ジャンル | RPG |
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ハード | PlayStation 4 Nintendo Switch |
発売日 | 2019年3月14日 |
発売元 | 日本一ソフトウェア |
開発元 | 日本一ソフトウェア |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで11時間 |
日本一ソフトウェアがおくるタイムトラベルRPG「DESTINY CONNECT(ディスティニーコネクト)」のレビュー記事です。
「親子の絆」をコンセプトにしたストーリーが魅力の本作。親しみやすさを感じるキャラクターたちが織り成す、過去と未来をつなぎなおす物語には、心温まる展開が盛りだくさんです。その反面、ボイスのない寂しい演出や、ボリュームを水増しするような冗長気味の構成は、とても残念でした。
手厚すぎる誘導で、好みが分かれそうな一本道のプレイ体験に加えて、レベルがカンストしても終わらない間延びした終盤など、ゲームとしての評価も微妙です。低コスト感が漂っているにもかかわらず、定価7,000円台と高額なこともあって、人にはおすすめしにくい作品でした。
目次で流し読み
過去と未来をつなぎなおすストーリー
時間が止まってしまった世界を救うため、主人公のシェリーは、タイムトラベル能力を持ったメカ「アイザック」や男の子たちと一緒に、時を超えた冒険に旅立ちます。どこか物懐かしさを感じる雰囲気に包まれながら、「親子の絆」をコンセプトにした、過去と未来をつなぎなおすストーリーが楽しめました。
3Dモデルが魅力的に作り込まれており、キャラクターが親しみやすかった点も好感触です。もちろん、イベントやバトルシーンでは、動きのある演出が楽しめます。20種類以上の衣装が用意された、多彩なコスチュームチェンジも用意されており、3Dモデルに対しての多大な注力が伺えました。
キャラクターの見栄えが良かったのに対して、ボイスが存在しないのは、とても残念でした。今にもしゃべり出しそうな感じがあるだけに、パートボイスすらないのは違和感を抱くほどです。発言に合わせたSEなどもなく、穏やかなBGMが多いため、イベント中はボタンを押す音が部屋に響く寂しいゲームと化していました。
手厚い誘導と機能で迷わない一本道のRPG
常に行き先や目的が表示されているため、良くも悪くも迷わないRPGになっています。行ったことのある場所に移動する「ファストトラベル」機能に加えて、「ミニマップ」に敵だけでなく宝箱まで表示されるため、かなり過保護な冒険です。自力での探索要素はほとんどありません。
時を超えるタイムトラベルも、全てストーリーの流れで行われます。プレイヤーの意思で、他の時代に移動することはできません。そもそも、冒険の大半は「現代」が舞台となっており、他の時代はイベントで一時的に訪れるだけとなっています。特に寄り道要素もないことから、誘導に従って進むだけの一本道という印象が強かったです。
フォームチェンジを活かして戦うコマンドバトル
時間の止まった街で暴れるメカとの戦闘は、オーソドックスなコマンドバトルです。毎ターン回復するSPを使って、様々なスキルで戦います。敵が大して強くないことに加えて、初めての相手でも弱点属性が確認できるため、難易度はかなり低いです。もしも負けても、即座にリトライすることができます。
本作特有のシステムとして、アイザックのフォームチェンジが挙げられます。敵や状況に合わせて、6種類のフォームを切り替えることで、臨機応変に戦うことが可能です。アイザックが倒れると即ゲームオーバーという仕様にもかかわらず、基本フォームがタンク系という点には引っかかりを覚えたものの、難易度の低さもあって程よいバランスでした。
スキルの強化をアイテムで行う育成要素も特徴的です。アイテムの入手は限られているため、どのスキルを強化するか、吟味する必要がありました。特に、アイザックはフォームごとにスキルも変化するため、どこまで強化アイテムをつぎ込むか、とても悩ましかったです。
ボリューム不足と大雑把なレベルデザイン
定価7,000円台のRPGにしては、ストーリークリアまでに約11時間と物足りないボリュームでした。多少短くても、密度が濃ければ問題はないのですが、全体的に冗長気味だったこともマイナス点です。クライマックスのような空気を匂わせつつも、なかなか終わらない展開が続き、どんどん盛り下がってしまいました。
特定のポイントまで移動して会話を眺めるだけの、単調なイベントも目立ちます。ファストトラベルが用意されているため、1回や2回くらいなら気にならないものの、終盤に10回以上も発生するのは多すぎです。最終バトルかと思ったら単調イベントで引き延ばされるパターンまであって、プレイ時間の水増しを感じます。
ボリュームに対して、レベルデザインが噛み合っていない点も問題です。普通に進めていても、ラストダンジョンに到達する頃には、レベルがカンストしていました。スキル強化も一通り終わっているため、以降の雑魚敵は基本的に無視です。終盤はストーリーもバトルも希薄な状態が続くため、遊べば遊ぶほどに評価が下がって本末転倒でした。
頻繁なローディングを筆頭に不満点は山積み
構成やバランスと行った大きな問題とは別に、細かい不満点も山積みでした。特に目に付いたのは、頻繁に発生するローディングです。マップを移動するたびにロード。イベントのシーンが切り替わるたびにロード。戦闘が終わるたびにロード。ロード画面に表示されるTIPSも読み飽きてしまう頻度でした。
カメラワークも今ひとつです。各種オプションや距離変更などがそろっているのですが、調整しても快適になることはありません。それどころか、デフォルトでONになっている「自動回転」をOFFにしなければ、敵シンボルを避けるのすら困難でした。画面の1/4を覆うミニマップも、できれば半透明にしてほしかったです。
ところどころで動作がカクカクして不安定など、他にも不満を挙げていくときりがなく、少しガッカリの完成度です。随所に低コスト感が漂っているにもかかわらず、定価7,000円台になっているアンバランスもあって、数少ない秀逸な点も霞んでいました。
さいごに
コンセプト自体は悪くなかったので、もっとコンパクトに作り込んでくれたら、また違った評価になったかもしれません。販売価格に合わせてボリュームを多少増やしても、中身が伴わなければ意味がないことを教えてくれる、悪い見本のような作品でした。