【Dragon Marked For Death | Switch】評価・レビュー 期待と現実のギャップが大きい未熟な2Dアクション

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総評
4つのゲーム性が楽しめる2DアクションRPG。表面上は魅力的なコンテンツが揃っているものの、中身が作り込まれていないため、いずれも期待外れの内容ばかりでした。数え切れないほどの不満点に対して、良いところを挙げるのは難しい作品です。
良かったところ
4つのゲーム性が楽しめるアクション
悪かったところ
薄っぺらい内容のストーリー
調整ミスを疑うゲームバランス
底の浅い育成要素とカスタマイズ
作り込みの甘さが目立つマルチプレイ
ジャンル アクションRPG
ハード Nintendo Switch
発売日 2019年1月31日
発売元 インティクリエイツ
開発元 インティクリエイツ
公式サイト リンク

 インティクリエイツがおくる、2DアクションRPG「Dragon Marked For Death(ドラゴン・マークト・フォー・デス)」のレビュー記事です。

 操作やゲーム性が大きく異なる、4人の主人公が登場する本作。アクションゲームとしては4本分の遊びが詰め込まれている上、マルチプレイも可能となっており、一見すると魅力的に映ります。しかし、実際に遊んでみると作り込みの甘さが目立ち、期待と現実に大きなギャップを感じました。

 アクションゲームとして未熟というだけでなく、ストーリーも地味で退屈です。お使いのようなサブクエストが大半を占めており、世界観に対する説明不足も多いため、ほとんど中身がありません。玄人受けするようなやり込み・奥深さも存在しないので、良いところを挙げる方が難しい作品でした。

大きく異なるゲーム性を持った主人公たち

 「皇女」「戦士」「忍び」「魔女」、プレイヤーは4人の主人公から1人を選んで、復讐のために戦います。単純な性能だけでなく、操作感も大きく変わるため、別ゲーム感覚で楽しめるのが大きな特徴です。1つのセーブデータで複数の主人公を遊べるので、平行して育成を進めることもできます。

 全ての主人公でクリアを目指すなら、最大で4本分のボリュームになるのですが、そこまで遊び尽くせる人は少ないだろうと感じました。余りにもゲーム性が異なっており、主人公の好みが分かれそうなことに加えて、ゲームとしての魅力が乏しく、複数周回したいと思えないのが主な理由です。

 私自身、一通り触った上で「忍び」を選んでクリアしましたが、他主人公のプレイまではモチベーションを保てませんでした。コマンド入力という特異性のおかげで「魔女」は途中まで進めたものの、「皇女」「戦士」は爽快感が乏しく、序盤だけでギブアップです。もしDL版の購入を検討されている場合は、「エキスパートセット」を強くおすすめします。

底の浅い育成要素・カスタマイズ

 4人の主人公は、能力値ボーナスや装備品によって、育成・カスタマイズが可能です。これによって、同じ主人公でもプレイヤーごとに特徴を出せるようになっています。しかし、影響を与えるのはステータスが中心となっており、スキルやアクションは変わらないため、似たり寄ったりのキャラクターになりがちです。

 装備品の種類が少ない点も気になりました。ゲーム内に登場する装備品は、全て性能が固定となっており、付与効果によるトレハン要素などはありません。レベル帯ごとに最適な装備があるていど決まっている状態です。高い「+値」が付いた装備はクエスト限定ですが、店売り装備でも十分に戦えるので、お金で全てが解決しました。

 敵が異常に堅いため、能力値ボーナスも与ダメージに関するステータス重視になりがちです。自身のプレイヤースキルや立ち回りと相談しながら、どこまでVITやDEFを削るかの選択しかありません。「忍び」の場合、最終的には攻撃極振りのステータスに行き着きました。

説明不足で中身のないストーリー

 巫女の救出と復讐のために戦うストーリーは、大半がお使いのようなサブクエストで構成されています。目的のために名声を上げる必要があるとはいえ、地味で退屈な話ばかりが続き、気付けばクリア目前という展開です。巫女や復讐対象である騎士団長は、プロローグを除けば終盤まで一切登場しません。

 ゲーム内でのストーリーに対する説明不足も深刻です。基本的な世界観・設定を教えてくれないことに加えて、クエストで入手した情報が整理される機会もないため、物語を理解するのに苦労しました。深く考えずにプレイを続けていると、よく分からないうちに終わってしまう可能性も高いです。

 世界観自体が薄っぺらいというわけではなく、詳細な設定が存在することは、公式Twitterが流している情報(主人公世界観他国)から見て取れます。しかし、せっかく作り込まれた世界観も、ゲームプレイだけでは全く伝わってこないため、中身のないストーリーにしか見えないのは残念でした。

調整ミスを疑うゲームバランス

 硬派な印象が見受けられるタイトルなので、難易度が高いことは予想していましたが、想像以上の難しさに調整ミスを疑いました。特に、序盤は敵が異常に堅く、雑魚敵ですら倒すことに苦労します。チュートリアルで獲得した能力値ボーナスは、全て攻撃に割り振っておかなければ、最初のクエストから苦戦してしまうほどでした。

 敵を倒して得られる経験値が少なく、クエストをクリアしなければ報酬を得られない仕様も意地が悪いです。緊張感があるとも言えるのですが、敵が堅すぎて時間が掛かった上に、後半で失敗して無報酬では心が折れそうになります。ソロプレイだけでクリアを目指すなら、相応の時間とプレイヤースキルが必要です。

 マルチプレイで遊ぶ場合、難易度は大きく異なります。参加人数に比例して敵のHPも増えますが、主人公同士のシナジーやゲージ増加速度の向上によって、総合的な火力は段違いです。他のプレイヤーが死に続けて失敗するリスクはあるものの、基本的にはマルチプレイ推奨のゲームバランスでした。

※マルチプレイを行うには、「Nintendo Switch Online」への加入が必要です。

作り込みの甘さが目立つ粗雑なマルチプレイ

 クエスト単位でしか募集を行えないマルチプレイは、経験値や報酬を稼ぐための周回プレイを除いて、クリアしたら解散の繰り返しです。同じメンバーでクエストを順番にクリアしていくといった遊び方は用意されていません。マルチプレイをメインで進める場合、頻繁にマッチング待ちの時間が発生しました。

 特定の条件を満たしてクリアしなければならないという、マルチプレイと相性の悪いクエストも存在します。誰かが先走ってしまうと、いつまでもクリアできなかったり、最初からやり直しになったりと非効率です。一部のクエストでは通信エラーが多発するため、ソロ/マルチの使い分けが必要でした。

 ソロプレイでは厳しい難易度から、マルチプレイを重視したタイトルなのかと思いきや、マルチプレイでの遊びやすさを考えていないような仕様も目に付き、支離滅裂な印象を拭えません。明らかに作り込みが甘いと感じられる、とてもクオリティの低いマルチプレイです。

さいごに

 記事で挙げた以外にも、数え切れないほどの不満点が存在しました。振り返ってみると、途中でプレイを辞めなかったのが不思議なくらいです。今後、追加シナリオを有料配信する予定となっていますが、現状のままでは購入する気にはなりません。コンテンツの追加よりも先に、しっかりとした調整・アップデートを期待したい作品です。