【ブレイブリーデフォルト2 | Switch】評価・レビュー 魅力を継承しながらも遊びにくさが目立つシリーズ完全新作

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総評
作風を継承しつつも、ストーリーは一新されたシリーズ完全新作。戦略性の高いバトルシステムと育成要素は過去作同様に高評価な反面、荒削りな部分や遊びにくさも目立ちました。特に、頻発する処理落ちとロードは評価を落とした要因です。
良かったところ
戦略性の高いバトルシステム
豊富なジョブと奥深い育成要素
悪かったところ
荒削りな部分が目立つストーリー
頻発する処理落ちとローディング
遊びにくく徒労感を覚えるクエスト
3
B
ジャンル RPG
ハード Nintendo Switch
発売日 2021年2月26日
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 クレイテックワークス
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで37時間

 スクウェア・エニックスがおくる「ブレイブリー」シリーズ完全新作「ブレイブリーデフォルト2」のレビュー記事です。

 特徴的な作風やゲームシステムを継承しつつも、世界観とキャラクターが一新された本作。「ブレイブ」と「デフォルト」を使い分けることで戦略的に立ち回れるバトルや、豊富なジョブから自分だけの編成を作り上げる育成要素は、過去作同様に高評価でした。しかし、それ以外のコンテンツはクオリティが低く、荒削りな部分や、遊びにくさが目立ちます。

 特に、大きく評価を落とした要因として、頻発する処理落ちとロードが挙げられます。明らかに洗練されていないと感じる挙動で、クオリティアップの途中で発売されたような印象を受けました。満足感を得たのは過去作から継承した要素ばかりで、それすらも劣化している点があるため、シリーズ新作の期待に応えてくれたとは言い難い作品です。

荒削りな部分が目に付いた完全新作ストーリー

 王道RPGらしい雰囲気を備えつつも、人死にが目立つ容赦ないイベントや、一癖も二癖もあるキャラクターたちが待ち受けるストーリーは健在。「クリスタル」や「アスタリスク」といったキーワードを残しつつも、世界観とキャラクターは一新されており、過去作のプレイ経験を問わず楽しめます。その反面、過去作で残されていた謎には一切触れられていないので、シリーズ作品とはいえ完全新作として気持ちを切り替えて遊ぶ必要がありました。

 奪われたクリスタルを取り戻すための旅路は、主人公たちに都合の良い展開が目に付き、全体的に荒削りな作りを否めません。メインストーリーやパーティーチャットだけでは説明不足の部分も多く、NPCとの会話、クエスト、町中の書物などに情報が分散している点も、本筋の薄っぺらさを助長していました。しっかりと寄り道をしなければ、キャラクターの言動に謎を残してしまいます。

 タイトルの「II」が意味深な配置をしていますが、事前にインタビューで語られていたとおり、特に仕込みはありません。他のプレイヤーとつながる要素や、ゲームシステムとイベントを絡めるといった、過去作を踏襲した演出も用意されているものの、シリーズ作品だからと無理矢理付けたような感触でした。王道RPGの皮を被った異色作ではなく、少し変わったRPG程度に収まっているため、過去作のような奇抜な展開を求めていると、肩透かしを食らうかもしれません。

戦略と対策が重視された特徴的バトルシステム

 BPを消費・前借りして最大4回行動できる「ブレイブ」と、守りを固めてBPを貯める「デフォルト」を使い分ける特徴的なバトルシステムは、とても高い戦略性を秘めています。敵味方の状況に合わせて、プレイヤーの選べる選択肢は膨大です。敵も同じシステムを活用してくるため、熱い駆け引きが堪能できます。1人を残して全滅寸前の状況でも、ターンさえ回ってくれば「ブレイブ」からの起死回生を狙えるので、最後まで諦めずに戦える点も好感触でした。

 こちらの攻撃に対する「カウンター」や、特定のコマンドに対して「ジャマー」を仕掛けてくる敵の登場は、好みの分かれそうな部分です。戦闘を単調にしない工夫としては上手いですが、「ブレイブ」による一気呵成の爽快感が失われています。少し過剰に反応する敵もいるので、最終的にはアタッカー全員に「仕返し回避」のアビリティを付けるのが基本になっていました。

 前述した「カウンター」「ジャマー」に加えて、尖った性能のボスが多いので、難易度にムラがある点も気になりました。常に物理反射を発動しているなど、パーティー構成によっては、初見で手も足も出ずに負ける場合があります。尖っている分だけ対策も立てやすく、1戦目は負ける前提で情報を集めて、2戦目で対策を立てると封殺できてしまう極端なバランスでした。

豊富なジョブから自分だけの編成を作り上げる育成要素

 24種類のジョブから、メインジョブとサブジョブを選び、サポートアビリティを組み合わせる育成・編成は、本作最大の魅力的要素です。キャラクターにステータス差がないので、パーティーメンバーの役割をどのように割り振るかは完全にプレイヤーの自由となっています。「ブレイブ」&「デフォルト」の高い戦略性もあって、各ジョブのアビリティを眺めながら、パーティー編成や育成方針の構想を練るだけでも楽しいです。

 破格の性能を持った終盤ジョブを手に入れたり、既存ジョブの上限を解放したりすると、更に選択の幅が広がります。最終的には、各ジョブのサポートアビリティが発動する武器まで登場して、最強のパーティー編成が悩ましいところです。惜しいのは、上限解放や特殊武器を獲得するために戦う相手自体が、本作における最高クラスの敵で、これ以上強化しても自己満足になってしまうことでした。それでも繰り返し戦闘を行い、レベルがカンストするまで遊ぶほど面白かったです。

 雑魚戦向け、ボス戦向け、経験値稼ぎ用など、状況に応じて編成を切り替える場面も多いのですが、編成を登録する「マイセット」機能がなくなっていたのは不便でした。ジョブとアビリティが増えてくると、記憶だけを頼りに4人分を切り替えるのは困難です。手元でアビリティ構成をメモしたり、[サポート]+[同系統アタッカー]*3といった覚えやすい編成にしたりと、プレイヤー側の工夫が必要になります。過去作で重宝していた便利機能を削除してしまう開発の意図がつかめません。

頻発する処理落ちとロードで削られるモチベーション

 プレイ中、事あるごとに処理落ちのような挙動が発生していたのは、とても残念でした。戦闘開始直後や戦闘後にフィールドへ戻ってくるタイミング、会話・イベント発生時など、様々な場面で不自然にカクカクします。発生頻度はかなり高く、盛り上がる場面でも容赦なく固まるため、ストレスどころか不快に感じるほどです。オートセーブを切ったり「携帯モード」に変えたりしても気持ちマシになる程度で、回避しようがありません。

 処理落ちと並んで、ロードの多さも目立ちます。町の出入りや馬車での移動(町間のワープ)、戦闘の前後など、画面の表示が切り替わるたびに発生しました。フィールドから別の町に行こうとするだけで、[町に入る]⇒[馬車に乗る]⇒[町に入る]と短期間で3回のロードが必要です。1回のロードは数秒程度とはいえ、町の出入りが多いゲームなので、クリアするまでの累計ロード時間は軽視できない量になります。

 ある程度の処理落ちやロードなら慣れるものの、両者が重なることで、最後までモチベーションと評価を下げてくる要素でした。そこまで高いスペックを要求しているとは感じられず、処理落ち発生の原因は不明ですが、今後のパッチで改善されることを願うしかありません。

手間が掛かり徒労感を覚えるクエスト

 本作には、約100種類のクエストが用意されており、一部はサイドストーリーを兼ねています。細部までストーリーを楽しむならプレイ必須とはいえ、手間と時間に対して報酬が釣り合っていないため、徒労感を覚えることも少なくはありません。大半が店売りや宝箱から手に入るアイテムです。それに対して、クエスト内容はダンジョンや他の町への移動が多く、忘れ物を届けるために町とダンジョンを3往復させられるだけのクエストもありました。

 クエストの発生箇所を探すだけでも手間が掛かります。町中で全景表示にすればクエストNPCが表示されるものの、大きな建物は別マップ扱いで、中に入らなければ確認できません。町の出入口は基本的に1か所しかなく、あるかどうかも分からないクエストを確認して回るだけでも一苦労です。更に、昼と夜でNPCが変化する仕様もあって、労力は2倍に膨らみます。町でもダンジョン脱出アイテムを使いたいと強く感じました。歩き回って探索も1つのコンテンツではあるものの、もう少し遊びやすさや手応えに配慮してほしかったです。

さいごに

 過去作品の仕掛けを上辺だけ踏襲していたり、便利だった機能をなぜか削除していたりと、開発の迷走を邪推してしまう作品でした。自分が期待していた「ブレイブリー」シリーズらしさと、開発が考えている「ブレイブリー」シリーズらしさに、乖離があったようにも感じます。

 体験版を遊んでみても購入を迷っている方は、パッチの配信や、1作目のように「完全版」が発売されるのを期待して待つのも1つの選択かもしれません。