日本と海外で名前の異なるゲームシリーズ 9選

　この記事では、日本と海外で名前の異なるゲームシリーズをまとめています。何らかの事情があって異なる和名･英名になっているシリーズから、海外独自の命名ルールで展開しているシリーズまで、9作品をピックアップしました。

　海外のシリーズ名称に加えて、個別の和名･英名ゲームタイトル比較や、主立った違いや事情についての解説も掲載しています。

「龍が如く」シリーズの海外タイトル

「龍が如く」シリーズの和名･英名比較

　「龍が如く」シリーズは、海外で「Yakuza」シリーズと直球な名前で有名でしたが、「龍が如く7 光と闇の行方」以降は「Like A Dragon」シリーズとして展開されています。

　ヤクザとは関係がなく、海外で未発売だった「龍が如く 維新!」も、リメイク版「龍が如く 維新! 極」が「Like a Dragon: Ishin」として発売されました。

　シリーズ改題の詳細については、AUTOMATONのインタビュー記事「『龍が如く』の英題はなぜ「Yakuza」から「Like a Dragon」に改題されたのか。セガに訊いた」で詳しく紹介されています。

「無双」シリーズの海外タイトル

「無双」シリーズの和名･英名比較

　「真・三國無双」や「戦国無双」を中心に、様々な展開を広げている「無双」シリーズは、海外で「Warriors」シリーズとして販売されています。「三國無双」なら「Dynasty Warriors」、「戦国無双」なら「Samurai Warriors」です。

　ほぼ全ての作品が「○○ Warriors」となっている中、「ベルセルク無双」と「北斗無双」の2作品のみ、「BERSERK and the Band of the Hawk」「Fist of the North Star: Ken’s Rage」と、「Warriors」が付いていません。

　「三國無双」シリーズは英名と和名でナンバリングがずれている点も特徴的です。日本では「三國無双」「真・三國無双」と続いたのに対して、海外では「Dynasty Warriors」「Dynasty Warriors 2」と続いたため、「真・三國無双 2」が「Dynasty Warriors 3」となったのが原因です。

　「無双OROCHI」シリーズも、「無双OROCHI 魔王再臨」を「Warriors Orochi 2」とした影響でナンバリングがずれています。

「ドラゴンクエスト」シリーズの海外タイトル

「ドラゴンクエスト」シリーズの和名･英名比較

　「ドラゴンクエスト」シリーズは、商標の問題で、「Dragon Warrior」シリーズとして展開されていました。現在は問題が解消されており、「Dragon Quest」シリーズで展開されているため、途中で改題したシリーズになります。

　シリーズ名の改題だけでなく、展開内容も複雑です。1作目から4作目までは「Dragon Warrior」シリーズとして発売。5作目と6作目はスキップされて、7作目は再び「Dragon Warrior」として発売。8作目から商標の問題が解消されて、「Dragon Quest」シリーズになりました。

　スピンオフタイトルでは、「ドラゴンクエストモンスターズ」の1作目と2作目が「Dragon Warrior」シリーズとして発売されています。

「聖剣伝説」シリーズの海外タイトル

「聖剣伝説」シリーズの和名･英名比較

　「聖剣伝説」シリーズは、海外で「Mana」シリーズとして展開されています。国内版は「聖剣伝説」+ナンバリング or サブタイトルに対して、海外は「○○ of Mana」で統一されており分かりやすいですが、1作目のみ非常に複雑です。

　1作目は、日本で「聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜」、北米で「Final Fantasy Adventure」、欧州で「Mystic Quest」と地域によって名称が異なります。さらに、ゲームボーイアドバンスでリメイクされた「新約 聖剣伝説」は「Sword of Mana」、2016年に発売された3Dリメイクは「Adventures of Mana」と、リメイクされるたびに名前も変わりました。

　なお、翌年に日本と北米で発売された「ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト」は、聖剣伝説と無関係です。同作の欧州版は「Mystic Quest Legend」の名前で発売されており、シリーズ作と勘違いや、誤って購入しそうなタイトルになっています。

　ナンバリングのうち、スーパーファミコン版「聖剣伝説3」のみ海外未発売でした。2017年に発売された「聖剣伝説コレクション」の海外版「Collection of Mana」に、「Trials of Mana」として収録されたのが初のローカライズです。その後、2022年に「聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ」が、「Trials of Mana」として発売されました。

「世界樹の迷宮」シリーズの海外タイトル

「世界樹の迷宮」シリーズの和名･英名比較

　「世界樹の迷宮」シリーズは、海外で「Etrian Odyssey」シリーズとして展開しています。「世界樹の迷宮」を直訳すると「Yggdrasil Labyrinth」ですが、前年に発売された「Yggdra Union」や「Deep Labyrinth」との混同を懸念して変更されました。

　「Etrian Odyssey」の「Etrian」は、1作目の拠点となる街「エトリア（Etria）」から付けられています。エトリアを拠点に旅をするので「Etrian Odyssey」です。2作目以降、拠点は変わりますがシリーズ名は継承しました。

　「世界樹の迷宮」シリーズと、「不思議のダンジョン」シリーズのコラボ作品である「世界樹と不思議のダンジョン」は「Etrian Mystery Dungeon」です。「不思議のダンジョン」シリーズは、海外で「Mystery Dungeon」シリーズとして展開しています。

「バイオハザード」シリーズの海外タイトル

「バイオハザード」シリーズの和名･英名比較

　「バイオハザード」シリーズは、海外で「RESIDENT EVIL」シリーズとして展開されています。シリーズ名が異なる以外、初期の作品にそこまで違いはなく、「バイオハザード3 LAST ESCAPE」が「Resident Evil 3: Nemesis」とサブタイトルに差異がある程度です。

　海外シリーズ名がサブタイトルに入った「バイオハザード7 レジデント イービル」は、海外版で「Resident Evil 7: Biohazard」と、日本版シリーズ名がサブタイトルに付いています。

　「バイオハザード RE:」として再展開しているリメイクの海外版は、リメイク前と同じ名称が使用されています。「RE:」の意味については、公式サイトで[再:新作『RE:2』]とアピールしているように、リメイク（REMAKE）の「RE」を意識させているのに対して、海外版も「RESIDENT」と「EVIL」の頭文字が赤文字になっており、やはりREを意識させています。

　一風変わったタイトルの「BIOHAZARD GAIDEN」は、欧州で発売された「Resident Evil Gaiden」の国内移植版です。国内版が外伝なので、海外版もGAIDENになったのではなく、海外版が最初からGAIDENというユニークなタイトルでした。

「逆転裁判」シリーズの海外タイトル

「逆転裁判」シリーズの和名･英名比較

　「逆転裁判」シリーズは、海外で「Ace Attorney」シリーズとして展開されています。ナンバリングだけの国内版とは異なり、特殊な命名ルールが存在しており、メインシリーズは「主人公名」+「Ace Attorney」+「サブタイトル」で統一された形です。

　「逆転裁判4」以外は主人公のPhoenix Wright（成歩堂 龍一）、「逆転裁判4」はApollo Justice（王泥喜 法介）がタイトルの先頭になっています。「逆転検事」では命名ルールが逆転しており、シリーズ名の後ろに主人公の名前、「Miles Edgeworth（御剣 怜侍）」が付く形です。

　ナンバリングの数と作品数が一致しているものの、最初に発売された「逆転裁判」は海外未発売となっており、海外版として開発されて国内でも販売された「逆転裁判 蘇る逆転」が海外での1作目にあたります。

「どうぶつの森」シリーズの海外タイトル

「どうぶつの森」シリーズの和名･英名比較

　「どうぶつの森」シリーズは、海外では「Animal Crossing」シリーズとして展開されています。

　ほぼ全作品が発売されている形ですが、海外の1作目「Animal Crossing」は、国内版の「どうぶつの森+」にあたります。そして、「どうぶつの森e+」は、「Animal Crossing」の国内移植･機能追加版です。

　2作目以降は国内版が「○○ どうぶつの森」、海外版が「Animal Crossing: ○○」としてシリーズ展開しています。

「牧場物語」シリーズの海外タイトル

「牧場物語」シリーズの和名･英名比較

　「牧場物語」シリーズは、海外で「Story of Seasons」シリーズとして展開していますが、2014年までは「Harvest Moon」シリーズでした。現在、海外で新規販売されている「Harvest Moon」シリーズは、「牧場物語」と無関係です。

　海外では「牧場物語 はじまりの大地」までナツメから「Harvest Moon」シリーズとして販売されていたのですが、「牧場物語 つながる新天地」以降はマーベラスから直接販売に変わったことがシリーズ名変更の理由です。「Harvest Moon」という名前の権利はナツメが持っていたので、流通の変更に合わせてシリーズ名が「Story of Seasons」に改題されました。

　ここまでなら、単なるシリーズ名の変更ですが、2014年以降にナツメが「Harvest Moon」の名称で新しいファームシミュレーションゲームを発売･シリーズ化しており、混乱を招く状況になっています。

　もちろん、過去に「Harvest Moon」として発売された作品も、リメイク版は「Story of Seasons」にタイトル変更が行われているため、海外の「牧場物語」シリーズは非常に複雑です。

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