ジャンル | サバイバルホラーアクションADV |
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ハード | Nintendo Switch |
発売日 | 2021年4月15日 |
発売元 | qureate |
開発元 | qureate |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで4.5時間 |
qureateがおくるサバイバルホラーアクションADV「廃深」のレビュー記事です。
不気味な着ぐるみが徘徊する廃ホテルからの脱出を目指す本作。ちょっとHなハプニングなど、かわいいばかりではない、ホラーシチュエーションに置かれた女の子の魅力を堪能できる作品です。配信を題材としていることから、スマホの「ビデオ通話」「ライブ配信」を利用した演出も目を引き、アドベンチャーとしての評価は高いです。
ホラーアクションと銘打ってはいるものの、プレイヤーの感じる恐怖が乏しいのは残念でした。特に、襲いかかってくる着ぐるみがワンパターンなので、慣れると逃走が単純作業と化します。行動範囲に対して、移動速度がゆっくりなので、もどかしさを感じることも多いです。かわいい女の子だけが目当てなら良いですが、ゲーム性に過度の期待は禁物でした。
廃ホテルからの脱出を目指すホラーストーリー
ストーリーは、主人公たちが動画配信のために廃ホテルを訪れるところから始まります。最初こそ、女の子同士の和気あいあいとした雰囲気を楽しめますが、不気味な着ぐるみの登場によって逃走劇に様変わりです。離ればなれになってしまった主人公たちは、襲いかかってくる着ぐるみや、奇怪な現象に苦しめられながらも、合流とホテルからの脱出を目指します。
立ち絵による会話が中心となっているものの、イベントによっては「ビデオ通話」「ライブ配信」といった特殊な演出が用意されている点も特徴的です。探索中のキャラクターや立ち絵のバリエーションも豊富で、乾和音さんのすばらしいキャラクターデザインが際立ちます。かわいいばかりではなく、恐怖にゆがむ表情も真に迫っており、ホラーアドベンチャーとしては好感触でした。
探索中の行動によってストーリーが分岐する、マルチエンディング形式を採用。バッドエンドへ誘導するような仕掛けや、意外な結末もあって、最後まで油断できません。ちなみに、分岐したことに気づかずセーブが行える場面も多く、データをしっかり分けておかないと、大きく巻き戻されてしまう点には注意が必要でした。
お触りもできるちょっとHなハプニング
ホラー作品としてはお約束の、ちょっとHなハプニングも用意されています。廃墟探索に適していると思えない衣装は突っ込みどころですが、事あるごとにサービスショット付きのイベントを見せてくれました。着ぐるみから隠れる際にもパンツが見えるアングルとなっており、しっかりと全キャラクター分が用意されているあたりには、強いこだわりを感じます。
操作可能なハプニングでは、女の子をタッチすることで、反応を楽しむことも可能です。特に制限時間はないので、思う存分に堪能してから、ゆっくりと解決に着手できました。誰が触っているのか疑問を覚えるシチュエーションもあるとはいえ、本作に興味を持つユーザーが求めている物に応えています。もちろん、ギャラリー機能もお触りに対応していました。
ライトを頼りに行う探索と謎解き要素
ホテル内の探索は、スマホのライトを頼りに進む、2D横スクロール形式です。調査ポイントが近くにあると「?」アイコンが表示され、照らすことで調べられるようになっています。調べられるポイント・アイテムは意外と多く、ストーリーの補完やヒントの書かれたメモも存在するため、取りこぼしは厳禁です。中盤以降は行動範囲が広いのに対して、移動速度がゆっくりなので、少しもどかしさを感じました。
謎解きは易しく、脱出ゲームの経験が少ない人でも安心の難易度です。ほとんどの場合、近くにヒントが落ちているので、解き方が分からず困る場面は滅多にありません。探索時間の大半は、移動とアイテム探しが占めていました。持ち運びできるアイテムだけでなく、部屋に置かれている物を利用する場面もあります。マップ情報は最低限のため、どこに何が置かれていたかは、プレイヤー自身が覚えるスタイルです。
ワンパターンになりがちな着ぐるみの襲撃
本作では、探索・謎解きと平行して、襲いかかってくる着ぐるみから逃走する必要があります。着ぐるみの出現はランダムで、鉈を振りかぶっている状態に触れると即死です。ゲームオーバーになってしまうと、最後にセーブ・ロードした場面まで戻されてしまいます。隠れるまで追いかけ続けてくるため、追い詰められないように気をつけながら、柱の裏やトイレまで逃げ切らなければなりません。
ゲームシステムはシビアですが、隠れられるポイントは豊富に用意されており、実際に死んでしまうことは少ないです。着ぐるみの行動パターンは最初から最後まで変わらず、スタミナ要素もないため、対処に慣れると逃走は単純作業でした。複雑なアクション操作を求められても困るのですが、ホラーでありながらドキドキする場面がなかったので、もう少し工夫が欲しかったです。
さいごに
恐怖体験における女の子を堪能するだけなら満足度は高かったものの、アクション要素を煩わしいと感じる場面も多く、評価の難しい作品です。本作に、女の子の魅力以外を強く求めている人は少ないと思うので、もう少しアドベンチャー寄りに作られていた方が、おすすめしやすいと感じました。