【DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ) | Switch】評価・レビュー 物足りない難易度ながらもストーリーが目を引く完全新作メカアクション

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総評
傭兵たちのドラマが魅力の完全新作メカアクション。全体を通して物足りない難易度で、手ごたえを求めてプレイすると、肩透かしを食ってしまう作品です。悪いゲームではないものの、メカアクションとしてはギリギリ及第点でした。
良かったところ
個性豊かな登場人物たち
ドラマティックなストーリー
戦場で持ち替え可能な鹵獲要素
悪かったところ
視認性の悪いグラフィック
物足りない難易度のアクション
不完全燃焼で終わるゲーム構成
ジャンル メカアクション
ハード Nintendo Switch
発売日 2019年9月12日
発売元 マーベラス
開発元 マーベラス
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで13時間

 マーベラスがおくる完全新作メカアクション「DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)」のレビュー記事です。

 荒廃した世界で繰り広げられる、傭兵とAIの闘争を描いた本作。個性豊かな30人以上の傭兵たちによって紡がれる人間模様は必見でした。プレイヤー自身はストーリー上で重要な役割を担うものの、基本的に蚊帳の外に置かれる場面が多いです。自身が中心となって英雄になるよりも、他者のドラマを楽しみたい人が好みそうな内容でした。

 メカアクション自体は、かなり優しい難易度に作られています。敵のAIが単純な上、残弾や経費を気にする必要がないため、とにかく弾をばらまく戦闘になりがちです。トリガーハッピーで満足できるなら良いですが、メカアクションらしい高難易度を期待していると、物足りなさを感じました。

 既存の需要を満たすために作られたタイトルかと思っていたら、どちらかといえばメカアクション入門編のような作品です。

傭兵たちのドラマが紡がれるストーリー

 月が落下し、暴走するAIとの闘争が続く世界。プレイヤーは1人の傭兵となって、外部装甲「アーセナル」に乗り込み、企業からの様々なオーダーをクリアしていきます。傭兵たちの人間模様。企業同士の対立。人類と暴走AIのせめぎ合いなど、見どころ満載のストーリーは必見です。

 個性豊かなキャラクターが数多く登場することも魅力の1つでした。それぞれ思想の異なる7つの解放旅団には、30人以上の傭兵が所属しており、オーダーによって僚機が目まぐるしく変化します。ゲーム内での自己紹介は最低限ということに加え、個人で見ると似通った人物も多いため、事前に公式サイトで予習してから遊ぶのがおすすめです。

 魅力的なキャラクターがそろう中、プレイヤー自身は蚊帳の外に置かれる場面が多かったのは、好みの分かれそうなポイントです。一応、ストーリーにおける重要な役割を担うものの、プレイヤーよりも主人公ポジションのキャラクターが多数登場します。英雄になって活躍するのではなく、1人の傭兵として様々な人間ドラマに立ち会う形式のストーリーです。

物足りない難易度のメカアクション

 メカアクションといえば、高い難易度のゲームを想像するのですが、本作はかなり優しい難易度で作られています。雑魚敵を倒すと弾薬がドロップするため、基本的に残弾を気にする必要のない、撃ち放題のゲームです。もちろん、実弾消費での支出や、修理費用の発生もありません。点在する回復エリアに触れるだけで回復できるため、撃破される緊張感すら控えめです。

 プレイヤーの前に立ち塞がる、巨大ボスや敵勢アーセナルの動きも単純でした。巨大ボスは、インパクトこそ抜群ですが、ほとんどが硬く大きいだけの見かけ倒しです。敵勢アーセナルも、障害物のない空中戦では脅威を感じる場面があったものの、地上に降りて戦うと地形に引っかかってばかりで戦いになりません。ひどいときは凹凸にハマり撃ち放題になる場面もあって、もう少しAIを洗練してほしいと感じました。

 知らない間にイージー難易度を選んでしまったのかと疑いましたが、そもそも本作には難易度選択がありません。完全新作のメカアクションということで、身構えて挑戦したものの、見事に肩透かしを食った気分でした。既存の需要を満たすのではなく、お手軽な難易度で、メカアクションのハードルを下げる作品です。『メカアクションって興味があるけど難しそう』と敬遠していた人には、入門としておすすめできるかもしれません。

独創的で視認性の悪いグラフィック

 一風変わったグラフィックで描かれる世界は、本作において、大きく目を引く要素の一つです。無骨なだけではない、独特の世界観を演出するのに一役買っています。ただし、アクションゲームとして遊ぶ面においては、視認性がとても悪く、面白さを損なってしまう場面が多かったです。

 とにかく敵を目視し続けるのが困難で、大型のボス戦を除いて、戦闘中に相手を見失うことが多いです。敵が超人的な機動を行って視界外へ消えるなら戦いの手ごたえにつながるのですが、単純に見にくいだけなのはストレスでしかありません。3次元戦闘の空中戦では特に見失いやすいため、可能な限り地上戦に引きずり下ろして、平面での戦いに持ち込むのが攻略のポイントでした。

 フィールド上のオブジェクトや小型エネミーを掴んで投げる、独特のアクションも存在しますが、掴める物が視覚的に判別しにくく、活用する機会が少なかったのも残念でした。もっとオブジェクトを増やすか、何らかの方法で判別・サーチする機能が備わっていればうれしかったです。

支離滅裂になりがちな戦闘中の通信

 登場人物が多いことから、戦闘中の通信も頻繁に発生します。基本的に話が長いため、スピーディーに戦闘をこなすと、会話の途中で次のフェーズへ進んでしまうことも多いです。そのため、話が尻切れになったり、内容のつながらない支離滅裂な通信になったりしがちでした。全ての会話を聞きたいなら、手を抜きながら戦わなければなりません。

 省略するわけにいかない重要な通信では、一定の耐久値まで相手を削ると、お互いに無敵になって戦闘だけが続く状態に突入します。敵は必死に攻撃してくるものの、こちらは特に応戦する必要がないため、棒立ちで撃たれながら通信を聴くシュールな光景です。しかも、前述した通り大半の会話においてプレイヤーは蚊帳の外なので、このときばかりは疎外感を強く感じました。

鹵獲から人体改造までそろったカスタマイズ・育成要素

 敵のアーセナルを撃破することでパーツを鹵獲できる要素は、戦いの幅を広げる良いシステムでした。最大4つから獲得するパーツを選び、格納庫に送るか、即座に使用するかを選べます。弾薬をドロップする雑魚が登場しないオーダーでは、残弾の尽きた武器をパージして、鹵獲した武器に持ち替えて戦う場面もありました。面白い武器を装備したアーセナルが登場すると、鹵獲で自分が使用できる可能性にワクワクしてしまいます。

 アセンブルは、鹵獲品に加えて、開発とショップ購入からもパーツを獲得できます。種類はそれなりに多いものの、全体的に性能差が小さく、機体の強化を感じにくいバランスでした。武器腕などイロモノも存在しますが、基本性能でピーキーなパーツをもっと用意してほしかったです。

 強化できるのは機体だけでなく、プレイヤー自身の身体を改造することも可能です。こちらは強化の幅が大きく、下手にアーセナルのパーツを買い換えるよりも効果的でした。ゲーム的にデメリットはないものの、改造が進むごとにアバターが機械化されていきます。機械化された箇所が増えるにつれて、エディットできる範囲も減ってしまうため、見た目に個性を出せないのは悩ましい点でした。

 性能的なカスタマイズ以外に、キーコンフィグを筆頭とした、各種オプションが豊富にそろっていることも好感触でした。特に、HUDの位置表示やサイズを詳細に変更できる機能は、ここまでやるのかと感心したほどです。もちろん、無調整でも遊びやすい配置にしっかり調整されていました。

さいごに

 歯応えのない難易度で荒削りな部分も多く、既存のメカアクションをやり込んできた人には、物足りない可能性が高い作品です。ストーリークリア後のやり込み要素などもなく、オンラインマルチも飽きるのが早いため、私は不完全燃焼に終わりました。

 決して悪いゲームではなく、1人の傭兵視点で眺める人間ドラマは高評価ながらも、メカアクションとしてはギリギリ及第点の作品でした。