ゲームの発売日といえば、現在は木曜日が主流です。2022年に発売されたタイトルを確認すると、木曜日発売が7割近くを占めています。しかし、1980年代から1990年代後半まで、ゲーム発売日は金曜日が多数を占めていました。
いつから木曜日になったのか?どうして木曜日なのか?この記事では、40年分のゲーム発売日データを年別・曜日別で分析しています。
目次で流し読み
この記事の結論を簡潔に先読み
- 1996年までは金曜日発売が主流
- 1997年7月にSONYが木曜日発売に移行
- 1997年9月にSEGAが木曜日発売に移行
- 2004年1月に任天堂が木曜日発売に移行
- 2004年以降は木曜日が主流で現在に至る
- 木曜日になった理由は発注の効率化説が有力
金曜日から木曜日に転換したのは1997年
1983年から2022年までのゲーム発売日を、年別・曜日割合で抽出したデータになります。2枚目は、木曜日と金曜日だけの割合を抽出したデータです。
1980年代は、金曜日発売が多いながらも曜日は分散していました。1990年代に入ると大半のタイトルが金曜日発売になり、ピークの1996年は9割以上が金曜日に集中しています。
しかし、1997年に木曜日発売タイトルが急激に増加。2004年には木曜日が9割を占める状況となり、以降は木曜日が主流で現在に至ります。
1997年7月からメーカーごとに順次移行
転換期の1997年を月別に抽出すると、7月を境目に木曜日の増加が確認できます。ちなみに、3月も木曜日の発売が多いですが、こちらは3月20日(木・祝日)に発売のタイトルが複数あったからです。
さらに、1997年の発売タイトルをプラットフォーム別に分けると、メーカーごとに移行タイミングが異なりました。最初に移行したのはSONYで、7月に切り替わっています。続いて、SEGAは9月に移行しました。
前述した2社に対して、任天堂は2003年まで金曜日発売が続きます。2004年に入って任天堂も木曜日発売に変わり、以降は大半のタイトルが木曜日発売になりました。
メーカーごとの対応を知った上で前項の年別・曜日別推移を確認すると、1998年~2003年に存在する金曜日発売は、任天堂プラットフォームということが見て取れます。
ゲームの発売日が木曜日に変わった理由
20年以上も前の出来事なので、明確なソースは見当たらないものの、発売当日の追加発注を効率化した説が有力です。
金曜日発売の場合、当日の売行きを見て追加発注しても、翌日が土曜日なので出荷は月曜日になります。それに対して、木曜日発売・追加発注なら、金曜日出荷で土日に間に合うという説です。
2008年以降の火曜・水曜日発売増加について
2008年からの火曜・水曜日増加も気になったので調べてみました。
結論としては、ダウンロード専売タイトルの増加になります。「Wiiウェア」が火曜日、「Xbox Live Arcade」と「ニンテンドーDSiウェア」が水曜日に発売されていたため、急激な増加につながった形です。
「Wiiウェア」「ニンテンドーDSiウェア」の発売タイトルが減った後も、ニンテンドー3DSのタイトルを中心に、ダウンロード専売は水曜日発売という流れが2017年頃まで続きました。
2017年以降の金曜日発売増加について
2004年以降は減少した金曜日発売ですが、2010年代後半から再び増加傾向にあります。こちらはダウンロード専売タイトルの曜日分散と、世界同時発売が増えた影響です。
2010年代前半までは、国によって発売日が異なるのは普通だったのに対して、2010年代後半からは金曜日に発売日をそろえるタイトルが多くなりました。
特に、Nintendo Switch発売以降の任天堂開発・販売タイトルは、ほぼ全てが金曜日に世界同時発売です。
世界同時発売を実施するタイトルは、話題作やメジャーシリーズの新作が多いため、『大型タイトルは金曜日に発売』という印象を持っている方も多いかと思います。
さいごに
ゲームの発売曜日について調べていくと、プラットフォームごとに転換のタイミングが異なっていたり、販売方式の違いで別の曜日に分散したりと、興味深い内容だったので記事にしてみました。
別サイト「ゲーム発売日・周年データベース」では、過去に発売されたゲームの発売日・周年情報や、様々な切り口の特集ページを掲載しているので、併せてチェックしていただけると幸いです。