ジャンル | ライトノベル2Dアクション |
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ハード | Nintendo 3DS |
発売日 | 2016年8月25日 |
発売元 | インティクリエイツ |
開発元 | インティクリエイツ |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで7時間 |
ライトノベル2Dアクションシリーズ第2弾「蒼き雷霆ガンヴォルト 爪」のレビュー記事です。
「蒼き雷霆ガンヴォルト」の続編となる本作。前作は、独特のアクションシステムと王道を貫くストーリー、魅力的な挿入歌などがそろって、評価の高い一作でした。「蒼き雷霆ガンヴォルト 爪」では、遊びやすさの向上やライバルキャラのプレイアブル化と言った新要素を取り入れており、更なる面白さを期待していたのですが、7時間のボリュームでダブル主人公は色々と厳しい感触です。アクション・ストーリー、どちらも一定のクオリティを備えているものの前作には及ばす、物足りなさを拭えない作品になっていました。
遊びやすく進化したガンヴォルトアクション
あまり代わり映えがないと言ってしまえばそれまでですが、ダートを撃ち込んで雷撃を飛ばす独自のアクションの楽しさは健在でした。敵の攻撃を自動回避する「カゲロウ」があるため、堅実に戦えばほぼ無敵ながらも、クードスを稼ぐために限界まで攻めてしまう絶妙なバランスもすばらしいです。
ダブル主人公と言うことで1人あたりのミッション数が少なく、ストーリーとしては盛り上がりに欠けている印象はありましたが、新スキルやスキルショートカット機能も備わって、アクションとしての面白さは高評価でした。
単調になりがちな高機動アキュラアクション
敵に向かってダッシュで体当たりすることによってロックオンを行い、高火力を集中させることができる新しいアクションスタイルが魅力のアキュラ。ガンヴォルト同様に自動回避スキル「カゲロウ」が使えるため、攻撃を回避しながら接近していくギリギリの戦いを楽しむことができます。
しかしながら、攻撃の起点が体当たりしかなく、基本は目に付いた敵へ突っ込むだけと、戦闘が単調になりがちな点が気になりました。高火力に全快スキル持ちという隙のない構成で、ゴリ押しでも簡単にクリアできることが更に拍車を掛けます。ボスを倒すことで攻撃方法を増やすことができるものの、使いやすい物は少なく、もう一工夫欲しかったように感じました。
挿入歌を聴きやすくなった選択式クードスモード
前作ではワンミスでリセットされてしまい、挿入歌が流れる数値までためるのが難しかったクードス。今作からはポイント保持の仕様を3段階から選べるようになったので、アクションが苦手という人でも手軽に聴けるようになっていました。ライブ開催やボーカルアルバムが発売されたほどの楽曲は、今作も負けず劣らずの名曲そろいになっているので、うれしい仕様です。もちろん、前作同様の高難易度仕様でハイスコアを狙う楽しみも用意されています。
ダブル主人公にしては物足りないストーリーボリューム
主人公が2人になってもボリュームが倍というわけではないため、どちらのストーリーも中途半端な印象を持ちました。一部のキャラクターや展開は両者で共通しているのですが、微妙にパラレルストーリーになっており、どちらの視点から見た内容が正史なのか不明確な点も引っかかりを感じます。
とはいえ、ゲーム画面を大胆に使用したライブノベルは物語を十分に盛り上げて、前作同様の台詞回しや中二要素は更に磨きが掛かっているため、決してつまらないストーリーというわけではありませんでした。どちらかと言えば、もっと発売までの期間や価格がかさんでもかまわないので、ボリュームを上乗せしてほしかったという気持ちです。
さいごに
前作の面白さから期待度が高かったがために、少し惜しい評価になってしまったとはいえ、平均以上には楽しめた最新作。物語は一区切り付いているものの、謎を残したままのキャラクターも存在するため、更なる続編の発売には期待するとともに、サントラの発売が待ち遠しい作品でした。