ジャンル | シミュレーションRPG |
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ハード | PlayStation4 |
発売日 | 2017年7月13日 |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
開発元 | 日本一ソフトウェア |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで30時間 |
マップを破壊して素材を集め、拠点をカスタマイズする新感覚SRPG「ハコニワカンパニワークス」のレビュー記事です。
クラフティングとSRPG、異なる2つのジャンルを大胆に組合せた本作。コンセプトとしては面白く、SRPGパートで素材を集めて、クラフトパートでキャラクターを強化するサイクルは、とても良い発想です。しかし、全体的に粗が目立つクオリティに加えて、異なるジャンルを融合させるための工夫が足りないのは残念でした。手間と時間ばかり掛かってしまい、ストレスを感じることの多い作品です。
目次で流し読み
依頼達成のため素材収集に明け暮れるストーリー
カンパニーのオヤカタとなった主人公は、サポート役のメメと一緒に、人々からの依頼を達成して世界一のカンパニーを作るのが目標です。家を建てたり、橋を架けたり、中にはピラミッドを建築するといったトンデモ依頼も存在。素材を求めて、プレイヤーは様々なマップを駆け巡ることになります。
同時に発生する依頼は1つだけで、依頼の選択やサブクエストといった要素もないため、プレイヤーのやることは基本的に一本道です。新しいマップでは1度目にイベントが発生するものの、2度目以降は何も起こらないため、ボリュームの大半は素材集めに費やされてしまうストーリーでした。
テンポが遅くて必要以上に時間の掛かるSRPGパート
まず初めに、インターフェースの使い勝手がとても悪く、操作に手間取ることが多かったです。SRPGとしての基本的な移動・戦闘に加えて、ブロックで構成されたマップの破壊や、収集した素材に関する操作を組み込んでいるとはいえ、もう少し遊びやすく工夫できなかったのかと不満が残ります。
操作が煩わしい中、キャラクターの移動やスキルの範囲が、マップサイズに見合わない点も気になりました。目的の素材が用意されている場所まで移動するだけでも一苦労。素材を持ち帰るためには全キャラが脱出ポイントまで移動しなければならないため、1度の収集に時間が掛かってしまいます。
敵味方ともに演出スキップ機能がなく、戦闘自体も長くなりがちです。エネミーターンでは、エネミーが何もせずに行動終了するだけで、1体につき1~2秒の待ち時間が発生。エネミーの数だけ待ち時間は増えていきます。また、エネミーターンは遠景のトップビュー固定になるため、プレイヤーは何が起こっているのか分かりにくいことも、待ち時間が長く感じてしまう要因になっていました。
活用するほどにストーリーが進まなくなるクラフト&育成システム
拠点をカスタマイズすることで、主人公や仲間を強化できるクラフトパート。本作にはレベルが存在しないため、キャラクターの強さは全てクラフトに依存しています。インテリアごとに強化値が設定されているだけでなく、組合せによってボーナスも発生するので、試行錯誤が求められる要素です。
しかしながら、クラフトに使用する素材と、依頼を達成するために必要な素材が共通となっており、クラフトで遊びすぎるとストーリーが進みません。依頼では、古い素材を使ったアイテムを要求されることも多いため、気軽にクラフトしにくいゲームデザインです。かといって、ストーリーを放置してクラフトを堪能しようにも、ストーリーを進めなければレシピが増えないジレンマでした。
SRPGパートの戦闘は難易度が低いため、ストーリーを円滑に進めるだけならばクラフトに注力する必要はありません。手に入りやすい材料で作成できるコストパフォーマンスの高いアイテムで埋め尽くすだけで、容易にクリア可能です。クラフトに力を注ぐほど、逆にストーリーの進行が遅くなってしまうため、クラフティングとSRPGの融合どころか足を引っ張り合ってるように感じました。
全体的に不親切でかゆいところに手が届かない作り込み
膨大な種類の素材が存在する本作ですが、依頼に関係する一部の素材を除いて、入手場所をゲーム内で確認することはできません。マップ側の素材情報も、ほとんど役に立たない簡易情報しか表示されないため、プレイヤーはマップに入ってブロックの見た目から入手できる素材を確認することになります。何度も必要になる素材に関しては、頭の中に記憶するかメモを取ることが必要です。
レシピが増えていくと作成できるクラフトは300種類を超えるのですが、フィルタは「作成可能」しか用意されていません。依頼で指定されたアイテムを一覧から見つけるだけでも大変です。また、依頼されたアイテムやクラフトするために必要な素材の情報は拠点でしか確認できません。取りに行く前に何が幾つ必要なのか、しっかり確認しておかなければ二度手間が発生してしまうことも多かったです。
初回封入特典のおえかきパーツ100体セットだけは高評価
ここまで不満ばかり書き連ねましたが、初回特典となっている「おえかきパーツ100体セット」だけはすばらしかったです。日本一ソフトウェアのオールスターがクオリティの高いボクセルアートで再現されています。主人公や仲間に使えるため、特典の有無によって作品の華やかさが段違いです。私は日本一ソフトウェア作品の中でも特に思い入れのある、ラ・ピュセルのプリエで遊んでいました。
さいごに
クラフティングにSRPGを組合せた意欲作ということで期待していたものの、良かったところを挙げるのが難しい作品でした。それどころか、これだけ書いても不満点を書き切れなかったほどです。ちょっとした工夫や調整で面白くなりそうな部分は山ほどあるので、今後のパッチに期待と言いたいところですが、パッチが配信される頃には初回特典が手に入らない可能性が高いのは残念です。