【エクステトラ】評価・レビュー

良かったところ
快適なオートバトルと早送り
男女問わずキスし放題のストーリー
最後にして最高に面白いラストバトル
悪かったところ
かゆいところに手が届いていないUI
かなり大ざっぱなバランス調整
5
A+

 ストーリークリアまでのプレイ時間は約16時間。RPGと言うジャンル的としては短く感じられますが、戦闘の早送りとオートバトルによる雑魚戦高速処理で、普通のRPGに比べて戦闘時間が大幅に短縮されていたお陰です。大味なバランス調整が多々見受けられたものの想定範囲内で、名作とまでは言えないけれど高評価の作品でした。

キスをしない事には何も始まらないストーリー

 新たな仲間が登場する度にキスを行い、仲間になった後も必殺技を使う度にキスシーンが展開。キスが上手く出来れば必殺技の威力も高まると言う仕様になっており、終始キスばかりしていた印象です。ちなみに男同士でも濃厚なキスシーンが用意されていました。オプションから男女別にスキップ設定も可能なので安心設計。

 同じキャラとばかりキスしてるとやきもちを妬かれたり、好感度が下がり過ぎると悲痛な表情で見られるなど、男女問わずモテモテの主人公。男同士の絡みネタも面白く、単なるハーレム系のストーリーより変化球が多くて楽しむ事が出来ました。とりあえずキスをすれば解決する、そう言う世界です。

ピーキーなゲームバランスで、常にゲームオーバーと背中合わせ

 敵の攻撃力が高く同時に複数体登場するので、しっかり装備を整えていても運が悪いと即死する難易度。主人公が倒れると敗北になってしまうため、防御系アビリティ等は全て主人公に優先しておかなければ事故死多発のゲームでした。とは言え、もし負けても即リトライ可能と言う仕様になっているのでストレスは控えめです。

 アイテムや魔法の効果が数値では無くパーセンテージとなっており、序盤のアイテムや装備でも良い効果なら終盤まで使い回し可能。極端な作戦しか選べないが戦闘速度だけは高速化するオートバトルなど、全体的にサクサクと遊べた点は好印象です。もし難しいと感じたら、オプションで難易度を変更可能と言う配慮も用意されていました。

アビリティを自由に組み合わせて強化できる育成要素

 装備にルーンをエンチャントする事で好きなアビリティを付けられる、作中でも自分が気に入ったシステム。先に挙げた”主人公に防御系アビリティを集中”すると言ったように、自分の戦闘スタイルを組み立てる事が出来るので戦略の幅が広がります。付けたルーンは武具売却時に返ってくるので、装備が刷新される度に色々と創意工夫するのが楽しかったです。

 進めば進むほどに手持ちのルーンやエンチャント枠が増えて行き、アビリティ同士でコンボも発生。同じように敵もアビリティを持っているため、カウンターや追撃の応酬で早送りしなければ終わらないほど1ターンが長大になる事は珍しくありません。拾った装備が不要でも売ればルーンを得られるので、トレジャー要素の魅力を引き立てていました。

全ての要素を要求された最高潮のラストバトル

 初見、とりあえず試しにオートバトルで挑戦したら手も足も出ずに主人公が即死して唖然でした。今まで軽視されがちだった隊列やエクス技を駆使しなければ勝てないように作り込まれており、最後にして最高難易度。この戦略要素を何故これまでのボスにも用意しなかったのか突っ込みたいくらいの良いボス戦。

 上手く立ち回らないと即死。運が悪いと事故死。常に言う気の抜けない戦闘になりますが、攻略法が解ってくれば意外と楽に勝利する事ができる面白さ。それでも事故死で即終了という緊張感は残っており、初めて倒した時の達成感は抜群でした。クリア後もマルチエンディングの為に周回しましたが、何度遊んでも充実したバトルが楽しめるラスボスです。

5つのエンディングまで確認して満足のクリア

 男子を含め、ほぼ全キャラクターに個別エンディングが用意。自分はコンプリートまで行きませんでしたが、ラストダンジョン内での分岐になっているので、見ようと思えば難しくはありません。普段はマルチエンディングでも1つ見れば満足する自分がラストを5周したと言うだけでも、本作を気に入っていたんだろうなって実感が沸きます。

 荒削りな部分はマイナス要素と言うよりも、作風と取れば問題無し。強いて挙げるならUI周りに不満を感じましたが、中盤頃には慣れてきたのでギリギリ及第点。作品としての満足度は高いです。最後の一言付け加えるならば、スクリーンショットがキスシーンばかりで、こんなにチョイスを迷ったゲームも初めてでした!