリートするほど世界を堪能するプレイスタイルなら、魅力的な要素が豊富にそろっており、何時間でも楽しめそうだと思える作品でした。