ジャンル | 2D探索型アクション |
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ハード | Steam |
発売日 | 2021年3月27日 |
発売元 | Why so serious? PLAYISM |
開発元 | Team Ladybug |
公式サイト | リンク |
プレイ時間 | ストーリークリアまで6時間 |
Team Ladybugがおくる2D探索型アクション「ロードス島戦記 ディードリット・イン・ワンダーラビリンス」のレビュー記事です。
ファンタジー小説「ロードス島戦記」のゲーム化となる本作。過去作と最新作をつなぐオリジナルストーリーとなっており、謎めいた不思議な物語が待ち受けています。美麗なドットアニメーションで再現された、様々なキャラクターが登場しており、時代をまたいだオールスターのような展開は原作ファンならたまらない内容です。
2D探索型アクションとしても出来が良くて高評価でした。剣、弓、スキル(魔法)といった多彩な攻撃手段と、精霊を切り替える独特のアクションが組み合わさったことで、驚くほど手応えのあるアクションに仕上がっています。原作知識なしでストーリーを堪能するのは困難ですが、純粋にアクションゲームとして楽しむだけでも、充分におすすめできる作品でした。
全く先の読めない不思議なストーリー
見知らぬ場所で目覚めたディードリットが、周囲の探索を行うところから始まるストーリーは、謎めいた不思議な展開が続きます。様々なモンスターやギミックが立ち塞がる迷宮を進む中、見知った相手に出会うものの、会話は要領を得ず、謎は深まるばかりです。この先に何が待ち構えているのか全く予想できない展開の連続に、続きが気になるストーリー構成となっています。
世界観の説明等は最低限で、「ロードス島戦記」の知識がある前提で製作されています。位置づけとしては、「新ロードス島戦記」と「ロードス島戦記 誓約の宝冠」の間をつなぐ作品のため、『過去作品は読んでいたけど最新作は未読』という方でも問題なく楽しめる内容です。もともとはTRPGということもあって、ところどころにTRPGを意識した要素が仕込まれている点も好感触でした。
美麗なドットで再現されたキャラクターたち
本作には、原作に登場した様々なキャラクターが出演しています。「パーン」や「エト」といった仲間たち以外に、敵として「カーラ」や「皇帝ベルド」が登場。本来なら出会うはずのないキャラクターまで登場するオールスター展開で、原作ファンならたまりません。全てのキャラクターが、美麗なドットアニメーションで再現されている点も大きな見所です。
モンスターの種類も豊富で、色違いなどの水増しなしで、雑魚だけでも20種類以上が登場。攻撃手段も多彩で、単純な物理から魔法行使まで、様々な攻撃でプレイヤーを追い詰めてきます。ボスとして登場する「五色の魔竜」は、画面いっぱいのサイズ感もあって、迫力・強さともに圧巻でした。
精霊や魔法を駆使して戦うアクション
原作の存在するキャラクター物ではあるものの、純粋に2D探索型アクションとしても出来が良くて高評価です。剣、弓、スキル(魔法)といった攻撃アクションに、精霊の切り替えを中心とした独特のアクションが組み合わさって、シンプルながらも遊びの幅と深みのあるゲームに仕上がっています。操作に慣れると、風の精霊でホバリングをしながら空中で弓を射るなど、スタイリッシュな戦闘を楽しめました。
特に、精霊を切り替える要素が面白く、宿している精霊の属性が攻撃に乗る以外に、同属性の攻撃をMPとしてドレインできます。上手く活用すれば、被弾をMP回復に反転させて、スキルを連発することも可能です。さらに、精霊レベルを3まで挙げると、リジェネ効果を得られる点も秀逸でした。被弾するとレベルが下がって失われますが、高レベルの精霊を宿している間は回避に専念して回復、攻撃に転じる際は精霊を切り替えるといった工夫と戦術も選べます。
剣や弓は持ち替えることによって攻撃速度・リーチが変わったり、スキル(魔法)の種類も豊富だったりと、基本的なアクションも遊びの幅が広いです。弓とスキルで消費するMPは、前述したドレイン以外に時間経過でも回復するため、かなり頻繁に使用できる点も好みでした。近づいて剣で攻撃するのは最低限に控え、ドレインを駆使して遠距離攻撃中心で戦うことも可能です。
他にも、迷宮では様々な仕掛けが行く手を阻みます。精霊の切り替えや弓を駆使して切り抜けるギミックは、先へ進むほど複雑さを増していき、驚くほど多彩な体験を楽しませてくれました。
さいごに
Steamの早期アクセス版からプレイをしていましたが、制作途中の段階でもかなり面白く、フルリリースが待ち遠しい作品でした。ストーリークリアまで6時間程度で高い密度にまとまっており、遊びやすく作られているので、原作ファンには是非遊んでいただきたい作品です。