【アストラルチェイン | Switch】評価・レビュー 爽快感が湧きあがる一心同体のデュアルアクション

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総評
1人で2キャラを同時操作するデュアルアクション。ジャンル名通りのコンセプトを、高い完成度で作り込んでいる作品です。操作難易度は高いものの、アシスト機能も充実しており、プレイヤースキルを問わず楽しめます。
良かったところ
爽快感抜群のデュアルアクション
組合せ豊富で多彩なバトルスタイル
カスタマイズできるアシスト機能
ジャンル デュアルアクション
ハード Nintendo Switch
発売日 2019年8月30日
発売元 任天堂
開発元 プラチナゲームズ
公式サイト リンク
プレイ時間 ストーリークリアまで21時間

 プラチナゲームズと任天堂がおくるデュアルアクション「ASTRAL CHAIN(アストラルチェイン)」のレビュー記事です。

 主人公とレギオン、2つのキャラクターを同時に操作して戦う「デュアルアクション」が魅力の本作。ありそうでなかったユニークなシステムを、高い完成度で作り込んでおり、アクションゲームとして格別の面白さを備えています。複雑な操作を要求されるため、操作難易度は高いですが、細かくカスタマイズできるオート機能でアクションが苦手な方でも安心です。

 SFポリスアクションとなるストーリーは、男女どちらの主人公を選ぶかによって立ち位置が逆転する、二面性を持った構成です。キメラによる汚染の裏で、様々な人物の思惑が交差する、少し大人向けの設定を秘めています。一部で残酷な展開が存在するものの、基本はクセのないストーリーとなっており、遊びやすいアクションと併せておすすめしやすい作品でした。

1人で2キャラを操作するデュアルアクション

 主人公とレギオン、2人のキャラクターを同時操作で戦う「デュアルアクション」は、戦闘・ストーリーの両方にひもづいた本作の目玉要素です。単純に2キャラ分の操作をコントローラーに割り振っただけではなく、面白くするための工夫が練り込まれています。おかげで、最初から最後まで全く飽きずに楽しめました。

 同時操作といっても、レギオンはセミオートで動くため、主人公で戦いつつもレギオンの行動を制御するのが基本です。レギオンを飛び込ませる・引き寄せるだけでなく、レギオン側に引っ張らせることも可能なので、かなりスピーディーに戦えます。両者をつなぐ鎖ですら、活用することでエネミーの突進を止めたり、拘束したりできるので、うまく立ち回れば戦力は2人分以上です。

 2キャラの操作と状況判断で、常にマルチタスクとなってしまうため、操作難易度はかなり高いです。ガチャ押しプレイでも良い感じで立ち回れますが、操作に慣れると、より面白くなっていきます。全てのアクションを使いこなして、レギオンを手足のように操作できるころには、格別の爽快感が湧き上がりました。

組合せ豊富な武器とレギオンスタイル

 レギオンには5つのスタイルが用意されており、それぞれ異なる特徴を持っています。加えて、主人公の武器も3種類存在するため、戦闘中の組合せは15パターンと豊富です。状況に合わせて切り替えることで、集中攻撃や各個撃破など、臨機応変に立ち回れます。連携攻撃「シンクアタック」も変化するため、組合せをいろいろと試してみるのも面白さの1つです。

 全てのパターンを駆使して戦うのが理想ではあるものの、オールマイティになる必要はありません。好みの組合せに絞って遊んでも、問題なくクリアできるバランスも高評価です。レギオンの種類も段階的に増えていくため、操作の慣れと拡張が絶妙なサイクルで繰り返されます。

 私自身、最初は全てを使いこなせる気がしなかったのですが、最終的には全パターンの基本操作を覚えるに至りました。戦闘中に様々なアクションを行うことで、リザルトボーナスが発生するため、プレイヤーの向上心を刺激する作りもうまくできています。

プレイヤースキルを問わない各種カスタマイズ

 基本はハイスペックなプレイヤー向けのアクションですが、各種操作をオートに切り替える「守護モード」を活用することで、アクションが苦手な人でも楽しめる作りになっています。単純に難易度を下げるのではなく、アシストの設定を細かくカスタマイズできるため、苦手な操作だけをオートにすることも可能です。

 もちろん、基本的な難易度もプレイスタイルとして選べます。手軽で爽快感の溢れる「守護」「有利」に対して、「拮抗」や「極限」は手ごたえのある難しさで、アクションに自信のあるプレイヤーを迎え撃ちます。「守護モード」と組合せることで、プレイヤースキルを問わず楽しめるのは、大きな魅力です。

 コンフィグが豊富に用意されている点も好感触でした。4種類のキーコンフィグや、レギオンの順番調整といった操作に直結する部分から、UIカラーやHUDの表示まで、驚くほど細かく調整できます。至れり尽くせりの状態で、アクションだけではない、細部までの作り込みを感じました。

プレイヤーの前に立ちはだかる多種多様なエネミー

 他のコンテンツ同様、登場するエネミーの種類も豊富です。造形の近い亜種も多いですが、単なる色違いではなく、異なるデザインとなっているため使いまわし感はありません。強敵が登場するたびに専用の演出も発生するため、戦いに向けてテンションが上がりました。

 見た目だけでなくエネミーのアクションも多彩で、中には特定のレギオンを使用しなければ倒せない、面倒な相手も存在します。しかし、忘れた頃に現れるくらいの登場頻度なので、戦闘のマンネリを回避する良いアクセントになっていました。ふだんは使わないレギオンを使用する機会にもなって、遊びの幅を広げるキッカケにつながります。

二面性を持ったSFポリスストーリー

 異次元から現れたキメラに対抗する警察組織、「ネウロン」に所属する主人公を中心に展開する物語は、男女の主人公による二面性を持ったSFポリスストーリーです。どちらの主人公を選ぶかによって立ち位置が逆転する構成となっており、ジャンル名の「デュアル」はストーリーにも掛かっていると感じます。

 キャラクターデザインが「桂 正和」氏ということもあって、レギオンを操る主人公たちがヒーローっぽく描かれているのも印象的です。レギオンを呼び出す際、変身ヒーローのようにかっこいい決めポーズを取るので、思わず胸が躍ります。他にも、見せ方がうまいと感心する演出が多く、見どころは満載でした。

 少年漫画のような青臭さが混じるものの、基本は「友情・努力・勝利」ではなく「愛・暴力・権力」の青年漫画テイストです。キメラによる汚染の裏で様々な人物が暗躍しており、時には救いのない残酷な展開も発生します。人を選ぶというほどクセはないですが、少し対象年齢が高めのストーリーでした。

数え切れないほど膨大な寄り道コンテンツ

 キメラとの戦いが中心となる本作ですが、事件を調査する捜査パートや、市民を助ける寄り道「サイドケース」も数え切れないほど用意されています。ストーリー進行に直接関係のないケースでも100種類近く存在するので、クリアしていくかどうかでボリュームが大幅に変動しました。

 捜査パートを含めた寄り道コンテンツは、ミニゲーム形式が多いため、好みが分かれそうな部分でもあります。とにかくレギオンで戦いたい!という人でも、ストーリー進行に関するサイドケースはクリア必須です。別次元でもギミックを解く場所が多いので、戦い一辺倒のゲームではない点は、注意が必要でした。

 なお、クリア後に用意されているやり込みコンテンツは、高難易度の戦闘が中心で構成されています。前述した「守護モード」や「プレイスタイル」の変更は行えないので、純粋なプレイヤースキルが問われました。ストーリーで戦い足りなかった人を狙い撃つようなコンテンツとなっており、アフターフォローまで万全です。

さいごに

 「デュアルアクション」を中心に作り込まれた高い完成度で、ストーリー・アクションともに文句なしに面白かったです。強いて問題点を挙げるとすれば、操作が複雑すぎて、Proコントローラーなしでは満足に遊べないことくらいでした。ユニークかつ爽快なアクションを求めている方に、強くおすすめしたい作品です。