ジャンル | サスペンスADV |
---|---|
ハード | Windows |
発売元 | カタリスト |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで20時間 |
同人ゲームサークル「カタリスト」がおくる深海サスペンスADV「デイグラシアの羅針盤」のレビュー記事です。
水深700mの海底に沈んだ深海遊覧船で起こる数々の事件。数え切れないほど用意されている伏線や不審点の中、プレイヤーと主人公がたどり着く結末とは…… 公式サイトで「生存者を決めるのは、あなたです」と書かれている通り、正解のないノベルゲームです。
深海で起こった事件の<生存者>は、誰なのか?
謎が謎を呼ぶ本作。深海という閉鎖環境の中で起こる様々な事件は、想像を絶する物ぞろいで、序盤はただただ困惑するばかりです。プレイするうちに疑心暗鬼に陥ってしまい、怪しいと感じた部分を全て疑ってしまうほどでした。中には思い込みすぎだった部分もあったくらいです。
そういったあまたの謎が琴線に触れて、『先が気になって仕方がない』と言う気持ちになるかどうかで、本作の評価が大きく変わるため、購入前に体験版のプレイを強く勧めたい作品でした。
プレイヤーにゆだねられた結末と考察の余地
具体的には言えませんが、謎の残るストーリーです。キッチリ完結する物語やハッピーエンドが好きな人には合いません。逆に言えば、プレイヤーが考察する余地が用意されており、遊び終えた後もいろいろと思い返したり考えたり、幾らでも楽しむことができます。
もちろん、単純に結末が書かれていないだけの中途半端な作品ではなく、完結はしています。それでいて、プレイヤーの数だけ答えが生まれる構成でした。それがどのような仕掛けなのかは、実際にプレイして体験してもらいたいです。
イラストや立ち絵が少なく”ヴィジュアル”ノベルとしては今ひとつ
全てのストーリーをクリアするまでに20時間という長丁場の割には、立ち絵差分・イラストは少なかったです。ノベルゲームなのに視覚情報が少ないため、小説を読み進めるのに近い感覚を覚えました。そのせいか、せっかくの展開に物足りなさを感じるシーンが多かったのはマイナス印象です。
さいごに
面白さを損ねるようなネタバレを回避しつつ書けるのはここまでです。どちらかと言えば『ハッキリとした結末が好き』なタイプの私でも、クリア後にいろいろと考えてしまう作品だったので、ストーリーの評価は高いです。同人ゲームに求めすぎかもしれないですが、ストーリー以外の部分にも、もっと注力されていれば、更に高評価でした。
途中でも書きましたが、作品の雰囲気や構成が人を選ぶ内容のため、購入前に体験版のプレイは必須だと思います。体験版を触って続きが気になると思ったら、製品版を購入しましょう。ダウンロード販売も行われているので、パッケージにこだわらなければ、すぐに購入できるから安心です。