【MONSTER OF THE DEEP: FINAL FANTASY XV | PS4】評価・レビュー 臨場感溢れるVRフィッシングアクション

総評
幻想的な世界を舞台に、FF15のキャラクターたちが登場するストーリーを筆頭に、様々なモードで臨場感あふれるフィッシングを楽しめます。不親切・不具合・ストレスを感じる部分も多いですが、つい夢中になってしまう作品です。
良かったところ
VRで楽しむ幻想的な世界
臨場感あふれるフィッシング
細かいアバターカスタマイズ
悪かったところ
長いローディング
目立った作り込みの甘さ
3
B
ジャンル フィッシングアクション
ハード PlayStation 4 (PS VR)
発売日 2017年11月21日
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 スクウェア・エニックス
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで3時間

 VRで楽しむ幻想的世界でのフィッシングアクションMONSTER OF THE DEEP: FINAL FANTASY XV(モンスター オブ ザ ディープ:ファイナルファンタジー XV)」のレビュー記事です。

 FF15のフィッシングにフィーチャーした本作。幻想的な世界を舞台に、お馴染みのキャラクターたちが登場するストーリーや指定された魚を釣り上げる討伐依頼。他のプレイヤーと釣果を競う大会など、様々なモードでVR対応の臨場感あふれるフィッシングを楽しめます。

 不親切・不具合・ストレスを感じる部分が多かったものの、気付けばコントローラーのバッテリーが尽きるまで夢中になってしまう作品でした。

幻想的な世界をVRで楽しむフィッシングアクション

  • MONSTER OF THE DEEP: FINAL FANTASY XV 臨場感あふれるフィッシング
    臨場感あふれるフィッシング

 コントローラーかPS Moveを用いた操作は、かなり本格的です。細かい動きが反映されるルアーのキャスト。回す動作に連動したリールの巻取り。魚の動きに合わせたロッド操作と振動など、慣れてくると、本当に釣りをしているような気分を味わえました。

 幻想的な釣り場には、魚だけでなくモンスターも多数登場します。ゲームモードによって釣り場の時間帯も変化して、それに合わせて様々なモンスターを見られるのも魅力の1つです。釣りの最中でも、周りを見回して風景を楽しめるため、臨場感を高めるのに一役買っていました。

自分だけのアバター作成と豊富な釣り具

  • MONSTER OF THE DEEP: FINAL FANTASY XV アバターカスタマイズ
    アバターカスタマイズ

 ゲームを始めると、最初に分身となるアバターを作成することになります。設定可能な項目数は多く、体型から顔の詳細まで細かく調整が可能です。アバター用の服装やアクセサリーも用意されているため、自分だけのアバターカスタマイズを行えます。

 釣りを行うためのタックルも豊富です。ルアーだけでも60種類以上。ロッド、リール、ラインも複数用意されており、組合せは膨大でした。用途が重複している物や、違いの分かりにくい物も多かったですが、買い集めるだけでもコレクション性を楽しめます。

シガイとのボス戦に挑むストーリー

  • MONSTER OF THE DEEP: FINAL FANTASY XV プロローグ
    プロローグ

 ストーリーモードでは、シガイ化した凶暴な魚を討伐するハンターとなって、各地の水辺へ討伐に向かいます。釣り場には先客として、ノクティスたちお馴染みのキャラクターが登場。彼らとコミュニケーションを交わしながら、釣りを行うことで討伐対象のシガイをおびき出します。

 シガイとのボス戦は、ボウガンを用いたFPS風のアクションです。かみつきで攻撃してきたり、分身で惑わしてきたりと、シガイも多種多様な能力で反撃してきます。想像していた以上に白熱の戦いとなっており、釣りがメインのゲームだということも忘れて、熱中してしまいました。

 残念ながらステージ数が少なく、ストーリーのボリュームは控えめです。ノクティスたちが登場するのはストーリーモードだけなので、キャラクター目当てでは物足りないかもしれません。

狙った獲物を釣り上げる討伐依頼

  • MONSTER OF THE DEEP: FINAL FANTASY XV 討伐依頼
    討伐依頼

 指定された魚を釣り上げることでクリアとなる討伐依頼は、シガイではないものの、ふだんは登場しない手ごわい魚を釣りに行くモードです。ランクごとに複数の依頼が用意されており、全ての依頼を達成するとランクアップになります。釣り場も夜に変化して、また違った雰囲気を楽しめました。

 こちらは釣りがメインなので、攻撃や分身はしてこないですが、その分ステージ数やボリュームは十分に用意されています。同じ魚を何匹も釣らなければならない依頼も多く、少し水増し感はあったものの、充実したフィッシングを堪能できました。

他のプレイヤーと釣果を競う大会

  • MONSTER OF THE DEEP: FINAL FANTASY XV 大会モード
    大会モード

 大会モードでは、指定されたマップでルールに基づいた釣果を競います。大会は複数開催されており、ルールも制限時間内に釣った魚の総量から最大サイズまで様々です。最上位の大会はチケット制で、参加できる回数に制限が設けられているため、挑戦自体に緊張感があったのも好印象でした。

 しかし、何度かプレイしたところ、底が浅い印象を持ちました。全てのプレイヤーが同じマップ・ポイントで釣りを行うため、最大サイズを競うルールでは、すぐに設定された上限サイズの魚が釣れてしまいます。結果、1位タイの先着順で上位が決まっていく、早い者勝ちの大会になっていました。

 既に上位が埋まっていると、どれだけ頑張っても追い抜くことはできません。まだ初めての大会で試験的運用なのかもしれないですが、もう少し上手く競い合える仕様に調整してほしいと感じました。

たびたび目に付いた不親切と不具合

  • MONSTER OF THE DEEP: FINAL FANTASY XV ロッド性能
    ロッド性能

 ゲームは面白いものの、不親切と感じる部分も多かったです。釣り具の性能に関する説明が一切ない。有効ルアーが載った討伐依頼の情報は、釣り場に行くと再確認できない。豊富なルアーに対して使いにくいUIなど、他にも多数。1つ1つは細かいですが、積み重なるとストレスに感じます。

 討伐依頼を中心に、不具合に見える挙動も見受けられました。有効ルアーを使っても有効扱いにならない。対象の魚を釣り上げてもクリアできない。ローディングがいつまでたっても終わらないなど。特に、魚を複数匹釣り上げる長時間クエストで発生するとつらかったです。

 これらの不親切・不具合は、手軽にホームと釣り場を行き来できれば軽減される物もあるのですが、移動時のローディングだけで1分前後かかってしまうため、不満につながりました。

さいごに

 VRのフィッシングアクションとしては、臨場感もあってすばらしかったです。これで細かいところまで作り込まれていれば文句なしだったのですが、不満足な部分もあって残念に感じます。価格も4,100円と派生作品にしては高いので、もう少しクオリティを上げて発売してほしかったと思う作品でした。