【ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 | PS4】評価・レビュー 何もかもが規格外の不可思議なダンジョンRPG

総評
覚えきれないほどの豊富なゲームシステムと、意外性を秘めたストーリーが魅力のダンジョンRPG。何もかもが規格外で、奇想天外で摩訶不思議な物語や、膨大な情報量に圧倒されながらも、満足度の高い体験が得られる作品です。
良かったところ
壁を壊せる規格外な迷宮攻略
意外性を秘めた不可思議な物語
最大40人の組合せ豊富なパーティーメイク
膨大で複雑に絡み合ったゲームシステム
悪かったところ
視認性が極端に悪い一部迷宮
5
A+
ジャンル RPG
ハード PlayStation 4
PlayStation Vita
発売日 2020年11月26日
発売元 日本一ソフトウェア
開発元 日本一ソフトウェア
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで81時間

 日本一ソフトウェアがおくるダンジョンRPG「ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団」のレビュー記事です。

 膨大な数のゲームシステムを駆使して、長く壮大な地下迷宮の攻略に挑む本作。壁破壊や最大40人のパーティー構成などのシリーズを踏襲したシステムに加えて、様々な新要素の追加で、より楽しめる作品に仕上がっている感触でした。ゲームシステムの多さから、完璧な完成度とまではいえないものの、前作から洗練されている部分も多く、情報量に圧倒されながらも満足度は高いです。

 不可思議で、想像もできないほどの意外性を秘めたストーリーも高評価でした。迷宮攻略を進めるうちに謎が深まっていく展開は、続きや真相が気になって仕方がありません。80時間を超える迷宮攻略の途中では、心が折れそうなくらいの困難が待ち受ける場面もありましたが、乗り越えようと頑張れる高いモチベーションと、クリアした際には格別な達成感が得られる作品でした。

意外性を秘めた奇想天外なストーリー

 プレイヤーの分身「降霊灯」に宿り、ユリィカとともに「ガレリアの地下迷宮」攻略を目指すストーリーは、奇想天外で摩訶不思議な物語です。一癖も二癖もあるキャラクターたちが登場する中、地下迷宮の攻略を進めるうちに謎が深まっていく展開は、続きや真相が気になって仕方ありません。何度も大きな転換を繰り返す展開ではあるものの、ネタバレを避けると公式サイトに書かれている以上のことを語れない、想像もできないほどの意外性を秘めたストーリーでした。

 80時間を超える長大なボリュームの大半は迷宮攻略ですが、イベントが発生した際の内容は濃厚です。雑談だけの取るに足らないイベントはなく、何気ない会話にも、様々な伏線が散りばめられています。多くの謎は、中盤以降に解き明かされるため、全てを遊び終えたあとに読み返してみると、見え方が変わるパターンや、セリフの真意に気付くことも少なくはありません。引継ぎ周回プレイだけでなく、過去のストーリーを閲覧できる機能も用意されているので、手軽に読み返せた点もうれしかったです。

 なお、シリーズとしては2作目に当たりますが、登場人物は一新されており、前作と直接的な関連性はありません。多少のつながりを匂わせるセリフ・キーワードが登場するものの、本作からプレイしても問題のない内容となっていました。

様々なスキルを駆使して探索する迷宮攻略

 「ガレリアの地下迷宮」攻略には、壁破壊を筆頭とした、様々な「降霊灯スキル」を活用して挑むことになります。スキルの使用にはポイントを消費するため、戦闘だけでなくポイント管理にも気を配らなければなりません。「降霊灯スキル」や対応するギミックの数は豊富で、覚えなければいけないことはかなり多いです。スキルは段階的に解放されるので、序盤は新規階層への到達と、スキル獲得を繰り返しながら攻略を進めます。序盤の十数時間は上記の展開が続くため、振り返ってみると、長いチュートリアルという印象でした。

 スキル獲得によって、徐々に探索範囲が広がる影響で、探索済みの階層を再探索する機会も多いです。意外な場所に重要なアイテムが隠されている場合もあって、最終的には隅々まで探索することになります。ストーリー進行の条件を見つけるため、各階層に見落としはないか、マップとにらめっこする時間だけでも、累計すると数時間はありました。隅々まで探索というと地味な作業ですが、探索した範囲が増えると、踏破報酬としてアイテムがもらえるので、ちょっとしたマス埋めも無駄にはならず、モチベーションを維持しやすかったです。

 「ガレリアの地下迷宮」探索の序盤を終えると、ストーリーの転換に合わせて、自動生成の迷宮が登場する点も特徴的です。遊びのスタイルが大きく変わるため、固定階層の探索・再探索に少し疲れてきたタイミングから、気分一新で挑むことになります。壁破壊がシステムとして存在するので、必ずしも全ての部屋がドアでつながっているとは限らず、壁破壊で進むかドアを探して迂回するかの、固定階層とは異なるポイント管理が要求されました。

 終盤は、視認性の悪い迷宮や、階層数が異常に多い迷宮が登場するので、相当な根気が必要になります。視認性の悪さは、画面を見ても余り参考にならないレベルで、常に画面右上のミニマップを注視しながらプレイしていました。自動生成を活用した終盤の迷宮は、ショートカットが存在するとはいえ、階層数が4桁に達します。『いつになったら最奥に辿り着けるのか……』と心が折れそうになりながらも、ここまで来て諦められないと、強い意志で探索を進めました。一定の階層数でイベント発生や、平行してキャラクターの育成を楽しめるものの、自動生成だからと少し過剰な階層数は、評価が分かれそうなところです。

最大40人の旅団を結成するパーティーメイク

 いろいろと型破りな迷宮攻略では、降霊灯が率いる「魔女の旅団」も、最大40人パーティーと規格外です。アタッカー3名、サポーター5名のカヴンと呼ばれるグループを5つ結成する体制で、カヴンのベースとなる「結魂書」の組合せで構築します。カヴンは人数が多ければ良いというわけではなく、アタッカー1名で能力を大幅に引き上げるといった結魂書も存在。選べる職業(ファセット)の数も、10×2パターンの20種類となっており、パーティーメイクの選択肢は膨大です。

 キャラクターごとに見ても、職業だけでなく、成長方針を左右する性格・スタンス、固有スキル、容姿、フレーバーと設定項目が多彩です。Lv1からやり直す代わりに、能力の底上げやスキルを引き継ぐ「魂移し」もあって、40人をしっかり設定・育成すると、時間が幾らあっても足りません。細かく育成方針を計画するキャラと、大ざっぱに量産するキャラを育て分けるなどして、選択の幅が広いパーティーメイクの中で、どこまで構成を作り込むかはプレイスタイルで調整する印象でした。

 装備品の数と種類も豊富で、細かく管理しようとすれば大変ですが、自動最強装備機能が用意されているので、基本的にはワンタッチです。育成同様、お気に入りのキャラだけ手動でカスタマイズして、残りは自動といった感じでも遊べます。他にも武器同士の合成など、とにかくできることは多いですが、常に全てを活用しなければならない難易度ではないため、気が向いたときや、強敵で詰まった際に見直すくらいで問題なく楽しめました。

プレイヤーの判断が戦況を大きく左右する戦闘

 カヴン単位で指示を出す戦闘では、通常のコマンド以外に、プレイヤー自身が使用できるスキル「リインフォース」が存在します。キャラクターの強化や敵の行動を可視化、カヴンのキャラクターに個別指示を出すこともできるため、活用次第でピンチを切り抜けたり、格上のエネミーを相手に善戦したりも可能です。ただし、リインフォースの使用には、探索スキルと共有したポイントを消費するため、乱用すると探索を切り上げるタイミングが早まってしまう悩ましいシステムでした。

 基本的な難易度は、そこまで高いわけではなく、しっかりと旅団を育成していれば難しくはありません。ただし、二つ名持ちや強敵シンボルなど、極端に強いエネミーが登場することもあり、決して油断はできないバランスです。連勝し続けることによって経験値が大幅に増加するシステムもあって、相手が格上だからと逃げ一択になるわけではなく、プレイヤー自身が「降霊灯」として判断する機会の多い仕様となっています。

 前作「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団」で不満点だった、敵味方が増えすぎると戦闘時間が長期化する点も、大幅に改善されており快適でした。オプション設定を全て最速・簡略にすると、少し演出が寂しくなるものの、高速に戦闘が進行します。序盤は各種オプションを標準で遊び、ゲームに慣れるにつれて高速・簡略化させていくと、良い感じにストレスなく遊ぶことができました。

膨大で複雑に絡み合ったゲームシステム

 ここまでに挙げた以外にも、様々なゲームシステム・要素が存在する本作。クリアまでじっくり遊んだ私自身、全てを完全に活用できていたかといえば、少し怪しいくらいです。TIPS的なチュートリアルが100個以上用意されており、いつでも見返せるので、改めて目を通してみると意外な見落としを発見することもありました。面白いかどうかでいえば面白いのですが、ダンジョンRPGに慣れていない人がいきなり挑むと、少しハードルが高いかもしれません。

 本作はシリーズ2作目ということで、基本的なゲームシステムは前作を引き継いでいるだけあって、全体的にはそつなく作り込まれている印象でした。しかしながら、大ボリュームかつゲームシステムが多すぎる弊害で、不満点も少なくはありませんでした。例を挙げるなら、マップの隅々まで破壊可能な壁をチェックする必要があるためマップ拡大機能が欲しかったり、「魂移し」を行った際にスキルが全て外れてしまうので、スキルが増えすぎると再取得の手間から気軽に行えなかったりです。

 欲をいえば、他にも欲しかった機能や調整は山ほどあります。とはいえ、管理・操作が大変ではあるものの、育成や探索自体は面白く、多少の不満が評価を落とすほどではなかったです。むしろ、複雑すぎるゲームシステムを考慮すれば、頑張っている方だと感じたので、膨大なゲームシステムに翻弄されながらも、十分に楽しめる作品でした。

さいごに

 前作が荒削りながらも高評価だったので、期待の高かったシリーズ2作目でしたが、迷宮攻略・ストーリーともに期待に応えてくれました。二転三転する予想も付かないストーリーや、型破りだらけの迷宮攻略で、余り万人向けとはいいにくいものの、興味を持った方には強くおすすめしたい作品です。