スクウェア・エニックスが贈る、童話を題材にした新解釈RPG「グリムノーツ」のレビュー記事です。
誰でも名前を聞いたことがあるような有名キャラクターたちが登場して、簡単操作のアクションが楽しめる本作。オートプレイや協力クエストも用意されており、遊びやすいゲームシステムに仕上がっています。しかし、素材を用いた強化要素はドロップのバランスが悪く、所持数上限も厳しいため、ストレスなく遊ぶには、課金を視野に入れるのが賢明だと感じる作品でした。
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「童話の世界」を舞台にしたストーリー・世界観
名前に「グリム」と付いていますが、アリスや桃太郎など、古今東西の童話・御伽噺からキャラクターが登場。各世界を巡って、童話を狂わせている「カオステラー」を倒していくストーリーになっており、改編された童話が主人公たちを待ち受けています。
簡単なあらすじが用意されているものの、元の作品を知らなければ、どこが変化しているのか分かりにくいため、万全に楽しむならプレイ前の予習を推奨です。
オートプレイ機能を備えた3ラインアクションバトル
3つのラインで構成されたフィールドを自由に動けるバトルは、かなりアクション性の強い内容となっています。スマートフォンの小さな画面にタップ操作では、少し忙しいと感じるほどです。キャラクターは6種類のタイプに分けられており、それぞれ特徴的な性能が用意されています。
スタミナ無しで好きなだけ遊べる仕様に対して、オートプレイ機能が用意されていたのはうれしかったです。AIの動きはお世辞にも効率的とは言えないものの、放置で周回することができます。オート中も操作を受け付けているので、回避や必殺技だけ操作する遊び方が可能な点も好感触でした。
分かりにくくて使いづらいフレンド・レンタル仕様
パーティー編成では、4人の登場人物から3人を設定することができます。選ばれなかった1人はレンタル枠です。同じフレンドでも、誰を外しているかによって借りられるキャラクターが変化します。登場人物ごとにセット可能なタイプが決まっているため、理論上は手持ちの乏しいタイプをレンタルで補強できる仕様です。
とはいえ、クエストボーナスに「○○をリーダーにしてクリア」が存在するため、パーティー編成は頻繁に変更しなければなりません。レンタル用キャラクターを固定することもできないので、フレンドがレベリングのために低レベルをセットしていると、レンタルも低レベルになるなど、レンタルの戦力は全く安定しません。
素材集めは所持数上限や物欲センサーとの戦い
バトルだけでなく、箱庭の拡張や武器を作成するなど、素材を使った様々なシステムが用意されています。それに比例して素材の種類も豊富です。配信開始から1週間プレイするだけで、軽く100種類以上になりました。しかし、所持数の上限は厳しく、追加倉庫を建てて優先的に拡張してもギリギリです。
上限を超えると処分するまでクエストに行けないのですが、素材売却は数量指定不可の全数売却1択という悩ましい仕様。同じ素材でも5種類のサイズが存在するのに、サイズ変換等は用意されていないため、各サイズを常に所持する必要があるなど、とにかく素材の管理が煩雑です。
ドロップのバランスも極端で、どこでも手に入って倉庫を圧迫する物から、レアリティが低いのに入手難易度は異常に高い物まで様々です。既に複数回のドロップ調整が行われ、倉庫の上限増加も予定されているので、調整が落ち着くまでスローペースで遊んだ方が賢い選択かもしれません。
継続的に遊ぶなら課金を続けなければストレスが溜まりそう
ガチャの単価は10連で約4,000円と高めです。ガチャ以外でキャラクターを入手する手段が存在しないため、戦力がそろうまでは回し続ける必要があります。現在配信されているストーリー報酬だけでも10連を8回ほど引けるので、キャラクターの入手だけなら、無課金でも遊べる印象です。
しかし、建築や素材関連でも課金を必要とする要素がたくさんあります。素材も時間もなければ、課金で解決。時間だけはあるなら、曜日クエストを一時解放して周回です。高レベル帯になるほど必要な資源のレアリティや数量が増えていくので、長期的にストレスなく遊ぶためには、それなりの課金を視野に入れた方が無難だと感じました。
さいごに
各種機能やドロップバランスが調整されてば、今よりもっと楽しめる余地は十分にあります。ストーリーのボリューム不足も、1月末には追加コンテンツを配信するということで、運営の対応は早い印象。盛り上がっているうちに安定までこぎ着ければ、長く続くタイトルになる可能性は十分あります。
曜日ダンジョンが一巡して、目標にしていたことを一通り達成したため、私はしばらくスローペースでプレイ予定です。今後、「ストレスを緩和させる課金」ばかりでなく、「面白くするための課金」が増えるなら、継続的なプレイを楽しんでいきたいと思える作品でした。