この記事では、「ファイナルファンタジーVII リメイク」がPS Plusのフリープレイにラインナップされたことによる、クリア率の推移とユーザー数の増加についてまとめています。
過去に「最後まで遊ぶ人は少数派?PS4タイトルのゲームクリア率をまとめました」という記事を書いた際、『フリープレイで配信されたタイトルはクリア率が低い傾向にある』と記載したものの、実際に計測したわけではなかったので、補完を兼ねた記事になります。
目次で流し読み
クリア率の集計基準とルール
- クリアの基準は「運命の断裂(18章をクリアした)」の獲得率
- My PlayStationのトロフィー欄で確認できる獲得率を参照
- 毎日23時台の獲得率を抽出して推移を計測
フリープレイでの提供によってクリア率は18.1%低下
まず始めに結果からお伝えすると、フリープレイでの提供によって、FF7Rのクリア率は18.1%低下しました。提供が始まる直前が[53.7%]だったのに対して、最も低下したのは4月7日の[35.6%]となっており、差引きで[-18.1%]になります。
以降は緩やかに上昇しているものの、5月5日時点で[36.0%]にとどまっており、提供終了から1か月経っても0.4%しか改善していません。仮に同じ上昇率が続いたとしても、提供前と同水準に戻るのは3年後になります。
以上の点から、フリープレイでの提供によって、クリア率は大幅に低下することが確認できました。
フリープレイ提供直後の推移
提供初日となる3月2日は[-0.9%]と控えめだったものの、2日目は[-3.0%]、3日目は[-2.9%]と大幅な減少が続き、提供から1週間の累計は[-12.6%]でした。フリープレイによる低下のうち、2/3以上は最初の1週間で発生したことになります。
初日の減少が控えめだった要因は時差です。日本同様、海外でも3月2日よりFF7Rがフリープレイで提供されたものの、実際に海外で配信されたのは日本時間の3月3日になります。今回の推移は日本時間を基準に作成しているため、初日のピークが翌日にずれました。
提供開始から1か月間の推移
提供開始から2週間が過ぎると、推移は[-0.2%]前後に落ち着き、緩やかな低下が続きます。3月下旬になると横ばいの日も出始めて、提供終了直前は[-0.1%]の低下で安定していました。
提供終了から1か月間の推移
提供終了となる4月5日で下げ止まりになると予想していたのですが、終了直前の駆け込みもあったのか、4月7日の[35.6%]が最低値でした。ここから徐々に改善していくのかと思いきや、動きはかなり鈍いです。
初めて上昇を見せたのは、週末の4月10日(土)で、以降は毎週末に[0.1%]の上昇が続きます。提供終了から1か月に当たる5月5日の時点で[36.0%]と、[0.4%]しか改善しませんでした。
プラチナトロフィー獲得率の推移
プラチナトロフィーの獲得率は、提供前の[4.6%]から[2.9%]まで低下しました。ほぼクリア率の1/10で低下しており、クリア率が停滞し始めた4月以降は、全く動きがありません。
フリープレイの提供で増加したユーザーは最低でも約293万人
フリープレイ提供前のプラチナトロフィー獲得率[4.6%]に対して、提供終了から1か月後の獲得率は[2.9%]まで低下しています。提供後にプレイしたユーザーが1人もプラチナトロフィーを獲得していないと仮定した場合、分母となるユーザー数が1.58倍になる計算です。2020年8月の発表で、「FF7R」は販売本数が500万本を突破したとあるので、最低でも2,931,034人が増加したことになります。
もちろん、500万本を突破したのは半年以上前ということや、中古売買でもユーザーは増えるため、元となる提供前ユーザー数は更に多いはずです。同様に、多少はプラチナトロフィーを獲得したユーザーもいるはずなので、あくまで293万人は最低値になります。
ベースとなる「提供前ユーザー数」や「提供後のプラチナトロフィー獲得率」が増加にどのような影響を及ぼすかは、下記に表形式でまとめました。
「ソルジャーの肩慣らし(はじめて戦闘に勝利した)」の推移
提供前の数字を取り損ねていたため、正確な分析は行えないのですが、ゲーム開始から5分で獲得できる「ソルジャーの肩慣らし(はじめて戦闘に勝利した)」も獲得率が低下しました。提供終了後に僅かとはいえ上昇したクリア率に対して、こちらは5月に入っても低下が続き、提供直後の3月4日は[98.3%]だった数字が、5月5日には[97.7%]まで下がりました。
未獲得はたった[2.3%]とはいえ、分母が多いので、人数にすると18万人以上が開始5分でプレイを辞めている計算です。購入やダウンロードして積んでしまうなら理解できるのですが、起動後にすぐ辞めてしまう人が想像していたよりも多くて、興味深い数字でした。
さいごに
推測の裏付けを取るために調べたデータでしたが、具体的な動きが分かると見えてくることも多く、満足のいく結果を得られました。
今回の「FF7R」は高いクリア率のタイトルでしたが、今後クリアが困難な高難易度タイトルのフリープレイ提供が来たら、本作との違いを調べてみるのも面白いかもしれません。